2006年8月29日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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この日曜日と月曜日はイタリアの巨匠、ステファノ・グロンドーナのコンサートとマスタークラスがあり、二つとも大盛況。何より嬉しいのは来て頂いた皆さんが異口同音に『とても素晴らしかった!感動した!とっても良いものを企画してくれてありがとう!』と喜んでいただけた事です。

コンサートは早くから予約が満席で、10人近くがキャンセル待ちをしていただき、3名程がキャンセルが入り入場いただけました。当日もキャンセルが出ないかと時間ぎりぎりまでお待ちになる方がお二人いて、止むを得ず立ち席了承の上、入っていただきました。

グロンドーナの演奏は正統派の真正面から取り組む演奏でとても素晴らしい音楽を聴かしてくれました。彼自身がマスタークラスでも何度も受講者に言っていましたが、『ギターを弾くのではなく、自分の内にあるものを表現する媒体としてギターがあるのだ。』と、その通りの演奏でした。決してテクニックを見せたり、奇を衒った演奏ではなく、音楽と四つに組み、一音一音の音への気配り、コントロールが素晴らしく、ひとの心に響く演奏でした。
彼が今回持参したギターは1973年作のロマニロスで長年ジュリアン・ブリームが使用していたと言う貴重なギターで、甘くていい音色でした。彼はかた時もギターを離しませんでしたね。それ程大事な楽器なんですね。

プログラムは彼が特に研究をしているリョベート作品で一部を飾ると言うもので下記の通り。
<第1部>
「エル・メストレ」 ~ミゲル・リョベート讃歌~
1.M.リョベート(1878-1938)
  6つのカタロニア民謡
  「先生」「聖夜」「糸を紡ぐ娘」「うぐいす」「あととりのリエラ」
  「商人の娘」
2.R.ロゲリオ・ビリャール(1875-1937)-M.リョベート編
   スペイン舞曲
   * * *
3.R.ビリャール - M.リョベート編
   レオン地方の歌
4.M.リョベート
   7つのカタロニア民謡
   「アメリアの遺言」「盗賊の歌」「レリダの囚人」「聖母の御子」「哀歌」
   「王子」「羊飼いの娘」
5.フェデリコ・ブファレッティ-リョベート編
   マズルカ
   * * *
6.ミゲル・リョベート (1878-1938)
   3つの小品
    アルゼンチン民謡エスティロ
    エチュード
    スケルツォ・ワルツ
<第2部>
1.D.スカルラッティ(1685-1757)-グロンドーナ編
    4つのソナタ
      ニ短調K 21
      イ短調 K54
      イ長調 K431
      イ短調K175
2.A.タンスマン (1897-1986)
    カヴァティーナ
      前奏曲
      サラバンド
      スケルツィーノ
      舟歌
      華麗な舞曲

タンスマンのカヴァティーナについては彼が英語で演奏前にエピソードを話し、『31年前にギリアの講習会で知り合った渡部氏からのリクエストに基づき、永く演奏をしていなかった曲だが、今回彼との31年に亘る友情を祝うために演奏します。』と説明がありました。渡部さんは美山音楽祭で彼を今回日本に呼んだきっかけとなった人で、名古屋にも来て頂きました。

そして、ミューズサロンでの打ち上げ(写真左下)の後、これまたグロンドーナとは旧知の友である酒井康雄さんと、その日レッスンに来ていた藤井敬吾さんらと2次会でいつものイタリアレストランでまた盛り上がりました。(写真右下)
まあ、グロンドーナと藤井さんお二人の良くしゃべった事。セゴビア、ホセ・ルイス・ゴンサレス、ホセ・トーマス、オスカー・ギリアなどの昔話に花が咲いて、二人して喋り捲っていましたね。いろいろ裏話も聞けて面白かったですよ。

さて、長くなりましたね。マスター・クラスのお話は明日にして今日はこの辺りで・・・。



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