先週の土曜日(5/28)は「國松竜次プレイズピアソラ」でした。今回でミューズサロンでの演奏は4回目になり、少しずつファンも増えてきています。兎に角、彼の演奏には人を引き付けるものがあります。もともとギターは音が小さな楽器ですので、一般的には大きな音で演奏することに神経が行きがちですが、彼は逆なんですね。ギターの持っている小さな音を武器にしていると言うか、小さな音で美しく歌い上げて人を引き付ける、そんなタイプの演奏なんです。小さな音で、しかも美しい音で、音を繋いで歌い上げるためには相当指のコントロールが出来ていないと出来ません。彼はそのコントロールを身に付けているんですね。こんなにピアニッシモで上手に歌えるギタリストは居ないでしょう。ピアニッシモが上手だからフォルテが引き立ちます。ダイナミックレンジが広がるんですね。
しかも今回はオールピアソラのプログラムでしたが、これがまた彼には合っているんでしょうね。今まででの4回の中で一番素晴らしいコンサートでした。彼自身も毎回その成長ぶりを見せてくれていて、今回のコンサートは最高でした。また、彼はコンサートのあり方や方法についていろいろと考えています。新しい試みを常に模索されています。今回のコンサートも「プログラムをすべてピアソラにする」ことや、プログラムを作らないで、お話をしながら曲目を紹介していく事で、その場の聴衆との一体感や、次は何を演奏するのだろうと言う聴衆の期待、全容を見せないことによる即興的楽しみなどを醸し出そうとしました。これは大きなホールではやり難いかも知れませんが、ミューズの様なサロンコンサートでは面白い趣向だと思いました。
また来年も来て頂くことになると思いますので、一度國松さんの演奏を聴いてみてください。きっと「良かった!」と思っていただけると思います。
山下高博
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山下様の記事を読みギターにお詳しい方の見方に(私は楽器はいっさい出来なくて鑑賞だけです)なるほどそこが自分を惹きつける理由なのかもしれない…などと興味深く感じている次第です。
またミューズにいらして頂けるとの事…國松氏のご成長と共に楽しみにさせて頂きます。
素晴らしいコンサートをありがとうございました。
来年も國松さんには来て頂きますので是非お越しください。また、その時にはお声を掛けてください。