2006年1月のブログ記事一覧-ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> PA(SR)システムご使用報告編
第16回徳島ギターフェスティバル

1月29日、野を越え、山を越え、そして海を渡り、はーるばるー来たぜ徳島へー、というわけで四国の徳島へ行ってきました。
何のためにかといいますと、タイトルにあるように、徳島ギターフェスティバルへ参加させていただくために行ってきたのですが、今回ミューズ音楽館で販売していただいている富士通テンのスピーカーを使ったPA(SR)システムを、フェスティバルで使用してみたいとお声を掛けていただきましたので、沢山の機材を車に積んで、朝早く大阪を出発したのでした。約2時間、ほとんどの行程が高速道路ですから、名古屋に行くよりも楽な感じがいたしました。(片道160キロくらいでしたか)

会場に着いてみるとびっくり。まず会場のロビーのようなところで、手作りギターの展示会をやっているではありませんか。手作りといっても、素人が趣味で作った楽器ではなく、れっきとしたプロの製作家の方々の楽器ばかり、20本ほどあったでしょうか。おそらく価格を聞けば1本 数十万はするであろうと思われる楽器ばかりが展示してありました。しかもよく見かけるような、ニスがこってり塗ってあって、ビカビカに光まくっているような楽器ではなくて、表面の塗装はあたかもスペインの名器のように、しっとり落ち着いた大変興味をそそられるセンスの良いものばかり。私を呼んでくれた方にお聞きすると、なんでも徳島は日本でも有数のギターの生産地とのこと。知らんかったなあ!

しかし今回私は楽器を見ている時間はありません。舞台に行って、PAの用意をしなくてはなりません。薄い後ろ髪を引かれつつ、階上のコンサートホールへ。招いてくれた方、田中さんというのですが、その方と一緒にマイクやスピーカーをセットし、まずリハーサルから出演の皆さんに順番に使ってもらいました。最初のうちは{なにこれ?}といった変な目で見ておられた方もおられましたが、進むにつれて何事が起きているのか段々理解されてきたようで、たちまちリハーサルが終了。あとはお昼を食べたら本番ということになりました。

本番はというと、ソロあり二重奏あり、四重奏あり、二胡とギターの合奏あり、はたまたフルートとギターの二重奏ありと、大変バラエティに富んだプログラムが続くのですが、驚いたことに、わかーい方からかなりの年配の方まで(おそらく60代か70代とお見受けいたしました)が一緒になって、なんとも楽しそうにギターを演奏されていることでした。
このような楽しいコンサートを16回も続けておられるとは、中心になって引っ張っておられる川竹先生のお人柄が伺えるようで(このことは、終了後の打ち上げの時にも大変良く分かりましたが)おもわず感心してしまいました。合奏も含めて30人から40人ほどの方が次々と出演、皆さん演奏を楽しんでおられ、見ているだけでとても嬉しい気分にさせられます。

PA(SR)システムは大活躍で、生音とまったく変わらないながらも会場の隅々までギターの音を響かせてくれ、皆さんその威力にとても喜んでいただいたのには、私も内心ほっといたしました。そしてプログラムも終わりに近付いたころ、川竹先生みずからフルートとの二重奏で、ピアソラのCafe 1930。これがまたなかなかの名演。ちょっと聞き惚れてしまいます。
そして第3部、もう一度川竹先生みずからのソロで、なんと大胆にもアルハンブラの思い出。先日村治さんのコンサートのアンコールもアルハンブラでしたが、今回の川竹先生は自分の出番まで舞台の裏で一生懸命皆さんのお世話をしながら、「ほい!」出番」てな感じで、舞台に登場。演奏はお見事のひとこと。普通教えておられる「先生」の域を遥かに超えた、超名演。

次の平岡先生のワルツ第4番(バリオス)など、まるでプロの演奏。完璧でしたね。そしてついに最後、高校2年生の徳永真一郎君。東京国際ギターコンクールにも出場したとあって、細い体で、出てきていきなり見事なセヴィーリア(アルベニス)。これもまた見事完璧に弾ききって、まるでプロのCDを聴いているような感激を味あわせてくれました。これには私ももう脱帽でした。

