2009年10月のブログ記事一覧-ミューズの日記
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今日は三重県の会員さんからある、コンサートに出演された時の様子をレポート頂きましたのでご紹介します。この方は今回で3回目の投稿ですが、いつもその場の雰囲気や気持ちがよく伝わってきます。共感される方も多いのではないでしょうか。

10月18日(日)は、自分が所属しているクラシックギターサークル「ろくげん」の演奏会があり、60人ほどを前に演奏しました。
5人での合奏は、モーツァルトの「アイネクライネ・ナハト・ムジーク」の第1楽章、全員合奏は、「つなみ」「コーヒールンバ」、独奏は、ロンカリ編曲の「パッサカリア」でした。この曲はレスピーギ作曲の「リュートのための古代舞曲とアリア第三組曲」の終曲をロンカリがギター用に編曲したものです。この日のために1年以上前から、毎日毎日練習してきた曲です。6分ほどの結構大曲で、まずは暗譜するのがたいへんでした。この演奏会で独奏曲を弾くのは4回目ですが、今回が1番、弾き込んできたという感触がありました。休憩後の最初が出番でした。出番を待っているときの緊張といったらありません。いつものことですがみんなの前で弾くなんて、やめておけばよかったという気持ちがよぎります。一番不安になるのは、覚えているはずの楽譜が頭の中から真っ白になって消えてしまうのではないかということです。でも、アナウンスに促されて舞台の中央に歩み出るときは度胸が据わります。椅子にかけ、姿勢を整えてからゆっくり深呼吸をしてから最初の音を鳴らします。あれだけ練習したのだから、きっと指が自然に動いてくれるだろうことを信じて弾いていきます。
 最初は順調でした。自分の弾くギターの音色を自分の耳で聴き、ビブラートをかける余裕もありました。しかし、最後のところで落とし穴が待っていました。一瞬指がもつれて、音を外してしまい、あせって次のフレーズを弾く指の動きが止まってしまいました。悔しいけど、ちょっと省略して最後の部分を弾き終えました。あんなに練習したのにという悔しさと、あがりながらも(プロはあがってもまちがえない)何とか弾き終えたという満足感が混じった複雑な気持ちでした。
 来年の演奏会は、バッハの「管弦楽組曲第2番よりポロネーズとドーブル」を弾く予定で練習を始めています。
 さて、10月20日(火)の朝、いつものように校舎周りをしていると4年生の女の子が「ギターはどうでしたか」と聞いてきました。びっくり半分、うれしさ半分で「ちょっとまちがえちゃったけど精一杯弾いて自分でもよく頑張ったと思うよ。ありがとう。」と答えました。
 この子のお母さんは1979年に6年生を担任したときの児童です。今回、演奏会を聴きに来る予定でしたが急用ができてそれができませんでした。
 またいつか、聴いてもらえるようこれからも練習に励みたいと思っています。
<以上、三重県の会員さんより>

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今日はアルゼンチンのカンバタンゴ楽団の演奏会がミューズサロンでありました。
「エッ、楽団?あんな小さなサロンで?」と思われますよね。今日のはバンドネオン1台、ギター2台、コントラバス1台の4人の楽団に歌手一人と言う組み合わせでした。この楽団はリーダーのバンドネオン奏者がブエノス・アイレス在住の平田耕治さんと言う日本人で、2年ほど前に結成したそうです。平田さん以外は全員がアルゼンチン人で、本場のタンゴの演奏をたっぷり聴かせてくれました。

他の会場ではPAを通しての演奏ですが、ミューズサロンでは生で(ノーマイク)で演奏を聴かせてくれ、いつもとは違ったいい雰囲気の演奏会になったと、主催者側もご満悦でした。
全員が気のいいミュージシャンで、ギタリストの二人は、1階の店で、ロマニロスを試奏しては「これは美しい楽器だ、いい音がしている、弾き込むと鳴って来るぞ!」と大満足。

そして、バンに楽器と荷物を積み込んで、隣の八百屋さんでバナナを買い込んで、ミューズのスタッフ全員に握手とキスをして大阪に向かって出発されました。道中の無事と、明日の大阪公演の成功を祈りつつお見送りしました。たった半日のお付き合いでしたが、分かれた後も心に残る人達でした。

