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「Fiddler on the Roof」って、どんなミュージカル?

2013-08-22 00:02:28 | Musical あらすじ
今年(2013)の9月27日から、ミネソタ州チャンハッセンにあるChanhassen Dinner Theatresのメインステージで上演される「Fiddler on the Roof」。Michael君(マイケル・グルーバー)も出演するのですが、どんなミュージカルなのでしょう?(写真は、劇場のサイトで使っているロゴです。)

「Fiddler on the Roof (屋根の上のヴァイオリン弾き)」は、ショーレム・アレイヘムの短篇『牛乳屋テヴィエ(原題:Tevye and his Daughters (もしくは Tevye the Milkman and Other Tales)』を原作として、1964年にアメリカで作られたミュージカル(作曲:Jerry Bock、作詞:Sheldon Harnick、脚本:Joseph Stein)で、1905年の帝政ロシアを舞台に、そこで暮らすユダヤ教徒達の生活を描いています。

Broadwayでは、最初のオリジナル版を含めて5回上演されており、オリジナル版は、1964年9月22日から1972年7月2日まで、全公演回数が3,242回(プレビュー:7回)、インペリアル劇場で開幕し、マジェスティック劇場に移り、ブロードウェイ劇場で閉幕しました。
この3,242回という上演回数は、当時のBroadwayのロングラン記録となり、この記録は、10年後に「Grease」に塗り替えられました。(2013年8月現在、「Fiddler on the Roof」の記録は、歴代15位になっています。トップは、現在も上演中の「The Phantom of the Opera」の10,615回です。)
1965年のTony賞では、作品賞を含む10部門でノミネートされ、そのうちの9部門で受賞を果たしました。また閉幕した1972年のTony賞では、ロングラン記録を打ち立てた作品として、特別賞を受賞しました。詳細は、IBDBのサイトからご覧いただけます。
またウェストエンドでは、1967年2月16日から2,030回に渡って、ハー・マジェスティズ劇場で初上演されました。この時、テヴィエを演じたトポル氏は、1971年に映画化された際にも、テヴィエを演じました。この映画版は、ノーマン・ジュイソン監督、ジョン・ウィリアムズ編曲で制作され、アカデミー賞で3部門を受賞しました。

日本でも、1967年9月6日に東京の帝国劇場で初演が行われ、今は亡き森繁久彌さんがテヴィエを演じました。1986年までは、900回に渡って森繁さんが演じ続けたテヴィエですが、その後は、上條恒彦さん、西田敏行さん、市村正親さん等が演じています。


あらすじは、以下の通りです。(見たことのない方のために、結末は明かさないでおきますね。)

主人公は、アナテフカ(Anatevka)の町で、牛乳屋を営むテヴィエ。5人の娘を持つ彼は、ユダヤ教徒としての戒律と伝統を重んじ、慎ましく暮らしていましたが、彼らの生活は、まるで屋根の上のヴァイオリン弾きのように不安定でした。
ある日、安息日の食事の支度をしていると、長女のツァイテルに、金持ちで肉屋を営む男やもめのラザールとの結婚話が持ち込まれました。しかし、ツァイテルは、幼なじみで仕立屋をしているモーテルとの結婚を夢見ていました。

「ポグロム」と呼ばれるユダヤ人迫害と追放が激しさを増す中、馬が足を痛めてしまったために、テヴィエは、自分で荷車を引きながら牛乳を配達していました。友人と立ち話しているテヴィエに、「何もしないで立ち話とは、何たることだ!」と説教をしてきたパーチックという男を、テヴィエは夕食に招待します。部屋まで貸すことにしたテヴィエ、パーチックに、下の娘2人の家庭教師を頼むのでした。
妻のゴールデは、夫のテヴィエと肉屋のラザールの仲が悪いことを知っていたので、ラザールがツァイテルにプロポーズしていることは言わずに、食事のあと、彼に会うように夫に頼みます。ツァイテルは、モーテルがプロポーズしてくれる前にマッチメーカーが自分の相手を見つけてしまうのではないかと気が気ではないのですが、マッチメーカーが結婚の世話をするのは伝統だし、テヴィエの癇癪を恐れているモーテルは、貧しい自分がツァイテルをもらうためには、お金を貯めてミシンを買って、生活のめどが立ってから・・・とプロポーズをしてくれません。

食事の後、別の用件だろうと思ってラザールに会いに行ったテヴィエ、ラザールの本心を聞き、金持ちの肉屋に嫁げるならそれ以上のことはないと、娘と彼の結婚に賛成します。
帰り道、町のユダヤ教徒達を管轄している巡査部長と出会ったテヴィエは、彼から、「数週間のうちに、『ちょっとした非公式なデモンストレーション』があるから」と警告されます。ユダヤ教徒達に好意的な彼も、ユダヤ教徒への暴力を防げる程の権力はないのでした。

一方、テヴィエの次女のホーデルと妹達の勉強を見ているパーチックとの間にも、恋が芽生え始めていました。
そんなこととは知らないテヴィエは、ツァイテルとラザールの結婚を認めたと発表しました。妻は大喜びでしたが、ショックを受けたツァイテルは、無理強いしないで欲しいと父に訴えます。そこにモーテルがやってきて、ツァイテルと自分が結婚の約束をしており、決して彼女を飢えさせたりしないとテヴィエに誓いました。伝統を無視した彼らに怒りを感じながらも、気の弱いモーテルの訴えに感動したテヴィエは、2人の結婚を許してやるのでした。
大喜びのゴールデにどううち明けるか思案したテヴィエ、一計を案じ、夜中に、悪夢を見たと妻に言い、夢の中で、彼女の祖母がラザールとではなくモーテルとの結婚なら祝福すると言い、またラザールの死んだ前妻が、ツァイテルが彼女の夫と結婚したら祟りがあると言ったと話します。恐れおののいたゴールデは、モーテルとの結婚に賛成しました。

三女のチャバは、街からの帰り道、ロシア人の若者達に絡まれてしまいますが、フョートカというロシア人青年が助けてくれ、2人の間にも恋が芽生えるのでした。

ツァイテルとモーテルの結婚式の日、パーチックは、ホーデルと踊ろうとして、男性と女性に別れている伝統を破ってしまいます。
パーティの最中、ロシア人達が町へとやってきました。巡査部長が警告していたデモンストレーションでした。パーティは中断され、贈り物も壊され、抵抗したパーチックは怪我を負います。めちゃくちゃにされた町を横目に、テヴィエは、家族と共に片づけを始めるのでした。

ますますユダヤ人排斥の運動が激しくなる中、パーチックは、キエフに戻って革命運動に参加しようと考えており、ホーデルは、愛する彼と行動を共にしようとしていました。またチャバは、民族の壁を越えて、フョートカとの愛を育んでいました。
ユダヤ教の戒律と伝統を守って静かに暮らしたいテヴィエに、時代の波が押し寄せてきます。彼と、彼の愛する家族に、この先、どのような試練が待っているのでしょうか・・・


上演時間が3時間にも及ぶ大作で、先日キャストが発表されたCDTのプロダクションも、きっと素晴らしい作品に仕上がることでしょう。 劇場のサイトは、こちらからご覧いただけます。また、このブログのキャスト発表の記事は、こちらからご覧下さい。


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