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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

最初が肝心! 小学生から知るネットとの付き合い方

2016-02-14 10:44:37 | ネット依存症
先週は、月曜がクラフト勉強会の2回目
火曜日が通院日、木曜と昨日は、子どもが家に来てと
珍しく色々あって、考えることもたくさんあったのですが
前回から、子どもさんのスマホのことについて書いていますので
しばらく続けていきたいと思います。

このブログでリンクをしている、河合塾の「キミのミライ発見」というサイトの
7.情報・モラルというところに
「15000人の青少年「スマホアンケート」驚きの結果」という記事が
アップされています。

これは2014年に、大阪府の中高生が
兵庫県立大学の、竹内和雄先生のサポートを受けて
大阪の15000人の小中高校生の、スマホ使用についてのアンケートを行い
その結果をもとに、中高生たち自身が
スマホの適切な使い方を議論し
そこから考えたスマホの使い方を
「OSAKAスマホ宣言」として発表した経過をまとめたものです。

これから、子どもさんにスマホを買おうと考えておられる方は
ぜひこの記事には目を通していただきたいと思います。
実際に、スマホを使っている子どもたちに
どういう問題が起きてきているのかを
アンケートの結果から知ることができます。

この記事の中で、特にポイントと思われる点を考えてみました。

まずは小学生のスマホ使用率です。
このアンケートでは、小学生の五人に一人がスマホを持っていました。
それと、スマホを持たなくても、ゲーム機や音楽プレーヤー(iPodなど)で
ネットに接続できる小学生が、小学生で半数以上に上りました。

この結果を見ると、スマホを含めて、ネットの使い方についての指導は
小学生の間にやるべきであり、小学校の3年生から4年生くらいまでには
ネットやスマホを使うための、最初のルールを作っておく必要があるということです。

このアンケートの結果を見ると、15000人の小中高生の中で
スマホを使っている子どものほうが、持っていない子どもやガラケーの子に比べて

・寝る時間が遅い(12時より遅くに寝る子が6割を超える)
  時間が遅くなる原因は「たくさんの人とラインをやっているから」や
  「モンスト、パズドラ、ツムツムなどのゲームをやっていると
   時間がどんどんたってしまう」というのが、圧倒的に多いようです。

・イライラする
 イライラする理由は「ラインの既読が気になる」というものや
 「寝るのが遅くなって、睡眠時間が少ないのでイライラする」などが上げられています。
 睡眠時間の減少や、夜遅くまでネットをやることの悪い影響は
 気分の問題だけでなく、頭痛とか肩こり、疲労感など、全体的な健康への悪い影響になります。

・勉強への影響
 おそらくは、これが一番親御さんにとっては関心が大きいかと思いますが
 スマホを使用している子どもの「勉強に自信がある」の割合は19.1%と
 持っていない子どもやガラケーの子に比べて、かなり低くなっています。

この3つのポイントは、すべてつながっていると思います。

「ネット(スマホ)をやる時間が長い→睡眠時間が短い→体の疲れやイライラ→集中力が落ちる」
という悪循環を、子どもたち自身も自覚していることが分かります。
こういう風に書くと「それは大変だ。スマホなんか絶対買わないぞ」と思われる
親御さんもおられるかもしれません。
けれど、子どもたち、特に小中学生がスマホを欲しがる一番の理由は
ラインやゲームを通じての、学校の友達とのつながりなのではないかと思います。
それを禁止することは、子どもの現実の人間関係に影響してきます。

とても悩ましいところですが
何度も書いているように、これからの時代は
こうした様々なIT機器と関わらずに暮らしていける社会ではありません。
どれだけ早い時期から、上手な付き合い方を身につけるかであり
スマホやネットを使うことで、起こってくるマイナス面を
子どもさん自身が、どれだけ自分で回避する、コントロールできる力を身につけるかだと思います。

親が一方的に命令をし、禁止をするというのは
有効なやり方ではなく、それによって生じてくる大きな問題があります。
このアンケートの中にある

「トラブルが起きた時『誰にも相談しない』という小学生が70%近く
いた」という結果です。ひごろの親との関係から、小学生の場合は
「親に言ったら怒られる、スマホやゲームを禁止される」という
不安や恐怖が一番に頭に浮かぶのでしょう。

勉強が、ということよりも、実はこうした点のほうが、より問題のように思います。
このあたりの、スマホやゲームについて、親はどんな風に対応するほうが良いのか
どういうルールを、どうやって作るべきかについては
次回に書いていこうと思います。

このあたりについては、やはりこのブログでリンクしている
ネット依存アドバイザーのトリーさんが
「ネット依存、スマホ依存から小中学生を守るために」のブログで
ご自身の家庭でのネットのルールや
実際に、小学生や中学生のお子さんと
どういうふうに話し合われているかを記事にしてくださっているので
ぜひそちらも参考にしていただけたらと思います。

