火曜日は、今年最初の通院日。
お正月とか連休とかで、6週間ぶりの病院でしたが
今月はお薬をもらうだけなので
先生の「食欲はどうですか?」「痛みはどうですか?」
「お通じはどうですか?」といった恒例の質問以外には
特に盛り上がるような話題もなく、お薬セットをもらって1時間弱で終了。
ダンナの公休日で、車で直行直帰だったので、寄り道はできませんでした。
先日新刊書で、例の「がん消滅の罠」を買って
今月分の図書購入費の予算をほぼ使い切ったので
また来月まで、青空文庫の本を読むことにしています。
漱石とか鷗外、龍之介なんかは定番ですが
江戸川乱歩などもそろっていて、意外な掘り出し物があります。
そして「がん消滅の罠」
医療系の小説は、海堂尊さんの「バチスタ」シリーズなんかが人気ですが
がん治療を真正面から取り上げた小説というのは、かなり珍しいんじゃないでしょうか。
余命半年と診断され、保険会社から「リビングニーズ特約」で
高額の保険金を受け取った数名の患者のがんが消滅した。
診断書を書いたがんセンターの腫瘍内科医夏目は
保険会社に勤める友人の森川から、このがん寛解の真相の究明を頼まれる。
一連のがん消滅のカギを握ると思われる
湾岸医療センターという、セレブ御用達の医療施設。
そこの理事長は、夏目の大学時代の恩師だった。
医学的な専門用語が飛び交う会話が多いので
内容は結構難しいけれど、これを読めば
がんという病気のメカニズムが大体分かります。
「がんができることを防ぐための人体の精密なシステムと
それを突破するがん細胞の巧妙さ」「がんへの道は長く厳しい」
そして、こういう人間の体が備えている防御機能、修復機能をかいくぐって
がんという病気になるのは「一つの奇跡」というに至っては
「それじゃあ、私の体って奇跡が起きてるってこと?」と
思わず笑ってしまいましたが。
末期がんが、どうして寛解したかという謎の解明の部分は
「へぇ、そんなことができるんだ」という新鮮な感動がありましたが
高度な専門知識が必要な内容なだけに、真偽のほどは今ひとつよくわかりませんでした。
ただし、こういう治療をしたら治りましたというお話ではないので念のため。
前から書いているように、この数年、小説、ドラマ、映画など様々な創作の分野で
とにかくタブー視されているものが多いと感じます。
政治や経済、宗教など、現実にリンクするような内容のものはもとより
ギャンブル依存症や、原発事故、医療問題などを扱うのは敬遠されがちです。
そんな中で、がん治療というとてもデリケートな題材の小説が
賞を取れたというのは結構珍しくもあり、驚きでもありました。
もっとも、震災や原発事故にしても、いわゆる「スクラップ・アンド・ビルド」的なものや
医療物だったら「あきらめないないで闘おう」といった一方向のテーマに沿ったもの
あるいは、なんでもかんでも「家族の絆の美しさ」に帰結させるようなものはO.Kという
なかなかヘンテコな空気ではあるのですが。
「がん消滅の罠」の中で、もっとも印象に残ったフレーズは
「医師にはできず、医師でなければできず、そしてどんな医師にも成し遂げられなかったこと」
これが全ての動機であり本質なのですが
そこは残念ながら十分に表現されているとは言えず、ちょっと消化不良な印象でした。
けれど「医は仁術」という言葉はすでに死語ともいえ
医療がひどく複雑な様相になっている現代で
これは案外次世代の医療の理想を暗示する言葉なのかもしれません。
超高齢化社会という、人類にとって未知の事態に伴う、がんという病気の増加。
二人に一人はがんと言われる今ですから
転ばぬ先の杖ではないですが
少なくともTVの健康特番よりは論理的に
わりとざっくりとがんという病気を理解できるこの本
興味がある方は一度読んで見られてもいいのではないかと思います。
お正月とか連休とかで、6週間ぶりの病院でしたが