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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 良心的なオリジナルCD集
 最近、「こんなCDを出してくれることもあるんだなぁ」と思えるようなCDが手に入ってなんだか得をした気分になった。ジョン・ウィリアムスのCDなんだけれども、40年以上前ジョンがレコードを出していたレーベルがCBSコロンビアからCBSソニーに変わったのち発売された録音の中から、初期の5枚を選んでセットにしたものだ。しかもお値段がなんと通常のCD1枚分より安いというから、なんともお得感一杯!
その5枚の中にはRCAビクターから発売になったブリームとの二重奏の録音も含まれているのがよく理解できないが、とにかく5枚のCD全てのジャッケットが裏・表とも発売当時そのまま。(従って裏の解説文などは文字が小さくて虫メガネでもないことには読むこともできない。もっとも全部英文なのであまり読むつもりもないが。また二重奏のレコードのジャケットは国内盤とは違っているが、海外で発売されたものはこれなんだろう)しかもその気になれば2枚か3枚のCDに詰め込むこともできたはずなのに、全て1枚のCDが1枚のLPに対応しているため、どれもジャケットが発売当時のまま再現されているというわけ。
LP5枚分がCD5枚とは少しもったいないような気もするが、しかしレコードというのはその演奏家の歴史であるはずだから、やはり再発売のときも初出のときのジャケットをそのまま再現するのが正しいやり方だと思う。
一般的には再発売となると、おおよそジャケットも安直な風景写真なんぞになって、どこかの占い師風に「こんなん出ましたんやけど」と、少し控えめにレコード店に並ぶのが普通だろう。しかしそれなどはまだましな方で、売れ筋と思われる曲目だけ集め直してくるのが普通になっているのはなんとしても許せない。そもそも歌謡曲じゃあるめぇし、売れた曲だけ集めてきてどうするだぁ。

以前セゴヴィアの英国デッカへの録音を集めた全集がCDになって発売されたことがあったが、収録された曲を作曲家別にまとめてしまったため、演奏年代がむちゃくちゃになってしまっていた。これなんぞは大きなお世話というかまったく腹立たしい限りで、収録された内容とそのジャケットが合わないだけでなく、使われずに捨てられたジャケットも出てきてしまった。(そもそもおいちゃん達の年代はセゴヴィアのLPのジャケット写真やイラストにはなんともいえない愛着というか郷愁を感じておるのよ。それを無視してあんなCDにしてしまうとは「許せんぞぉ!」と怒りつつ次へ話を続ける)しかも演奏年代を無視しているので、当然モノラル録音とステレオ録音が混在しており聴き難いこと夥しいだけでなく、偉大な芸術のレコード(記録)としての価値を半減させてしまった。

そこで今回手に入れたジョン・ウィリアムスの5枚組のCDは、とにかく何も手を加えず当時のまま。製作する方もいとも安直にできたはずだ。しかしその方が我々にとってはありがたい。
まず1枚目はCBSソニーになって初めに発売された「ある貴神のための幻想曲」とドッヂソンの「ギター協奏曲」。これはのちに同じジョンの演奏で第2番が出たので、このときに出た作品がギター協奏曲第1番ということになる。これは私が初めて聴いた時はあまりの斬新さに正直「かっこいい!」と思ったものだったが、当時何とか言う解説者(名前は分かっているが)の批評にはたしか「毒にも薬にもならない、どうでもいい曲」というような表現がされていて、随分憤慨したことを覚えている。「ある貴神・・・」の方も当然スペイン色は薄いがごまかしの無いしっかりとした構成感を具えた立派な演奏で、今でも私の一押しの演奏だ。バックはチャールス・グローブス指揮、イギリス室内管弦楽団で、次に出たテデスコの協奏曲の覇気の無い指揮振りに比べれば、これらの曲はこの指揮者の気性にも合っているのか、はるかに良い演奏をしている。

次はジョン自らの編曲で有名になったグラナドスの「詩的ワルツ集」の入った独奏集。冒頭のアストゥリアスなどはものすごい迫力で圧倒されるような名演だ。今回CDになって音がより明瞭になったためか、激しいラスゲアードの部分でジョンにしては珍しく他の弦を引っ掛けてしまったミスというか雑音もしっかり聴き取れる。しかしこのレコードに見られるジョンの演奏は、若さにまかせて溌剌とはしているが、出っ放しの水道のようにするどい音の連続で、今聴くと正直次第に疲れてくる。もう少し力を抜く部分もあってくれたらと思ったことはたしか。

次の1枚はバレンボイム指揮でアランフェスとヴィラ=ローボスの協奏曲の入った一枚だが、私は正直言ってこの演奏はあまり好きではない。バレンボイムという人の演奏がもともとのピアノの演奏からしてあまり好きではなかったので、多少偏見があることも否めない。今回改めてもう一度ゆっくり聴いてみたいと思っている。(聴きなおしてみたら案外良い演奏なのかもしれないという予感もする)

そしてもう1枚は以前このブログでも取り上げたことのあるパールマンのヴァイオリンとの二重奏でジュリアーニとパガニーニ。これは以前も書いた通り、全曲を通じてしまりが無く、面白くもなんとも無い。しかしこれもジョン・ウィリアムスという偉大なギタリストの記録の内のひとつ。大作曲家といえども生涯を通じて名曲ばかりとは限らないのと同じで、ジョン、パールマンといえども「やらなきゃよかった」というのもあるようだ。

そして最後はブリームとの二重奏で最初に出た録音。ソルの作品34「慰安」も入ったものだが、お互いに遠慮があるのか、あるいはぶっつけ本番に近いのか、ギターの二重奏としてレコードで聴くにはなんとも物足らなくて、フラストレーションが溜まりそうだ。やはり二人はソリストですなあ。わざわざレコードまで出さなきゃえがったのにねぇ。