そして川竹先生共々、終了後の打ち上げで、徳永君が3月にオケとアランフェスをするので、その時には是非またこのスピーカーを使わせて欲しいと言っていただけて、今日来て良かったなあと、幸せな気分で徳島をあとにすることができました。
製作家の川田先生、お会いできて光栄でした。この次はもっとお話したいですね。
徳島ギター協会の皆さん、ありがとうございました。
川竹先生、すばらしいチームワークを見せていただきました。
徳永君、またいつか素晴しい演奏、聴かせてください。
そしてお世話くださった田中さん、本当にありがとうございました。
内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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今日は高岡誠さんによるワンコイン講座 『あがりは解消できる!?』が大勢の参加者を迎えて行われました。人前で演奏するときに緊張して上手に演奏出来ない、つまりあがってしまうと言う事は殆どの人に共通して言える悩みではないでしょうか?この講座を高岡先生と企画したときから、これは人気の高い講座になるぞ!と思っていましたが、案の定大勢の人に早くから予約をいただき、ほぼ満席で実施されました。

私は店が忙しくてお話を聞けませんでしたが、高岡先生の用意された資料を少しご紹介させていただきます。
先ずは高岡先生の教室の過去5年ほどの発表会のビデオを見直して気づいた『あがった人とあがらなかった人の相違点』を上げて紹介されています。
そして『演奏』は心に湧き起こる音楽を聴き手に伝達(コミュニケーション)することであり、そのために大切な二つの要素を紹介しています。
1.活き活きとした音楽のイメージを追及して聴き手に伝える事にのみ専念する事。→それによって余計な事柄(技術、できばえ、評判など、演奏の表面的なこと)に囚われなくなる。(“あがり”をなくすために最も重要)
2.イメージを伝達する際に妨げとなる身体的こわばりをなくし、バランスの取れた自然な体の動きで演奏する。
と述べています。

そして最後に、『良い演奏』とは・・・?として
作曲者のイメージを生きた音楽として再現し、伝える事が出来る演奏。としています。また、作曲者が知っておいて欲しい基本的指示として、
1.調性
2.リズム
3.テンポ
4.フレーズ
  どこからどこまでか?
  頂点はいくつ?
  ダナミクス(強弱)
5.曲想 →豊かなイマジネーションを持つ事は、作品に命を吹き込み、作曲者を蘇らせる。そのためには、様々な経験・知識が役立つと締めくくっています。

この資料を見て、高岡先生が何を言いたいか想像できますか?私にはある程度想像できますが、やはり話を聞きたかったですね。恐らく私の考えと共通しているところが多々あると思いますが、私なりにいつも考えている事は単純な事なのです。『演奏を楽しむ事』なんです。
そして講座が終わってから高岡先生が言いました。『皆さんと一緒にあがりをどう解消したらいいか一緒に考えさせていただきました。』 そうなんですね。高岡先生もあがるんですね。誰でもあがるんです。また良い緊張が良い演奏を導いてくれます。緊張を味わいながら楽しく演奏できたら最高だと思いますね。


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<あれも聴きたい、これも聴きたい> お勧めCD編
ジョン・ピザレリはいかが?

このルックス抜群の写真のお方(当世風な言い方をすれば超イケメン)、どなただか知っとる?
名前はジョン・ピザレリ。生まれは1960年4月6日、ニュージャージー州のパターソンちゅうところ。レコード屋さんでの分類ではジャズ・ヴォーカルに入っとるけども、ギターがめちゃくちゃうまい。超絶技巧もなんのその。自分の声に合わせての早引き、いや違った「早弾き」もお見事。おやじさんはバッキー・ピザレリというもともとジャズギターの大物。それもベニー・グッドマン・バンドの晩年のレギュラーメンバーで、スイングジャズの名手でした。

そんなおやじさんの影響を受けて6歳からギターを始めたジョン・ピザレリは、小さいころからスイング・ジャズに親しんだと思ってくんねえな。ジャズの英才教育ていうか、もともと才能があったんだねえ。ハイスクール時代からロックバンドなんかで公共のステージを踏むが、20歳ころからおやじさんと本格的に共演するようになったなあ。彼は98年にビートルズナンバーを歌ってスイングジャーナル社主催のジャズ・ディスク大賞の<ボーカル賞>を獲得し、今や全米でもトップクラスのジャズ・ヴォーカリストとなってしまっとるんだなあ。それにしてもギターがうまい!めちゃくちゃうまい!