2月から3月にかけてのこの時期は
子どもさんがおられるご家庭で
一番「スマホを買って」という話が出ているのではないかということを
念頭に置いて、この記事を書いています。
前回参加したクラフト勉強会で、講師の先生が
「依存症の治療も変化してきています」と言われました。
私もそれは感じています。
けれど、現実に依存の状態になってしまったら、回復することは
本人にとっても、家族にとっても容易なことではありません。

ですから、最初が何よりも肝心で
子どもさんと親御さんが、ちゃんと考えて話し合って
スマホやゲームと上手に付き合っていける環境を整える。
現在は、そのために、一番大切なのが、小学生の段階ということです。
ここできちんとした枠組みを作ることができれば
これから先に起こってくる問題をある程度は予防することができます。

もちろん中学の入学を機に、スマホを購入する予定というケースでも
知っておくほうがよいことがたくさんあります。
ですからこのブログだけではなく
ぜひ色々と勉強していただきたいと、心から願っています。



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子どもさんにスマホを買う前に

2016-02-06 15:36:19 | ネット依存症
先日配布された、福岡市の市政だよりで
市の精神保健福祉センターの
「アルコール・薬物・ギャンブルなどの依存症」の
電話相談、面接相談の告知の記事が目を引きました。

これまでアルコールと薬物に関する相談は
ほぼ毎月告知されていましたが
「ギャンブル依存症」と明記されたのは初めて見ました。
全国の都道府県の精神保健福祉センターのHPをチェックしても
「ギャンブル依存症」についての対応はバラバラなので
福岡市の取り組みは、先進的なのではないかと思います。

そこで、ネット依存の問題の相談も受け付けてもらえるかどうか
試しに電話をしてみました。
お聞きしたのは、相談を受け付けてもらえるのかということと
福岡市とその周辺で、ネット依存の相談ができる医療機関があるか、の2点でした。

私の質問に対する回答は
「ネットの場合は、どういう状況であれば依存症と判断できるかの
診断基準がまだ出ていません。同じ理由で、ネット依存に対応してもらえる
医療機関も、今の時点ではほとんどありません」ということでした。
ほぼ予想はしていたものの、がっかりしましたが
学校も含めて、公的な機関が、ネットやスマホの依存に対応するには
やはりまずは国の「診断基準」というお墨付きがない限り難しいということです。

今週は、引退した有名プロ野球選手の薬物問題が大々的に報道されていました。
番組によっては、依存症についての解説もしていましたから
依存症が「やめようと思ってもやめることができない病気」
「欲求や衝動が起きると、脳が自分の行動をコントロールする力を失うコントロール障害」
なのだということが、少し分かっていただけたのではないかと思います。

この依存症の性質は、薬物やアルコールだけでなく
ギャンブルやスマホやパソコン、買い物など
依存の対象がなんであれ共通しています。
薬物だけが特別ということではありません。
そして前にも書きましたが
私は、どんな依存症でも、その広がりには
社会的な要因が大きく関係していると思います。

後藤恵先生が、動機づけ面接法のセミナーの時に
「最初にアルコール依存症の自助グループである
アルコホーリクス・アノニマス(AA)が
作られた1935年当時は、お酒はたいへん高価なもので
アルコール依存症になる人はお金持ちに限られていた。
それが、安い蒸留酒(ウィスキーやバーボンなど)が作られ
簡単に手に入るようになって、アルコール依存症が一気に広がった」と話されました。

それはギャンブル依存症も同じで
特に日本で、500万人を超えるギャンブル依存症者を生み出したのは
日本中至るところ、それこそ津々浦々まで賭博場があるということが
大きな要因であることは間違いありません。

そして、パソコンやスマホなどのIT機器。
これは、パチンコ屋などのギャンブル場よりも
さらに身近にあり、24時間やろうと思えばいつでもやれる。
しかも、小中学生はもとより、最近では幼児でも
そうしたものに触れることができる環境になっています。
けれどそうした社会的な要因は、個人の力で変えることはできません。
個人に出来るのは、そういう社会の中で
自分に出来ることは何かを知ることなんだろうと思います。

これからは、進級や進学の季節です。
そうした区切りで「スマホを買って」という話が出ているご家庭も多いかと思いますが
何事も最初が肝心です。
子どもたちがスマホを上手に使うために
親子で知っておかなければいけないことや
話し合っておくべきことは、依存の問題だけでなく、とてもたくさんあります。

子どもがスマホを使う上で、知っておかなければならないことを書いた
信頼の置けるガイドブックも何点か発売されています。
子どもさんにスマホを買い与える前に
ぜひそうした書籍に目を通されてください。

私はダンナのギャンブル依存症と20年以上付き合ってきたせいで
どうしても依存症の話が中心になってしまうのですが
早期発見早期治療ももちろん大切ですが
予防ができるものなら、予防は何よりも大切です。

