2007年11月のブログ記事一覧-ミューズの日記
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こんばんは。渡辺なつ実です。

いよいよ今日から始まりました。
世界のギター銘器展。

昨日は一日準備をしていました。
たくさんのギターが次々到着してどきどきでした。

私も今日はお客さんに混じってギターを見てきたのですが、ずらりとたくさんギターが並んでいてさらにどきどきでした。
海外のギターも多いだけに、口輪やヘッドの形が珍しいものも多く、見ていて飽きません。
少し触って音を出したりもしました。それぞれとても良く鳴り、そしてそれぞれが自分の音の個性を静かに訴えてきているようでした。

それらのギターの中でも私が一番気に入っているのは・・・。内緒です。

ともかく、年に一回の銘器展、ぜひ来てみてください。あなたにぴったりのギターが見つかるかも知れませんよ。

今日はお仕事という方も、明日、明後日、ぜひお越し下さい。

お待ちしております。

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今日は明後日からの銘器展の出展楽器がぞくぞく入ってきました。
なかなかの銘器が展示し切れないほど揃いますよ。今日入ってきた中ではワイスガーバーが以外と面白かったですよ。ロマニロスの640mmもとっても弾き易いし、松のフレタも音が締まっていて良い感じ。シンプリシオも味わいがあっていいし、初めて見たレネ・バールスラグもグラナダ在住のドイツ人らしい締まった音ながら良く鳴る楽器だし、どれも魅力一杯です。まだ明日もどんどん入ってきますよ。是非あなたも足を運んで確かめて下さい。
また、土日は名工・茶位幸秀さん(土)、加納木魂さん(日)による楽器無料診断(13:00-17:00)と山田陽介さんによる銘器弾き比べ鑑賞会(土日とも15:00、入場無料)もあります。銘器の音色の違いをお楽しみ下さい。

*ホセ・ロマニロス 2006
*ホセ・ロマニロス 640mm 1976
*F.シンプリシオ 1926
*ワイスガーバー 1941
*イグナシオ・フレタII 1981
*ヘルマン・ハウザーIII世 2006
*ヘルマン・ハウザー III世 2001
*パウリーノ・ベルナベ 2004
*トーマス・ハンフリー
*デイク・トラファーゲン 2007
*ローランド・シャルバトケ 2006
*テオドロ・ペレス マエストロ
*テオドロ・ペレス コンチェルト
*テオドロ・ペレス コンチェルト 640mm
*ポール・ジェイコブソン 640mm  
*レネ・バールスラグ
*マリアーノ・テサーノス マエストロ 
*ポール・フィッシャー プレミア 640mm 
*ホセ・ラミレス 125 Aniversario
*ホセ・ラミレス センテナリオ
*ホセ・ラミレス エリート
*ホセ・ラミレス C-650P-1967(セゴビアモデル)
*テオドーロ・ペレス(トーレスレプリカ)
*フリッツ・オベール
*セルジオ・アブリュ
*カズオ・サトー
*ホセ・ゴンサレス
*ホセ・マリン
*ケネス・ヒル トーレスモデル 630mm
*ミゲル・コルドバ 620mm
*三浦 隆志 ハカランダモデル   
*加納 木魂 100号 630mm 60号 630mm
*K.イチヤナギ マヌエル・ラミレス モデル
*江崎 秀行   *河野 賢  *桜井正毅
*河村 和行   *茶位幸秀
*松井 邦義   *黒澤 哲郎
*川田 一高


    


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支店もないアルゼンチンに会社は何故私を派遣しようとしたのか。当時は中南米で最大市場のブラジルのヤマハ現地法人も国の経済破綻のためクローズしていたくらいですからね。しかし、MERCOSUR(南米経済共同体)と言う構想が持ち上がって、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイの4カ国が一つの経済圏として誕生しようとしていたんです。そこで南米の中では最も教育レベルも文化レベルも高いアルゼンチンに南米経済共同体の核となる拠点を作れないかと言うプロジェクトができたと言う訳です。

