2006年11月のブログ記事一覧-ミューズの日記
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こんにちは、渡辺なつ実です。

はやいもので、もう今日で11月も終わりです。
明日からは師走!年末は何かと忙しいですね。

今日は、新しくギターが入荷しました。

先週行われていた『ギター世界の銘器展』に合わせて入荷する予定だったものが、遅れて入荷してきたもので、カズオ・サトウのギターです。銘器展のときにも何人かのお客様にカズオ・サトウのギターについてのお問い合わせをいただいたのですが、残念ながらその時には間に合わなかったのです。

持ってみるとずっしりと重いそのギター、早速鳴らしてみたのですが・・・。ビックリです。
とにかく音量がでかい今までも音量が大きくよく鳴るギターというのは様々ありましたが、その中でも一番大きいんじゃないかと思います。
本当にスピーカーが入っているんじゃないかと思うくらい。
人が鳴らしているのを聴いていても充分に大きすぎる(?)のですが、自分で実際に鳴らしてみるとさらに大きい音で鳴り、うるさいくらいです。これってギター???

嘘だと思われる方がいらっしゃったら一度弾いてみてください。
きっとその音量の大きさに納得されることでしょう。

しかも現在では製造中止のゲバのケースに入っており、2重に見所あり、という感じです。

お忙しいとは思いますが、是非弾きに来て下さいね。

今日も寒いです。皆さんお身体に気をつけてお過ごし下さい。
それではさようなら。













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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 村治佳織 ライア&ソネット in 大阪

 2006年11月22日(水)、大阪のシンフォニーホールで行われた新しいCDの発売に因んだ村治佳織の「ライア&ソネット」と題したコンサートは、ボーカルアンサンブルとのコラボレーションということもあって、これまでのギターのコンサートとはまったく赴きが異なり、伝統的ギター音楽の世界から少し踏み出して、さらに純粋に音楽的なコンサートとなった。

 今回の一連のツァーでは、ボーカルアンサンブル(11名)との音響的なバランスを確保するために、ギターには富士通テン製イクリプススピーカーのラインナップの内、最高グレードである712z-sを2本使用ということになったが、会場によって得られる効果がまったく異なるため、ステージ上での最終的なセッティングポイントと音量決定のための試行錯誤は充分な時間をとっておこなわれた。
結果的に712z-sは、従来ギターソロの時に、経験的に採用してきた奏者との位置関係を少し広めにとり、わずかに外に向けてセットすることになった。
合唱とギターとのアンサンブルなどということは私も過去に1回しか経験がなく、しかも1700人収容のシンフォニーホールで、果してどんな響きが得られるのか、まったく想像がつかなかったが、幕を開けてみると、さすがに日本でも一二を争う優れた音響効果を誇るこのホールは、観客が入ってもほとんど音響効果は変化することなく、すべての音がベストバランスを保っていたように感じた。

そうなるとギターと人間の声というのは元々非常に相性が良い。しかも今回の「ヴォクスマーナ」というボーカルアンサンブルのなんと美しいことか。彼らが表現する音楽には、CDで共演したイギリスの「シックスティーン」というボーカリスト達の上を行くのではないかと思わせるほどの感銘を私は覚えた。
ギターの音色に乗せて声が発せられた瞬間に、ゾクゾクするほどの感動が背筋に走るのを覚える。夥しい種類の音楽が絶えず世に発せられる中、今クラシック音楽の世界で、心底感動を呼ぶ演奏などというものに、これからもどれだけ遭遇することができるであろうかと考えると、素直にその音楽に心を揺り動かされる今回のこのコンサートが、ホールに集まった多くの音楽ファン、ギターファン、そして村治佳織ファンにとって、どれほど貴重な体験であったか察することができよう。
その上、彼女の演奏で素晴しいのは、いつもながら音楽の表現に不足が無いばかりでなく、まったく無駄が無いということであり、どうして?と疑問を感じる表現がひとつもないことだ。しかし、正にこの点にこそ、あらゆる芸術家の中でもまったく稀有で貴重な存在と云える理由が存在するのであって、しかもその表現力は、当たり前の優等生的などというレベルを遥かに超越し、彼女の個性が存分に発揮された最上級の芸術に到達している。
演奏された音楽に何の疑問点もなく、素直に、自然にその音楽に身を委ねられる演奏のできるギタリストが世界にどれほど存在するだろうか。