日本は依存症についての理解も、対応できる人や施設も
欧米に比べて半世紀以上遅れています。
今回の薬物事件も、欧米であれば、かなり以前から
「処罰よりも治療を」という認識が定着していますから
薬物依存が疑われた段階で
周囲の人が、本人にリハビリ施設に行って治療を受けるように勧め
リハビリのできる施設もありますから
入院治療を受けることができたのではないかと思います。

けれど日本では、本人の周囲にそういう知識を持った人もおらず
有名人が、法に問われない形で、治療できるような施設があるのかどうかも
ほとんど知られていません。

警察は、薬物依存の可能性をつかんだ後も
長い間尾行し、行動確認をした上で、ああいう形で逮捕する。
もちろん薬物を使うことは悪いことですが
こうしたやり方はとても残酷だと思います。
前のミュージシャンの時もそうでしたが
「見せしめ」として大々的に報道することで
薬物の使用への抑止力にしたいという思惑なのでしょうか。

ともあれ日本は薬物の問題でさえこのように
とても先進国などとは言えないのが現状なので
自分や家族を守るためには
必要な知識を持って、予防できるものは予防する
早期発見、早期治療、そしてなってしまったら
どうすれば回復できるのかまで
ひとりひとりが、自分でできることをやっていく。
そういう社会なのだということを分かっていただければと思います。

「なのに、なぜ「ニコチン依存症」だけ、大々的にCMするんじゃ。
タバコ吸ったからって、人殺したりする人間おらんやろうが。バッカじゃないの」と
TVを相手に毒づく私を見て「また始まった」とばかりに
ニヤニヤ笑っているダンナ。
そう、私のストレス発散は、怒っても実害のないものに八つ当たりすることです。
そして、未だにタバコを完全にはやめれていない私。
禁煙外来いこうかしらん。トホホ

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どういう対応が有効なのか

2016-02-03 11:06:31 | 依存症
前回家族が依存をやめさせようとして
おちいる悪循環(小言、叱責、嘆願など)がやればやるほど
失敗に終わる、その原因を書きました。

それでは、失敗の原因となる傾向を改善し
効果が期待できる方法とはどんなものか
こちらも、ジャパンマック福岡の資料から転記します。

<成功の秘訣>

1 先々口出ししないで、何事も後出しにしましょう
2 相手よりも言葉数を少なくしましょう
3 人は正しいことを言われても変わらないと悟りましょう
4 答えを出すのはいつも相手だと心得ましょう
5 相手のアラ(粗)は見えてもいいが、指摘は慎重にしましょう
6 先回りして考えすぎないようにしましょう
7 「相手は感情的、こちらは理性的」と自分に言い聞かせましょう
8 事が起きてから動くようにしましょう
9 相手に分かるように事実を見せるようにしましょう

クラフトのプログラムの目標は
家族がそれまでの、硬直した考え方や行動を変えることで
最終的には依存症の本人を治療につなげることです。

親子や夫婦の関係も、すべてが均一ではありません。
例えば、そこまでどちらかが一方的に命令や指示を与えるという
関係性を続けてきて、そのパターンが定着している場合には
一度にこういう正反対の対応ができるわけではありません。

資料にはこんな風に書かれています。
「パターンがわかり、すべきこともはっきりしたとしても
実行するのはまた別の問題です。水泳と同じで、泳ぐ理屈は
分かっても、実際に泳げるようになるには練習が必要です」

なるほどと思いました。<成功の秘訣>を文字で読んで
頭では「ああ、分かった」と思いますが
実際にダンナとのやり取りの、どういう場面で
どういう言い方をするのが良いのかについては
具体的にやり方を勉強する必要があります。
本を読んで「ああ、分かった」と思っていても
人間はなかなか自分の思考の方法や行動を変えることはできないものですから。

そして、クラフトのテキストを読んでいて
これは次回の「コミュニケーションのやり方」で習うところですが
以前に聞いた、依存症の支援者(医療関係者やカウンセラーなど)向けの
「動機づけ面接」の手法と共通点が多いことも知りました。

このプログラムは、一部の医療機関では
「引きこもり」の人の家族支援にも応用されているようです。
ただ、がんの治療でも感じますが
最先端の治療を導入、実施できる病院や施設というのはほんのわずかです。
私は、このプログラムは
各種の依存症だけではなく、不登校や引きこもりなど
色々な精神的な問題を抱える人の家族の支援に
有効だと思いますが、今のところ実施している機関は
ごくごく限られていて
しかも対象が、薬物とかアルコールの依存症に限られていたりします。

なので、まずは今家族の依存の問題を抱え、悩まれている方や
こういう問題に、高い問題意識を持たれている方に
知っていただき、一人でも二人でも、それをシェアしていただけたらと思います。

