今日はお客様から村治佳織さんのコンサートレポートを頂きましたのでご紹介させて頂きます。小さな会場でもイクリプスを使って演奏されたようです。使用楽器で第2部のブラジルの製作家と言うのはセルジオ・アブリューのことです。先回アンヘル・ロメロと一緒に演奏したときにも使用した楽器で、佳織さんがアンヘルから購入されたものです。現在ミューズにも1本ありますよ。
10月13日(土)尾鷲市にある熊野古道センターで開催された村治佳織のコンサートに行ってきました。このセンターは、本年の2月に開館したものです。ヒノキを6500本使ってつくってあり、中へ入るとヒノキの香りが快く鼻をくすぐります。また、小高いところにありますので、前の庭から尾鷲湾や対岸の山々など心癒される風景が一望できます。久しぶりに至福のひとときを過ごしてきました。
プログラム
第1部
リュート組曲だ1番ホ短調(J・S・バッハ)
無伴奏バイオリンパルティータ第2番に短調よりシャコンヌ(J・S・バッハ)
「ギターのための12の歌」よりロンドンデリーの歌(武満徹編曲)
サンバースト(ヨーク)
第2部
暁の鐘(デ・ラ・マーサ)
ラ・マンチャの歌 Ⅰヘリンゴンザ Ⅱもう冬がやってくる Ⅲ小唄 Ⅳ牧人
Ⅴラ・セギディージャ(モレーノ・トロバ)
アルハンブラの思い出(タレガ)
ヘネラリーフェのほとり(ロドリーゴ)
粉屋の踊り(ファリャ)
アンコール
オーバーザレインボウ 他1曲
会場は、17席が17列、プラスαで約300席がほぼ満席でした。会場の床がフラットなので、前から10列目に座っていた私には、村治佳織のあごから上しか見えませんでした。ギターを弾く左右の指裁きが見えないことが残念でなりませんでした。しかし、イクリプスという最新の音響設備が威力を発揮し、ギター本来の音質を損なうことなく、ほどよく増幅されるので会場の隅々まで美しい音色が響き渡りました。ちなみに第1部で使用していた楽器は、ロマニリョスでした。後で値段を調べたら、税込みで378万円でした。(「弘法は筆を選ぶ」、「村治佳織はギターを選ぶ」)4年前にオーダーで作ってもらったそうです。第2部で使用した楽器は、名前は忘れましたが、確かブラジルの製作家だったと思います。
なんといっても「アルハンブラの思い出」「暁の鐘」のトレモロの美しさに魅了されました。最初の一音から粒のそろったトレモロが何のよどみもなく流れていきました。今まで聴いた中で一番美しいトレモロと言ってもいいでしょう。それからシャコンヌ。これがまたすごかった。緩急、自由自在に弾きまくりました。後のトークで「シャコンヌ」は人生をイメージしながら弾いているとのことでした。なるほど。トークは、立ってもらえたので、やっと上半身が見えました。
リュート組曲のアルマンドは、恥ずかしながら私のレパートリーでもあります。きわめてゆっくりした丁寧な演奏でした。それがまたいい。私もこれからこのテンポで弾こうと思います。
至福のひとときは、あっという間に過ぎてしまいました。CDを買った人のため
に、演奏会終了後、サイン会がありました。これがまた長蛇の列。CDを買った私も辛抱強く並びました。黒いCDの板にゴールドのサインペンでサインしてもらいました。これで村治佳織のサイン入りCDは2枚目です。せっかくなので、顔をじっと見て「ありがとうございました」と言ったら、ほほ笑みながら私の目を見て「ありがとうございました」と返してくれました。60歳前なのにへんに照れてしまう自分でした。ギターの音色同様、容姿容貌も輝くばかりの美しい人でした。
明和町 西川義則
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