演奏されたひとつひとつの曲についての詳しいコメントは今回控えるが、ステージの前半ではCDには収録されていないムダラやダウランド、それにフレスコバルディやパーセルといった作曲家の作品も演奏され、中世的な雰囲気の漂う何とも不思議で魅力的な音世界を展開していた。後半に入ってはヴィラ=ローボスの5つの前奏曲に「この曲がこんなにも美しい名曲であったか」と改めて認識させられ、次のテデスコのロマンセロ・ヒターノにいたっては、後で合唱の方達も「是非いつか全曲を通してやってみたい」とおっしゃっていたことでもわかる通り、今まで私の聴いた同曲の中では、世界的に見ても圧倒的に最高レベルであったと断言しても良い。そして最後のボロディン作曲「ダッタン人の踊り」が終わった時は、会場にいた多くの方々の目をうるませるに充分なほど胸に迫る何かがあった。最後のギターのハーモニックスが遠く消えていった瞬間、会場から思わず歓声が上がったのもギターのコンサートとしてはこれまた素晴しく稀有なことであり、我々をなんだか誇らしい気持ちにさせてくれた瞬間でもあった。

今回、全国で3回行われることになっているこの「ライア&ソネット」と題したコンサートも、残すはあと11月29日の1回のみになった。足を運ぶことの出来ない方には、ぜひともCDでその魅力を味わっていただくことをお薦めする。
内生蔵 幹(うちうぞう みき)

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今日は、いつもにも増して寒さが感じられたように思います。もう冬が、すぐそこまできているようですね
そんな寒い中、今日もたくさんの方が世界の銘器展に足を運んでくださいました。

私も空き時間に展示しているギターを弾いてみましたが、普段お店でも見られないような銘器の数に、どれを弾こうかと目移りしてしまいました。ほとんど全てのギターを弾いてみましたが、「これはどんな音色だろう?」と一つずつ弾いていくとそれぞれ個性があふれていて、時間を忘れて楽しんでしまいました
どの銘器も、魅力的な良さがありますが、私は個人的には”Kenneth Hill”トーレスモデルが好きでした。飛び抜けて良くなる楽器というわけではないのですが、やわらかい音色が気に入りました
今日お店にいらしたお客さんもおっしゃっていたのですが、ギターの音色を言葉で表現するのは難しいですね。

言葉で表現するよりも、手にとってその楽器の直に音色を感じていただくのが一番ですね。
明日は、14:00からと17:00から、高岡先生による「銘器引き比べミニコンサート」あります!入場無料のコンサートです。
是非、世界の銘器に触れて楽しんでいただければと思います!

これから寒さもいっそう増してまいります。風邪などにお気をつけてお過ごし下さい。

吉岡 恵







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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 徳永真一郎 デビューリサイタル

 2006年11月17日(日)、徳島市にある創世ホールにおいて、以前このブログにも紹介させていただいたことのある徳島の高校生、徳永真一郎君のデビューリサイタルが開かれた。今年の3月、学生オーケストラのバックではあったが、高校3年生ながら立派にあの難曲アランフェス協奏曲を演奏して見せた徳永君である。
 当日は朝から雨という最悪のコンディションながら、なんと会場は超満員。補助椅子を一杯並べただけでは足らず、通路と言わず階段と言わず小さな座布団を敷き、席のないお客はそこに座って聴くという、正に異例に熱気をはらんだコンサートとなった。
最近のギターのコンサートといえば、会場を満杯にするどころか、席を半分埋めることすらままならないことが多いのにもかかわらず、今回のコンサートはまったく異例中の異例ではないだろうか。

 彼は小学校3年生の時から現徳島ギター協会会長の川竹道夫さんについて学んできたが、その優しい、むしろ過度と思えるほどの控えめな印象とは大きく異なり、福田進一やオスカー・ギリア、今年はステファノ・グロンドーナのレッスンも進んで受講するという積極的な面ももっている。彼は、それら多くの名匠と言われるギタリストや音楽家の教えを素直に受けとめ、絶えず自分の中に消化させているのであろう。私の受けた感想は、今年4回聴いた彼の演奏の中で、今回のデビューリサイタルでの演奏がずば抜けて良かったように思う。うかがったところ、なんでもステファノ・グロンドーナのレッスンを受けて、猛烈に上達したとのことであった。とにかく今年の1月、初めて彼の演奏を聴いた時とは段違いであった。音楽の表現力が大きく、そして素晴しく豊かになり、特にゆったりしたテンポの曲での歌わせ方など、大変落ち着いた中にも新鮮な表現が見られ、「あぁ!そういう弾き方もあるか!」と驚かされるような超一流と言ってよい音楽になっていた。

プログラム最初の曲は、お得意のセヴィーリャ(第一曲目が!)であるが、あまりの緊張のためか、舞台に出てからなかなか弾き始められないようで、椅子に座ってから、その緊張を自ら静めるのにかなりの時間を要した。しかし一度弾き始めたら、その細い体に似合わぬ図太い音と、爽快なテンポでアルベニスの世界を表現してくれた。後で川竹さんにうかがうと、彼はいつも緊張すればするほどいい演奏をするのだそうだ。特に中間部分、下手をすれば間延びしがちなところが充分歌って、まずその才能の片鱗を見せた。
次のロッシニアーヌ第3番は誠にもって見事という他ない。長大な曲を豊かな感性で、最後まで飽きさせない。それどころか、こちらが息を呑むような緊張感を味わえる瞬間が、ひとつの曲の中で何回あったであろう。あの長い曲があっという間に終了してしまったという感じであった。
次のトローバ作曲ラ・マンチャの歌も、5曲全て作曲者の小粋な歌心が充分発揮された演奏であった。

