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映画版「Easter Parade」のトリビア!

2006-11-04 10:06:54 | Musicals トリビア
今回は、映画版「Easter Parade イースター・パレード」のこぼれ話をご紹介致しましょう~。 (写真は、「A Couple of Swells」を演じているアステアとガーランドです。)

映画「イースター・パレード」は、1948年に、チャールズ・ウォルターズ監督、アーサー・フリード制作、アーヴィング・バーリン作詞・作曲で、MGMによって制作されました。本来は、20世紀フォックス社が制作しようとしていたのですが、バーリンが要求した映画収益の1%を拒否したため、話は流れてしまい、結局MGM社が、ジュディ・ガーランドとジーン・ケリー主演で制作することになりました。

この映画は、数多くの傑作ミュージカルを手がけてきたプロデューサーのアーサー・フリード制作による、戦後初の本格的なテクニカラー・ミュージカルでした。

スタッフ・出演者の交代が相次いだこの作品が撮影開始にこぎつけたのは、1947年の11月のことでした。タイトルにちなんで、イースターに公開を予定していたために、撮影期間は、わずか10週間しかなかったのだそうです。

アーヴィング・バーリンは、脚本家のフランセス・グッドリッチとアルバート・ハケットと共に台本と歌を執筆しました。新たに書き下ろされた新曲7曲を含めた17曲が、この映画に採用されました。

フリードは、「The Pirate 踊る海賊(1948)」に引き続いて、主役にジーン・ケリーとジュディ・ガーランド、監督にはガーランドの夫であるヴィンセント・ミネリを起用しました。しかし、「踊る海賊」の撮影中にガーランドとミネリの夫婦仲は悪化、ガーランドは、情緒障害と薬物依存症の治療を受けて退院したばかりの状態。折り合いのよくない夫が監督をつとめては、彼女の健康状態によくないだろうという判断から、リハーサル開始からわずか数日で、ミネリは監督を降板することになってしまいました。

ミネリ降板後、監督に抜擢されたウォルターズは、振り付けやダンス・ディレクターをしていた経験の持ち主でした。いかにもMGMの作品らしい、明るいミュージカル・コメディを作りたいのに、脚本はシリアスな色合いが強い暗いものだったので、後にベストセラー作家として知られるようになるシドニー・シェルダンに書き直しを依頼しました。

シェルダンは、脚本はもともとジーン・ケリーを想定して書かれているし、アステアでは、ガーランドとの年の差が大きすぎるとして、アステアの起用に反対したそうです。フリードは、シェルダンの意見を聞き入れませんでしたが、後になって、シェルダン自身も、フリードの決定が正しかったことを認めたそうです。

シェルダンが書き直した後の脚本でも、ラストシーンは、煮え切らない、すっきりしないラストだったので、ハンナ役のガーランドが、「せっかくの素晴しいナンバーがいっぱいの作品が、台無しになってしまっている」と、MGMの重役陣に直訴しましたが、「ただの一女優が、何を言うか」と、重役達は相手にしてくれませんでした。
しかし、同席していたアーヴィング・バーリンが、「彼女の言う通りだ。ラストを変えよう。じゃなかったら、自分は、この仕事から手を引く。」と、ガーランドの味方をしてくれ、ラストシーンは、現在の形に変更されました。

当初、ネイディーン役に予定されていたシド・チャリースは、「On an Island with You (1948)」の撮影中に足を痛めて出演出来なくなり、RKO社所属のアン・ミラーがこの役を射止めました。

1937年に「踊る騎士」でのアステアとの共演を逃すという苦い経験をしていたミラーは、彼女の背が高すぎて、アステアのパートナーにはどうか・・・と言われた際、この機会を逃すまいと、「アステアと踊るシーンは、全て、ヒールのないトゥ・シューズを履く」と約束して、この役を得ました。

当時、ミラーは、酔っては暴力を振るう夫に階段から突き落とされて、背骨を折った上に流産をするという悲惨な経験をして、その夫と離婚したあとでした。背骨を折った後遺症で、かなりの痛みに苦しんでいたのですが、出演したい一心で、全身をテーピングしながらの出演を敢行し、とても背中を痛めているとは思えないダイナミックなダンスを披露しています。

以前にも、ジーン・ケリーを紹介する記事でお伝えしましたが、この映画の撮影中、撮影の合間にケリーが足首を骨折してしまい、ケリーとMGMの副社長からの依頼を受け、急遽、引退中だったフレッド・アステアが代役をつとめることになりました。これがきっかけとなって、アステアは、本格的に映画界にカムバックすることになりました。

冒頭、アステアがイースターの買い物の最中、おもちゃ屋に立ち寄るシーンで、「Drum Crazy」という、店内にい合わせた少年と共演するソロナンバーを演じますが、これは、本来は、子供好きなジーン・ケリーのために書かれたナンバーでした。

