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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

高齢者とギャンブルと犯罪

2010-11-14 09:17:08 | 依存症
先日こんな記事を目にした。少し長いが引用する。

「パチンコに熱中するお年寄りが急増している。独り暮らしの寂しさを
まぎらわせるためだったり、 定年後の毎日の退屈しのぎだったり。
3年前の規制強化でギャンブル性の高いスロット機が 禁止され、客離
れが深刻になっている業界も、高齢層からの集客に「生き残り」への
期待を寄せる。借金を重ねて大金を浪費する依存症も目立ち始めてお
り、新たな 社会問題になろうとしている。(中略) 偶数月の「15日」
には、2カ月分の国民年金と厚生年金が全国一斉に支給される。 どの店
舗でも、この日は年金を元手に遊ぶ高齢者で台の稼働率が 2~3割上が
るとされている」

一方で2010年の犯罪白書では、殺人、傷害致死、強盗、強姦(ごうかん)、
放火(いずれも未遂含む)の重大事犯で検挙される高齢者の急増を
報じている。ちなみに殺人の検挙者で65歳以上の割合が1989年に
3.6%(48人)だったのに対し、09年には13.8%(143人)
と3倍近くになっている。

もちろんこの二つの現象を単純に結びつけることはできない。だから
こそデータが必要なのだ。高齢者だけに限らず、ギャンブルと借金と
犯罪が、どういう関係にあるのかを実質的な数字をもとにして対策を
講じる必要があるのだ。
前のブログで民主党の娯楽研が作ったパチンコ法案冒頭の「国民の健
全な余暇生活を向上させるためには、国民的な大衆娯楽を有効活用す
ることが必要であるところ、ぱちんこ遊技が国民的な大衆娯楽の一翼
を担っている」という条文をこの人たちは馬鹿じゃないのかと罵倒し
たが、ほんの数分で万札が消えるような娯楽の、どこをどう言えば
健全と呼べるのか。ふた月10数万の年金で生活する高齢者が、
支給日に何万円もパチンコ屋に捨てればどうなるか。

中小企業で働く人たちは景気の悪化で給料も増えず、以前ほど簡単
にお金が借りられる状況でもなくなって、ギャンブル依存症でない
人たちはおそらくギャンブルからは撤退しているはずだ。以前
パチンコの射幸性が高かった(要するに十何万とか勝つような
常識外れの機種があった頃)友人のご主人が「もう恐ろしくな
ったからパチンコは止める」と言ったという話を聞いた。それが
病気でない普通の人の感覚だと思った覚えがある。十何万
勝つために合計すればその何倍もの金をつぎ込む。依存者が激増
したのはまさにその時期なのだ。
病気でない正常な人は、不景気で生活が苦しい時代に、パチンコ
やスロットがどこをどう考えても割りに合わない娯楽であること
を冷静に、客観的に判断できる。(毎日きつい思いをして働いた
貴重なお金を搾取されるだけの遊びは娯楽とは言わない)
だからこそ今度は判断力の低下している高齢者を取り込んで
虎の子の年金や老後の蓄えををむしり取ろうというのだろう。
その業界をこれからさらに規制緩和して優遇しようと企む現政権。
(自民党政権の終わり頃には、むしろ規制を強化する流れ
になっていて、過払い金の返還や貸金業の総量規制など金融業
も含めて正常化していこうという方向性になっていた。民主党
はベクトルの向きが全く逆なので、例えば過払いの問題なども
再び改変されてしまうなどの可能性もありえるように思う)


まあ規制緩和するだけでは、この不況のさなか売り上げの劇的
な増加にはつながらないだろうから、またあの手
この手で奇策を繰り出してくるんだろうなぁ。ここだけの話だ
けど私は実はこども手当ても本当の目的は、あの業界を救済す
る手段だったんじゃないかと密かに考えているのだ。