当時アルゼンチンには18年間ヤマハの輸入代理店をやっていた現地の最大の楽器会社がありました。そこで先ずはブエノス・アイレスに駐在員事務所を作り、現地の市場性と代理店の指導と資質を確認することが私に与えられたミッションでした。自分の住居と事務所探しから始めて、代理店に毎日出かけるという新しい生活が始まりました。毎日足を運んでいると内情がよく分かってきます。会社の実情、社長の資質、後継者の資質、商売の仕方全てが見えて来ます。また、全ての楽器輸入業者にも何度も足を運びました。どこの会社がどこのブランドをやっていて年商はどの位かが見えて来ます。そうすると国全体の市場規模も見えて来ます。

また、地方都市の楽器店も70~80店程回りました。ある程度の規模以上の楽器店の殆ど全てを回りました。そして各店舗がどの楽器をどの位売っているか、ヤマハが販社を建てたらどの楽器がどの位売れるかをシュミレーションしました。そして、結論として代理店と契約解消してヤマハ直の販社設立がベターと言う報告を纏めて役員会に図り、駐在員事務所設立から2年で販社設立の承認が下りました。しかし、代理店との契約解消では揉めました。訴訟になるぎりぎりのところで何とかサインできましたが、一時は本社から「刺されないように気をつけろ」と脅かされるまで険悪な状況になりました。そして1995年末に会社登録も完了し、初代のヤマハ・アルゼンチン・ミュージックの社長に就任、96年1月から営業開始と言う運びになりました。

この販社では楽器全てとオーディオも扱っていましたが、私がギターが専門分野と言う事でブラジルのギターメーカー"Gianini”で南米市場向けにOEM生産できないか検討する事になり、工場も訪問しサンプルも本社に送ったりもしました。何せ南米は地球の裏側ですから運ぶのに時間とコストが掛かりますからね。しかも、南米製は安いので価格競争で厳しいと言う二重苦がありましたからね。結局品質の面で実現しませんでしたが。

そして販社を設立してから3年半があっと言う間に過ぎて、1999年に帰国する事になりました。しかし、このアルゼンチンでの経験はサラリーマン冥利に尽きるもので、なかなか出来ないいい経験をさせてもらいました。ヤマハに感謝しています。
帰国してからは弦打楽器事業部に戻り、またギターの仕事に戻ることが出来ました。この続きはまた後日・・・。

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一昨日は國松竜次さん、昨日は金庸太さんと二日続けてとても素晴らしいコンサート聴きました。國松さんは今年の2月にスペインから帰国したばかりで、まだスペインの香りが残るギタリスト、金さんは2000年にヨーロッパから帰国して着実に地位を築いているギタリストです。

お二人とも素晴らしいギタリストですが、タイプが違います。皆それぞれ違うのは当たり前のことですが・・・。
國松さんはピアノ(弱音)でギターらしい美しい響きで人を引きつけられる人、1音1音に魂を込めて歌い上げる人です。テンポはゆっくりと歌います。またこの人の演奏スタイル(構え方)が独特でした。右足を足台に乗せて演奏するんです。クラシックギタリストには珍しいですよね。

金さんは軽やかに、しなやかに、そして鮮やかな演奏で人を魅了する人ですね。脱力された左指が指板の上でしなやかに踊るようでした。
タイプは違えど、お二人とも聴く人に「うまい!」と言わしめる演奏家です。金さんのコンサートに来たお客さんのお一人が「うまいと聞いていたので楽しみに来たけど、評判に違わず上手いですね!来て良かったです。」と満足げに話されていました。

プログラムもかなり違う内容でした。
<國松竜次プログラム>
1.M.ポンセ/わが心、君ゆえに
2.M.リョベート/スケルツォ・ワルツ
3.A.ピアソラ/オブリヴィオン、天使の死、ブエノスアイレスの冬
4.國松竜次/レインニング・イン・グレイ、京都の風景、ファラウェイ
5.J.マラッツ/スペインセレナーデ
6.F.タレガ/グランドワルツ、アルハンブラの思い出、ダンサ・モーラ
7.M.ファリャ/魔法の輪、きつね火の踊り
8.M.リョベート/4つのカタロニア民謡、レスプエスタ