今月はお薬をもらうだけなので
先生の「食欲はどうですか?」「痛みはどうですか?」
「お通じはどうですか?」といった恒例の質問以外には
特に盛り上がるような話題もなく、お薬セットをもらって1時間弱で終了。
ダンナの公休日で、車で直行直帰だったので、寄り道はできませんでした。
先日新刊書で、例の「がん消滅の罠」を買って
今月分の図書購入費の予算をほぼ使い切ったので
また来月まで、青空文庫の本を読むことにしています。
漱石とか鷗外、龍之介なんかは定番ですが
江戸川乱歩などもそろっていて、意外な掘り出し物があります。
そして「がん消滅の罠」
医療系の小説は、海堂尊さんの「バチスタ」シリーズなんかが人気ですが
がん治療を真正面から取り上げた小説というのは、かなり珍しいんじゃないでしょうか。
余命半年と診断され、保険会社から「リビングニーズ特約」で
高額の保険金を受け取った数名の患者のがんが消滅した。
診断書を書いたがんセンターの腫瘍内科医夏目は
保険会社に勤める友人の森川から、このがん寛解の真相の究明を頼まれる。
一連のがん消滅のカギを握ると思われる
湾岸医療センターという、セレブ御用達の医療施設。
そこの理事長は、夏目の大学時代の恩師だった。
医学的な専門用語が飛び交う会話が多いので
内容は結構難しいけれど、これを読めば
がんという病気のメカニズムが大体分かります。
「がんができることを防ぐための人体の精密なシステムと
それを突破するがん細胞の巧妙さ」「がんへの道は長く厳しい」
そして、こういう人間の体が備えている防御機能、修復機能をかいくぐって
がんという病気になるのは「一つの奇跡」というに至っては
「それじゃあ、私の体って奇跡が起きてるってこと?」と
思わず笑ってしまいましたが。
末期がんが、どうして寛解したかという謎の解明の部分は
「へぇ、そんなことができるんだ」という新鮮な感動がありましたが
高度な専門知識が必要な内容なだけに、真偽のほどは今ひとつよくわかりませんでした。
ただし、こういう治療をしたら治りましたというお話ではないので念のため。
前から書いているように、この数年、小説、ドラマ、映画など様々な創作の分野で
とにかくタブー視されているものが多いと感じます。
政治や経済、宗教など、現実にリンクするような内容のものはもとより
ギャンブル依存症や、原発事故、医療問題などを扱うのは敬遠されがちです。
そんな中で、がん治療というとてもデリケートな題材の小説が
賞を取れたというのは結構珍しくもあり、驚きでもありました。
もっとも、震災や原発事故にしても、いわゆる「スクラップ・アンド・ビルド」的なものや
医療物だったら「あきらめないないで闘おう」といった一方向のテーマに沿ったもの
あるいは、なんでもかんでも「家族の絆の美しさ」に帰結させるようなものはO.Kという
なかなかヘンテコな空気ではあるのですが。
「がん消滅の罠」の中で、もっとも印象に残ったフレーズは
「医師にはできず、医師でなければできず、そしてどんな医師にも成し遂げられなかったこと」
これが全ての動機であり本質なのですが
そこは残念ながら十分に表現されているとは言えず、ちょっと消化不良な印象でした。
けれど「医は仁術」という言葉はすでに死語ともいえ
医療がひどく複雑な様相になっている現代で
これは案外次世代の医療の理想を暗示する言葉なのかもしれません。
超高齢化社会という、人類にとって未知の事態に伴う、がんという病気の増加。
二人に一人はがんと言われる今ですから
転ばぬ先の杖ではないですが
少なくともTVの健康特番よりは論理的に
わりとざっくりとがんという病気を理解できるこの本
興味がある方は一度読んで見られてもいいのではないかと思います。
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