休憩を挟んで第2部は私の好きなアントニオ・ラウロのベネズエラ舞曲を3曲。なんと小気味のよい演奏であろうか。テクニックも充分で、まったくもって危なげなく弾ききっていた。
圧巻は次のヴィラ=ローボスの5つの前奏曲。どんなに早いパッセージであろうとものともしないテクニックを持ちながら、そのゆったりとした曲に表現されるその「歌」はどうだ。近年彼ほどの年齢で、これほど落ち着きはらった深い表現力のヴィラ=ローボスは聴いたことがない。それほど彼の弾く前奏曲は全て見事の一言に尽きる。この曲に関して今回の彼の演奏は、世界に出して、超一流の演奏家のそれと比較してもなんら劣るところのない素晴しいできばえであったと断言できる。(実は明日22日、大阪において村治佳織さんがヴォーカルアンサンブルつきとはいえ同じ曲を演奏してくれるので、その対比がとても楽しみである)
 最後にディアンスの曲が2曲。サウダージ第3番とフォーコ。これは正に音の洪水。終わった瞬間に、期せずして聴衆の間から感嘆のため息が漏れたのをみても、その凄さが伺われる。

 アンコールは同じくディアンスのタンゴ・アン・スカイ。次いでアルハンブラの思い出。そして最後はおなじみ「禁じられた遊び」。この最後の曲はその師川竹さんが、何としても彼に弾いてもらいたかった曲だったとのこと。この誰もが知っている、ある意味恐ろしい音楽を、彼は何と表情豊かに奏でたことであろう。思わずこちらの目が潤んできてしまうほどの感動を覚える演奏であった。
終了と同時に隣にいた家内の声が聞こえなくなるほどの歓声と拍手。四国は徳島に、輝かしい未来を約束された若者が誕生した瞬間であった。
 尚、今回彼の初リサイタルは、冒頭に述べたように、補助席だけでなく、階段、通路にも人が溢れたほどの盛況ぶりだったのだが,それでも尚多くの申し込みがあり、やむを得ず12月の7日に急遽追加公演の運びとなったのは、なんとも痛快な話ではないか。
そしてもうひとつ讃えられるべきは、この徳永真一郎の非凡な才能を、最初に見た瞬間から見抜き、そして今日まで磨き続けた川竹道夫先生の才能も、また非凡なものであると言わざるを得ないことである。
内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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今日から世界の銘器展の準備にかかりました。

午前中からぞくぞくと銘器が入荷してきました。今回は非売品は1本もなく全て販売可能なものばかりですが、ヘルマン・ハウザーがI世ウィンナーモデル、Ⅱ世 1975年、1981年、Ⅲ世 2001年となんと4本も揃います。シンプリシオの1929年も少し傷はあるものの素晴らしい音がしています。福田進一さんで有名になったガダニーニ1829年、レイズド・フィンガーボードの元祖・トーマス・ハンフリーも入っています。その他100万円前後から500万円前後の楽器まで現在人気の楽器が20数台揃います。今日入荷したものをチェックしながら調弦しましたが、どれをとっても申し分ないものばかりです。明日もまだ入荷してきます。開梱してチェックするのが楽しみです。皆さんも是非チェックしに来て下さい。

ただし、23日はヴルフィン・リースケのスペシャル・コンサートのため14:00~17:00までは銘器展としては入場できませんので気をつけてくださいね。今回彼はサントス・エルナンデス1925を演奏されます。これも楽しみです。

銘器展の期間中は盛り沢山のスペシャル・オファーも用意していますので是非ご来場ください。例えば主要な輸入弦が半額、またローンで購入を考えている方には金利ゼロキャンペーン、更にミューズ会員の皆様には銘器展に使用する木製ギタースタンドを特別価格にて販売と楽譜・DVDを10%割引、CDを5%割引と言うスペシャル大サービスです。

また地元の人気ギタリストによる銘器弾き比べミニコンサート(入場無料)もあります。
11月25日(土)酒井康雄 12:00-12:30 15:00-15:30
11月26日(日)高岡 誠 14:00-14:30 17:00-17:30

更に26日(日)は名古屋が誇る名工・加納木魂さんによる楽器無料診断(13:00-17:00)もあります。簡単な調整ならその場でしてもらえますから、ギター持参でお越しください。お待ちしています。

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