2005年9月のブログ記事一覧-ミューズの日記
ミューズ音楽館からの発信情報  ミューズのHP  http://www.muse-ongakukan.com/

 



こんにちは、渡辺なつ実です。

朝や夜など、最近はだいぶ涼しくなってきましたね。明日から10月なので、そろそろ涼しさに備えないといけないかなーという感じです。

芸術の秋、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋などとよく言われますが、みなさんは秋はどのように過ごすのがお好きですか?私は、家の中に居るのなら断然読書をします。もちろん時間があってのんびりできる時に限りますが・・・。音楽をかけてコーヒーを入れ、それはもう至福のひとときですわりと日本文学が好きなので三浦綾子や宮本輝、江国佳織なんかを読みます。本って一度読んでもその後時間を置いてまた読んでみると新たな感動を味わえるし、前とはまた違った側面に気が付いたりして、何度も楽しめるのがいいですよね。あと、その登場人物の気持ちを想像したり出来るのも本の魅力です。

子供の頃よく本を読んではしばらくその世界に浸りきっていてぼんやりしてしまい、困ったことが何度もあります。小公女を読んで屋根裏部屋に住んでみたり、親指姫に会いたくて本気でチューリップの中に親指姫を探しに行ったこともあるくらいです。

最近気候が秋らしくなってきて、また読書の季節だとわくわくしてきます。もちろん食欲の秋、芸術の秋も魅力的です。とにかく秋は大好きですいい季節だと思います。

なんだか話がギターとは関係ないところに行ってしまいましたが・・・。みなさんも秋をめいっぱい楽しんでくださいね。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




セルシェルが使うことで知られている11弦ギターですが、先日あるお客さんがご自分の11弦ギターを持ってきて置いて行かれました。1989年か1990年に購入されたものだそうです。アストリアスの11弦ギターで表板は松。当時30万円だったそうです。現在は杉しか作っていないようで42万円になっているそうです。裏板が多少塗膜に曇りがありますが、傷もなく殆ど新品に見えます。見た目にも美しいので預かりました。

調弦は普通6弦からミ・レ・ド・シ♭・ラ・ソと下がっていくようです。勿論曲によって変えればいいのですが・・・何と言ってもリュートと同じ調弦をすることでリュートの曲が殆どそのまま弾けるのが魅力ですね。しかし、慣れが必要です。目で見ると惑わされてしまい弦を間違えます。リュート奏者の中川さん曰く、「心眼で演奏しなければいけません。」だそうです。これを聞いた時にスター・ウォーズに出てきた「フォースの力を信じなさい」と言う台詞を思い出しました。リュートや11弦ギターを弾くにはフォースの力が必要なんだ・・・。

10月10日に公開レッスンとコンサートをやっていただく札幌のギタリスト・渋谷環さんも11弦ギターを演奏されますよね。バッハのチェロ組曲第1番を演奏してくれますがとっても楽しみです。どっしりと落ち着いた、しかもスケールの大きな演奏で聴く者を引き込んでいきます。皆さんも楽しみにしていてください。
渋谷さんは左手を痛めて一時期演奏を中断していた頃がありますが、ある日セルシェルが11弦でバッハを弾いているのを見て、「あぁ、左手が楽そう」と思い、11弦を使うようになったそうです。確かに右手はフォースの力で弾かなければなりませんが左手は6弦よりリュートの曲なんかは楽になりますね。バッハが好きな人は1本くらい11弦を持っていてもいいのかも・・・

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




皆さん、芳志戸幹雄さんのホームページがあるのをご存知ですか?
(http://hoshido.com/index.html)
1996年に惜しまれながら世を去ったギタリスト・芳志戸幹雄さんのホームページが今年立ち上がったんです。芳志戸さんが亡くなられて来年で10周年になるのを記念して元お弟子さんたちが立ち上げられた様です。そして来年5月6日、新宿近江楽堂において追悼演奏会を開催する旨を芳志戸さんのお母様に報告されたようです。芳志戸さんは「鬼才」と謳われ、荘村清志さん、渡辺範彦さんらと「三羽烏」と謳われて大活躍されました。私も大好きな演奏家の一人で良くヤマハの名古屋時代に演奏に来ていただきました。そして名古屋の若手を育てると言う目的で月1回のマスタークラスを1年半に渡ってやっていただきました。私も毎月レッスンを受けました。従って私の師匠にあたります。芳志戸先生と呼ばせていただきます。添付した写真がそのマスタークラスの生徒募集のチラシです。

私はこのホームページを見て胸を打たれました。まず、大好きで尊敬する芳志戸先生のホームページが存在すること。そしてHP立ち上げの発起人の一人に名古屋のマスタークラスを受けていた樹神 功さんが居るのです。彼はHPにも書いていますが、月1回のレッスンに飽き足らず毎週上京してはレッスンを受けて先生が亡くなられる96年5月15日までお世話になったそうです。そしてHPのBGMに使われている「メランコリー・ガリアルド」が、勿論芳志戸先生の演奏ですが、何とも切なく悲しく響いているのです。

私も一度先生のお宅までお邪魔したことがありました。そして二人で小さな居酒屋で飲んだ事があります。その時先生は「山下さんは僕の弟子ですよ。」と言ってくれてそれが何とも嬉しかった記憶があります。歳は私より3つ上でした。そして上智大学でした。私が南山大学だったので姉妹校なんですね。私が南山に入って上南戦(上智と南山の交流会)で東京に行き演奏したときには、「すごい上手い人が居た」と言ううわさだけを聞きました。先生はもう中途退学されてプロデビューし、スペインに留学されていました。そして私の学生現役時代に帰国されて華々しい活躍が始まりました。そんな芳志戸先生にヤマハに入社した私が演奏のお願いをしたりマスタークラスのお願いをしたり出来たのは幸せなことでした。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )




私がメキシコに駐在していたある日、テレビでベルサイユ宮殿の紹介番組がありました。レールを使っての移動撮影からクレーンを使っての空中撮影を駆使してそれはもう美しい映像でした。それを見ていたら急に映像を撮りたくなってきて「そうだ、8mmを買ってベルサイユ宮殿を撮ろう!」と思い立ちました。そこで友人にカタログを送ってもらい購入する機種を検討しました。決定したのが当時キャノンの最高機種で当然音声も録音できる8mmカメラでした。添付の写真がそのカメラです。これはヤマハで楽器フェアーを実施したときの記録撮影している写真です。念の為言っておきますが8mmビデオではないですよ。8mmフィルムのシネですよ。

どうしてそんな気持ちになったのかと言うと、先輩の駐在員でヤマハ財団法人から駐在派遣されてきていた指導講師の先生に感化されていたんです。その先生のお宅に呼ばれては食事をご馳走になるとよく先生自作の8mmを見せてもらっていたんです。ちゃんとタイトルが付いていて逆回しなどの特殊撮影までされていたほど凝っていました。「へえ~!すごいな!」と思っていましたが、自分が実際始めるとは露も思っていませんでした。

それからと言うものは現在の“ビデオサロン”の前身、“小型映画”と言う月刊誌を日本から取り始めて勉強しました。それまでに一眼レフカメラに凝っていて旅行に行くときはネガフィルム用カメラとポジフィルム用カメラの2台を首からぶら下げて行っていた程です。その撮影技術も8mmシネを撮るのに役立ちました。
撮影したフィルムは現像にださなくてはなりませんでした。約1週間かかりました。もう現像が上がってくるのが待ち遠しくて、上がってくると徹夜で編集しました。フィルムを切り、テープで繋ぎながら編集していきます。そして最後は音楽を入れます。当時はCDはなくLPです。1曲1曲針を落としながら映像に合う音楽を選んで行きます。完成するともう夜が白々と明けてきました。でも若かったんですね。翌日平気で会社に出勤していました。

今までに何本編集したかは分かりませんが、8mmシネからビデオに代わり、ビデオも肩乗せタイプからハンディータイプに代わり、何台カメラを買い換えたことか。編集方法も従来のアナログ編集からデジタル編集に代わりパソコンもソフトもいくつ代わったことか。日本経済に大変な協力をしてきました。なんだか愚痴になってしましましたね。でもこれらの過去の映像記録は貴重ですね。写真もいいのですが、何と言っても動きますし音声も出ますからね。と、まあギター以外の趣味の一つをメキシコ時代の指導講師の先生とベルサイユ宮殿のお陰で持つことが出来ました。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




昨日は大阪のギタリスト、古川忠義さんにミューズサロンで演奏していただきました。一言で言うと「メチャクチャ良かった~!」です。彼は紛れもないプロのエンタテイナーですね。通常クラシックの演奏家は演奏で勝負しようとする姿勢が強いですが、彼は演奏は勿論ですが、お客様に楽しんでいただこうという姿勢が強い人です。演奏曲目もその場の雰囲気で変ったりします。そしてお話もさすが大阪人。お笑い系の芸人さんかと思わせるほどにお話で聴衆の笑いを取り、演奏でクールに決める。そのギャップがかっこいいんです。

第一部は純粋にクラシックでバチっと決めていただきました。
聖母の御子、盗賊の歌、朝の歌・ワルツ・マリア(タレガ)、魔笛の主題による変奏曲、ワルツ第3番(バリオス)、マラツのセレナータなど。この曲目は普通のクラシックギターコンサートのプログラムですよね。

第二部がベンチャーズの世界。キャラバンから始まってダイヤモンドヘッド、10番街の殺人、ブルースター、ビートルズメドレー、そして突然、今日新幹線の中で構想を練ったと言うタレガのラグリマのジャズバージョンをメモを見ながらこれまた見事にジャズってしまうんです。只者ではない事は知っていましたが、これ程とは。最後にはまたプログラムにはなかったショパンの幻想即興曲は圧巻でした。このショパンの曲はオーケストラのカラオケ音源をバックに弾きまくるのです。本当にギターでこの曲が弾けるのかと思っていましたが、見事に弾ききりました。
そしてアンコールにワルツピカピカをやはりオケのカラオケバックに演奏。シンプルできれいなメロディーがアドリブでかっこいい曲に大変身。痺れました。こんなピカピカは初めてでした。

この時に大活躍したのが写真にも写っている富士通テンのスピーカー・エクリプスです。古川さんはご自分考案のピックアップシステムを組み込んだギターをこのスピーカーに繋いで、出てくる音を大絶賛。いろんな仕事でアンプを使うことの多い古川さんが「こんなスピーカーは見たことがない」と言う。聴衆もスピーカーから音が出ているとは説明するまで気がつきませんでした。それ程に生音が自然に大きく聞こえてくるんです。

そして打上げです。
タレガのジャズバージョンを次のプロジェクトにしようかと思っているとのお話を受けて、「アラビア風奇想曲はどうですかね?」の質問に対してその場でアラビア・ジャズ奏曲を演奏。本当にすごい人です。
そして興奮冷めやらぬファンと2次会へ。千種亭と言うおいしいきしめん屋さんに行き、またお酒を飲みながら音楽談義に花が咲き、また今度もミューズでやっていただきたいとお願いをしてお別れしました。「こんな素晴らしいギタリストをもっともっと多くの人に聴いてもらいたい。」そんな気持ちで帰宅したのが12時過ぎていました。そんな訳でブログが今日になってしましました。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 前ページ