なんだか紹介しておいてあまりいいことは言ってないようにも見えるが、私としては若い頃から大好きなジョン・ウィリアムスのレコードが「あばたもえくぼ」、当時のジャケットのままCDに焼き直して出してもらえるということだけでも大いに価値のあることなんですなぁ。
内生蔵幹(うちうぞうみき)

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先週金曜日は「谷辺昌央ギターリサイタル」でした。
平日の夜ということで、会社帰りに「空いてる?」ってきてくださった方や、地元ですものね、同級生やご親戚の方もおみえになってました。

私は二部を聴かせていただきました。
「コツコツコツ、ギーッ、バタン」
ギターで出された擬音。ミステリー小説の始まり?
う~ん。現代音楽(?)は私には馴染みがなく、むつかしい!
ジャズのテンションコードよりやっかいな不協和音・・・・。
勉強不足でごめんなさい。
アンコールで弾かれた「タンゴアンスカイ」でやっと、ホッとしました。
この曲は、ギターを始めて日の浅い私でも、色んな方のをお聴きしています。
谷辺さんのは、とっても上品な「タンゴアンスカイ」でした。東大を出ていらして、物腰も柔らかで、丁寧できちんとされていてっていう背景が感じられました。

・・・なんて、コンサートのブログにならないですねえ。
やっぱり、後は社長のコメントで締めていただきましょうby関谷

山下です。私は第1部を聴かせて頂きました。
谷辺さんは流石にいろんなコンクールで優勝している実力者ですね。素晴らしいテクニックを持ってらっしゃいます。とても安定していて、ギターを彼の音楽を奏でるための道具として、彼の音、音楽を自由に表現する術をお持ちでした。演奏はドイツ在住が長いからかどうかは分かりませんが、かっちりした演奏をされます。
今回は殆どが現代曲でしたが、次回には是非古典を聴きたいと思いました。





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10月11日(日)はワンコインコンサートでした。
いつも演奏参加が多すぎて、申込をお断りするほどですが、今回は珍しく演奏参加が少なく、10名の出演に止まりました。3連休の真ん中だったこともあるのでしょう。また、インフルエンザの影響もあったのではないかと思っています。

コンサートはいつもの様に私が司会をしながら進めて行ったのですが、11月28日の「メンタル・トレーニング」に因んで、緊張のコントロールについてお話を交えながら進めました。そして休み明けの今日メールを開けましたら、お二人から偶然にも「有意義だった」と言う以下のようなうれしいメールを頂きました。

Aさん「今日のワンコインコンサートはとても有意義でした。山下さんのMCは面白くて、メンタルの面で今日はすごく勉強になりました。私はノミの心臓で人前で全然うまく弾けませんが、今日のお話を聞いて、なるほどと思うことばかりでした。」

Bさん「とても有意義な時間を過ごせました、特にメンタル面でのことですが、失敗した時に感情移入が途切れてしまったり、また持ち直したり、変化する人もいればしない人もいたりと、自分の演奏はもちろんですが、参加されたみなさんの演奏を聴いてとても勉強になりました、是非また都合が合いましたら参加させてください。」

やはり人前では緊張して普段通りに演奏できないというのは万人に共通して言える問題ですから、皆さんがそんな目で演奏を聴いたり、私の話に共感して頂いたんでしょうね。何人かの方は演奏しながら乗って来て、気持ちよさそうに、いい演奏をしている様子が分かりました。これも緊張や集中力のコントロールの問題ですから、その術を場数を踏むことで会得していく人と、自然と身につけている人といるようです。例えば、人前で話しをする事に慣れている人は、演奏のときにも緊張のコントロールが上手なようです。この辺りのコツについて「メンタルトレーニング」でお話しして頂けるのだと期待しています。

今回のプログラムは下記の通りでした。
最後の相澤さんはポルトガル語でのボサ・ノヴァの弾き語りをとてもいい雰囲気でやって頂きました。ワンコインで初めての弾き語りでした。弾き語りもいいものですね。

三浦 章 (10コース ルネサンス・リュート)  
      Ronn McFarlane 作曲 Indigo Road より
Augusta、Denali、Over the Green Earth
上田 和也  小さなロマンス/L.ワルカー、ノクターン/C.ヘンツェ
工藤 忠之  ラグリマとアデリータ/F.タルレガ
大西 友典  小さなロマンス/L.ワルカー、11月のある日/L.ブローウェル
鈴木 信幸  サラバンドとアルマンデ/M.M.ポンセ
金田 弘幸 さくら(独唱)/森山直太郎、スペイン舞曲第5番/E..グラナドス
稲熊 博隆 エチュードニ短調/コスト、スターダスト/ホーギー・カーマイケル
田中 健之 そのあくる日/レイ・ゲーラ、
      大聖堂より第2、第3楽章/A.バリオス
各務昭子  前奏曲No2 & No.5/H. ヴィラ=ロボス
相澤 貴子(弾き語り)イパネマの娘とFotografia/A.C.ジョビン




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