私は数年前に車に乗っていてラジオでこのジョン・ピザレリを聴き、いっぺんに気に入っちまって、それからレコード屋さんでピザレリのCDをあさって、手に入るものはぜーんぶ買ってしまった。今のところ全部で17枚手に入れた。
初期のころのものの中にはちょっと青臭いところがあって「なんだかなあ?」というものもあるけども、それからのものはぐんぐん腕を上げて、最近ではもうピザレリのCDが出るのが楽しみで楽しみで、待ち遠しいであかんわあ。

彼の音楽は苦みばしったしぶーいジャズと違って、そう、フランク・シナトラやトニー・ベネットのような匂いがする。どちらかというと「いかにもアメリカ!」という良き時代のアメリカを今風に料理し直した感じで誰にでも楽しめる。ぜひ一度超モダンなアメリカをご堪能あーれ。そして彼の超絶技巧のジャズギターをお楽しみいただけたら、おいちゃん幸せ!
勿論このCDを聴かせて!というお方はミューズにお越し下さいね。
ちなみにこのジョン・ピザレリ、鈴木大介さんも大ファンなんだと。
内生蔵 幹


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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 残り5万個、脳細胞 編

このブログを書かせていただいて、どうも最近なんだかミスが目立つようだ。
コメントでご指摘を受ける直前、七戸さんのご自宅へ伺った時、CDのジャケットが違うと言われ「えー?」と思ったのですが、帰って確認してみるとその通り。
LP1枚とCDが3枚あり、私が所有しているものとしては、七戸さん生前のものではLP1枚とCD1枚。そのCDを七戸さんが亡くなってからのものとどこかで勘違いして覚えていた。

次も「プラテロと私」の稿で、山下和仁さんのギターで朗読しているのが、メゾ・ソプラノのテレサ・ベルガンサと書いてしまい、読者の方に「それは違います」とご指摘を受けたのですが、よくよく解説を見返してみると、テレサ・ベルガンサの姪御さんとある。するとだんだん思い出してきた。CDを購入して最初に解説を読んだ時、「へえー、やっぱり血筋なんだねえ。テレサ・ベルガンサの親戚だけあって、やっぱりこういう才能があるんだあ」と感心した覚えがある。それがいつのまにか自分の記憶では、テレサ・ベルガンサ本人にすり替わってしまっていたことになる。
こりゃあ大変だ。そんなことが他にもいっぱいあるんでねえべが、と心配になってきた。

そういえば先日、30年以上前、私の教えていたギター教室に長年通って来てくれていた生徒さんがわざわざ尋ねてきてくれた時、そのころ熱中していた酒井康雄君との二重奏でやったリサイタルが現代ギターに写真入りで大きく取り上げられたことがあったが、その時のことを尋ねてきてくれた生徒さんが覚えてくれていて「ああ、あのホールでやったリサイタルね」とホールの名前を具体的に言ってくれた時、私は一瞬「え?そんなホールでやった覚えないぞ」と思っちまった。しかしその後よーく考えてみて少しづつ記憶がよみがえってくると、確かに彼の覚えていたホールで二重奏でリサイタルをやっていたのだ。

なんというあいまいな記憶であろう。
遠い昔のこととはいえ、こともあろうに自分がやったリサイタルの会場を忘れてしまっているとは。しかし昔のことはまだ覚えている方だと思う。困ったのは直近のことがあとからあとから消えていくことだ。あとからあとから消えていくのか、最早メモリーが足らなくなっていて、メモリーに書き込みができなくなっているのか定かではないが。世のパソコンのハードディスクやメモリーはどんどん大きくなっていくというのに(ちなみに今私の使っているパソコンも大して高価なものではないが、去年の夏購入したもので、HDDが300G、メインメモリーが1Gある)、私の脳のメモリー容量はどんどん減っているようだ。