<金庸太プログラム>
1.プーナとカルージョ(練習曲第1番)/G.カントール
2.フーガ第1番/L.ブローウェル
3.練習曲第1番/C.R.リベラ
4.暁の鐘/E.S.デ・ラ・マーサ
5.セビーリャ/I.アルベニス
6.5つのバガテル/W.ウォルトン
   Ⅰ.アレグロ
   Ⅱ.レント~ワルツのテンポで
   Ⅲ.キューバ風に
   Ⅳ.表情豊かに
   Ⅴ.突進して
7.2つのリディア調の歌/N.ダンジェロ
8.R.ディアンス編フレンチシャンソン集より
   ・パリとゲッティンゲン/バルバラ 
   ・愛の讃歌/マルグリット・モノ
   ・ぼくの部屋に雨が降る/シャルル・トレネ
   ・群集/エンリケ・ディエゾ、アンヘル・カブラル
9.「内なる想い」/V.アセンシオ
    Ⅰ.落ち着き
    Ⅱ.輝き
    Ⅲ.安らぎ
    Ⅳ.喜び
    Ⅴ.苛立ち 








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1983年には5年駐在したメキシコから帰国してヤマハ本社で海外営業のギター担当になりました。どんな仕事内容かといいますと・・・
1.ギター(クラシック、フォーク、エレキ全てのギター)の海外市場調査
2.他社動向の調査
3.商品戦略立案
4.マーケティング戦略立案
5.生産計画作成
6.海外市場でのプロモーション計画立案・実施
7.海外向けカタログ、販促物製作
以上の事を海外の現地法人、設計開発部門、生産部門と協力しながら行うと言うものでした。特にアメリカと欧州の市場調査を本社の設計者と各国現地法人のスタッフと一緒に行います。それを基に本社で商品戦略を作成して、試作品を作り、それをアメリカと欧州に持って行き、商品会議を行います。アメリカと欧州とでは市場性がかなり違ったため、別々に会議を行っていました。

しかし、同じギターとは言えクラシック、フォーク、エレキは全く違う市場であり、異なるユーザー、また競合他社もそれぞれ違います。それまで興味のなかったフォーク、エレキの世界も勉強しました。エレキやベース、フォークギターも多くのプロに評価をしてもらいました。中にはアーティスト・モデルやシグネチャー・モデルも作りました。あまり好きではないロックコンサートにも評価をしてもらうためにギターを持って行きました。耳栓を持って。

いろんなギター工場も視察に行きました。マーチン、フェンダー、ギブソンなどの有名ブランドのアメリカ工場、そして彼らも安いコストを求めて韓国、中国、インドネシアなどで生産を行っていますのでそれらの工場にも行きました。いわゆるOEM生産というものですね。
OEM生産といえばヤマハもクラシックとフォークに関してはマーチン、フェンダー、タカミネのブランドで生産して供給もしていたこともあったので彼らとよくミーティングも行いました。このOEM生産の窓口と言う仕事は相手方と設計・開発部門、工場との調整役にもなるため、設計・開発や生産に関していい勉強になりました。
その他新興ブランドの工場も沢山回りました。中にはベトナムのギター生産状況も見に行きました。スペインの工場も見に行きました。欧州市場向けのクラシックギターの生産をスペインで行う可能性を調査に行ったんです。結局は実現しませんでしたが・・・。

その他、欧米のギター専門店も回りました。アメリカに100店舗以上の大型店舗を展開するギターセンターからパリのギタレリアと言うクラシックギター専門店まで多種多様です。従って99ドルギターから高級手工ギターまで全て見て回りました。ダダリオなど弦メーカーにも行きました。と10年があっと言う間に過ぎ、出張で回った国が50数カ国になっていました。

そして1993年にいきなり、アルゼンチン転勤の話が降って湧いてきました。当時の上司である事業部長と営業部長から打診があった時には驚きました。何せ、アルゼンチンには駐在員事務所もなければ現地法人もなかった訳ですから。続く・・・。


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