「Drum Crazy」でアステアと共演している少年は、ジミー・ベイツといい、後に、振り付けや演出をする仕事に就きました。撮影の合間に、アステアは、ジミー少年に、いろいろなステップを踊って見せてくれたそうです。
そして、撮影終了後、アステアは、ジミー少年に、「Jimmy、Thank you so much.」というカードを添えて、共演の記念に自転車 をプレゼントしてくれました。

アステアとのキスシーンの撮影の時、ガーランドが気乗りしない様子だったので、シェルダンが理由を聞くと、彼女は、「初対面なのに、いきなりキスシーンをしなければならないからだ」と答えました。アステアとガーランドにとって、この作品が初共演になるということは関係者も知っていたのですが、芸歴の長い2人が初対面だとは誰も思わず、正式に2人を紹介していなかったのです。そこで、シェルダンが、2人を正式に引き合わせ、無事、キスシーンの撮影を行うことが出来ました。

当初、アステア演じるドンは、自分を捨てて去っていくネイディーンをひどく罵ることになっていました。しかし、心優しいアステアは、例え芝居の上のことでも、女性を罵倒することに耐えられず、脚本担当のシェルダンに「ドンは、ネイディーンにひどい仕打ちをしてるから、脚本を書き直してほしい。」と頼んだのです。シェルダンは、「ネイディーンは、端役だった自分の才能を見出して、スターに育ててくれたドンを裏切るんだから、ドンが激怒するのは当たり前だよ。それに、罵るのはセリフだからで、君が本当にネイディーン役のアンを罵っているわけじゃないんだから。」と説得したのですが、それでも渋るアステアのために、脚本を書き直しました。

作品中のナンバーで、ガーランド演じるハンナの衣装の羽根が舞い散る・・・というシーンがありますが、これは、アステアとジンジャー・ロジャースが主演した映画「Top Hat トップ・ハット (1935)」の撮影中に実際に起きたエピソードを、in-joke(仲間にしか分からないジョーク)として作中に取り入れたものです。
(「トップ・ハット」の中の「Cheek to Cheek」というナンバーの撮影の際、ロジャースは、ダチョウの羽根で飾られた手の込んだデザインの重そうな青いドレスを用意してきたのだそうです。監督とアステアは、一目見てそのドレスは、「Cheek to Cheek」のステップには向かないと気づき、別のドレスにするように言ったのですが、ロジャースは、どうしてもそのドレスを着ると譲らず、彼女の希望通りの衣装で撮影することになりました。ドレスの件でもめたせいで新しい衣装を着けてリハーサルする時間がなくなり、ぶっつけ本番で撮影を開始したのですが、案の定、ドレスの羽根が抜け始めたのです。自伝の中で、アステアは、この時のことを、「まるで、コヨーテに襲われた鶏のような状態だった」と述べています。この件で気まずくなったロジャースと仲直りするために、数日後、アステアは、金でできた羽根の形のペンダントをプレゼントしました。このエピソードがきっかけで、ロジャースには、「Feathers」というニックネームがつきました。)

ガーランドのソロ・ナンバーとして用意された「Mr. Monotony」の中で、彼女は、男物の帽子をかぶり、ハーフ・タキシードのジャケットをまるでミニのドレスのように着こなすという何とも個性的でセクシーな衣装を披露したのですが、このシーンは、彼女が演じるハンナのキャラクターに合わないという理由で、映画からカットされてしまいました。カットされてしまったこのナンバーは、後にMGMミュージカルの集大成として作られた映画「That’s Entertainment」シリーズのパート3に収録されています。また、「イースター・パレード」のDVDにも、特典映像として収録されています。

「Fella with an Umbrella」という雨のシーンのナンバーで、ガーランドがかぶっていた帽子の羽根の色が落ちて、彼女の顔やジャケットに流れ落ちてきてしまったので、スタッフが、羽根にワセリンを塗りました。そのため、ローフォードが借りてきた傘にガーランドが入り、カットが変わると、さっきまでふわっとしていた羽根が、べっとりとした感じに変わっています。

映画の後半、ドンとハンナが披露するコミカルなナンバー、「A Couple of Swells」で、2人は、浮浪者のようなボロボロの衣装を着ていますが、そのメイクや衣装は、ガーランドのアイディアでした。
洗練された物腰や優雅なダンスに長年馴染んできたアステアは、なかなかそのイメージから抜け出せず、このシーンには苦労したようなのですが、一方のガーランドは、このナンバーを演じるのをとても楽しんでいたそうです。
ある日、男物のつぎはぎだらけの奇妙な衣装を見つけたガーランドは、それを身につけ、歯が抜けているように見せるため、自分の歯の1本を黒く塗るというメイクをして、アステアの楽屋に行き、「これって、やり過ぎかしら?」とたずねました。その奇抜な衣装とメイクに呆気にとられたアステアでしたが、結局は、ガーランド発案の浮浪者の格好をすることに同意し、彼にしては大変珍しい、おどけたパフォーマンスを演じました。

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