20歳を過ぎると脳細胞が毎日10万個づつ死んでいくと何かで読んだ記憶がある。「毎日10万個!?」とびっくり仰天、おろおろ、よれよれ、目がかすむ。
「毎日10万個も無くなってみろ。そんなもん、1週間で脳の中がからっぽになっちまうでねえか」という気がするが、「それじゃああんたの脳みそは70万個しか細胞がないの?」と言われても返答に困る。「何かで読んだ記憶がある」と言っているうちは、少なくとも脳細胞はまだ少しは残って頑張ってくれているようだ。それにしても何年か前のことを考えると、やはり記憶力が衰えていることは間違いない。

自分にとって都合の悪いことを忘れていくうちはまだいい。(これは会社の人や、かみさんに聞いてみるとはっきりする)、覚えておかなければならないこともどんどん忘れていく。
人と話している時、「これは忘れないように後で手帳に書いとこう」と思って、話が終わった後さあ手帳に書こうと思った瞬間、「なんだった?」ともう忘れておる。
底の抜けた樽みたいなもんで、いくら水を入れても溜まりゃしない。
そろそろ自分がなんでこのミューズのブログに原稿を書くことになったのか、おぼろげになってきたかもしれないような気がしないでもないような気がする。
ゆうべお風呂に入ったんだっけ?
そういえば今日お昼何食った?
そもそもお昼食べたんかなあ?えー?今日の晩御飯まだ食ってねえんじゃねえかあ?
今履いてるパンツ、いつ替えたんだっけ?
ひょっとしたら僕の脳細胞、あと5万個くらいしか残ってないかもしれないような気がしてきた。大切に使わなくっちゃ。   内生蔵 幹

因みに写真は内生蔵さん20歳の時のものでまだ脳細胞がぎっしり詰まっていた頃の写真です。   山下 高博


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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 卵のスピーカー特ダネ編

現代ギター社にあの卵のスピーカーが!

1月17日(火)東京都豊島区にある現代ギター社3階の、CDや楽譜の売り場にモニターとして、あの富士通テンのスピーカー、イクリプスTD508Ⅱが採用、設置されたので紹介いたします。今回は現代ギター誌編集長の江部さんの口利きで設置していただけることになりました。

その売り場は私などが行くと一日そこから動きたくなくなってしまうほどのお宝がいっぱい。これでもか!というほどギターのCDが揃っています。しかもギターだけではありません。ギターに関係する作曲家のそのほかのCDも数多く置いてあり、ギター大好きな私にとっては、そりゃあもうやっぱり東京に引っ越してまおうかなあと本気で思えてきたりするほどのうらやましい環境です。かみさんに言ったら「何考えとるの?」と取り合ってくれないことは目に見えているので、そんなことは口にしない方が身の為。

午後の2時くらいに現代ギター社に入って、江部さんに手伝ってもらいながらゆっくり卵のスピーカーを組み立てました。組み立てると言っても、ポール形のスタンドを取り付けるだけですから楽なもんです。こっちから持っていった超小型のパワーアンプをつないで、まずはじめに村治佳織さんのCD、デッカ移籍第1弾をかけてもらいました。そのあと大萩康司さんのチェロとの2重奏など、新しいCDを次々かけもらいました。(実はこの日、大萩さんは鈴木大介さんとのリサイタルを2日後に控え、上のGGサロンでリハーサル中でした。終わったらお二人にPAとして試してもらうことになっていたのですが、でもその時のお話はこの次にしましょう)

いつものように音像・音場が見事。やっぱりギター専門のCDショップには一番ばっちりなスピーカーですねえ、と納得。営業関係の方やそのほかのお方にも代わる代わる聴いてもらい、そして最後には社長の桜井さんにも登場いただいて、ギターの音がすごいリアル!と全員納得。(桜井社長さんは昔から大のオーディオマニアで、ご自宅ではものすごいスピーカーで聴いてあられると業界内ではもっぱらの評判)
満願全席みたいなオーケストラの音を大音響でということですと、8センチユニットひとつではちょっとかわいそうですけれども、それでも音場感はさすがです。まさにすぐそこで演奏されているような錯覚さえ感じます。
現代ギター社でオリジナルのCDを製作する時のモニタースピーカーとしても使わせて欲しいとのことでしたので、よろしく可愛いがってやってくださいとこちらからもお願いしました。

一泊して次の朝、もう一度現代ギターへ行って、写真を撮らせてもらいました。
皆さんもぜひあの卵のスピーカーでお気に入りのCDを聴いてやっってください。
内生蔵 幹


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