実は私は、中学3年の秋から2年ほど
子どもの不登校の問題を抱えました。
ただ、私は自分が高圧的な言い方や叱責が大嫌いです。
どういう問題についても、ああでもないこうでもないと
山のように色々なことを考えてしまい
何かを断言するということができません。

そんな性格ですから、ダンナに対しても子どもに対しても
命令とか指示といった言いかたをしたことはほとんどなく
ただただ見守るしかありませんでした。
ダンナについては、もういい年をした大人なんだから
自分のことくらい自分で考えてくれと思っていました。

しかも親が思ってもいないのに
安易に気休めみたいなことを言うと
思春期の子どもというものは、そういう親の偽善みたいなのには
妙に敏感ですから、腫れものに触るような対応にキレられて
本当に「どうすりゃいいのよ」と途方に暮れたこともあります。

ですから私のように、何も言えなくなるケースの場合は
どうすればよいのかということも
しっかり勉強したいと思います。
子どもたちには常々「どんな知識でも、経験でも、生きていくのに
役に立たないことはないと思う」と伝えていて
末期ガンの私が、こういうことを続けていることについては
苦笑いをしながらも、理解は示してくれているように思います。




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家族が180度考え方を変える

2016-01-27 15:57:40 | 依存症
次回のCRAFT勉強会は
2月8日(月) 18:30から
ジャパンマック福岡で開催されます。

テキストの2は「緊急度を確かめる」になっています。
これは、依存症と暴力の関係と、暴力への対策です。
前回の時に、講師の方が「暴力の問題を抱えておられる方はいますか」と
たずねられて、該当する人がいなかったので
「それでは、暴力への対応は後にまわして
次回は3のコミュニケーションを変えるを先にやりましょう」と言われました。

改めて、テキストを読んでみると
「CRAFTのプログラムは、緊急度の高い暴力が日常化しているケースや
嫉妬妄想による暴力は、想定していない」と書かれていて
そういう暴力を伴うようなケースは、本人への対応については
まずは家族が、自助グループや相談機関に相談をして
話を聞いてもらったり、アドバイスを受けるのが最優先だと思います。

そして、この場合の暴力というのは
「殴る蹴る」といった身体的なものだけではなく
家族が声をかけると、怒って大声で怒鳴るとか、物を投げたり家具を殴りつけるなど
暴力的な言葉でおどしたり、怒りを激しくぶつけるような場合も含まれます。

一回目のDVDの中で、松本先生が「段階に応じて」と言われていました。
実は私は、ずっと依存症について勉強してきて
この依存症の段階とかレベルという考え方を
もう少しみんなに分かるように明確にしていただきたいと心から思います。

ガンにステージがあるように、依存症も
例えば、学生のネット依存なら

1 普通に生活して、家族とも会話しているが、ネットをやっている時間が長い

2 夜中までネットをやって、勉強などはほとんどできず、遅刻や欠席もある

3 学校にはほとんど行かず、一日中ネットをやっている

4 注意をすると、激しく怒って物を投げたり、怒鳴ったりする
  あるいは、部屋に引きこもったり、家を飛び出したりして
  家族との会話がまったく成立しない

というふうに、おおまかでいいから、進行の度合いを分類して
この1とか2の段階だったら、CRAFTの1や3の
「現在の状況を客観的に認識して、家族が対応の仕方を変えることで
依存症の進行を止めて、状況を改善させることができる」という方法が
より有効であるように思われるので
こうした家族の対処法をもっともっと広めていただきたいです。

ギャンブル依存症だったら
1 ヒマな時間は、ほとんどギャンブルをやっている
2 嘘をついて(仕事だと言って)ギャンブルをしに行く、持っているお金を全部
  ギャンブルに使ってしまう

あたりまでが病気未満というところで
<借金してギャンブルをする>になれば、金額には関係なくもう依存症の領域だと思います。
これはあくまでも私がだいたいこうじゃないかと思ったことですけれども。

依存症は、アルコールでも薬物でも、ギャンブルでもネットでも
その他の依存症もですが、やりたいという衝動や渇望を抑えられなくなる
脳のコントロール障害です。思考が、依存の対象から離れられなくなって
冷静な正常な思考ができなくなり(前頭葉が機能停止?頭こわれちゃった状態?)
しかも、どの依存症でも、病気の領域に入ると
自分では、その状態についての、正常な自覚はできなくなります。

一方家族は、なんとかそれを止めてほしい、やめさせたいと
小言や叱責、懇願を繰り返すうちに
今度は家族のほうが、依存の問題がひと時も頭を離れなくなって
こちらも、依存症と同じような思考の状態になります。
これがCRAFTのような、家族の回復プログラムが有効とされる理由だと思います。

CRAFTでは「家族が悪いわけではありません」ということが明言されています。
小言や叱責も、懇願も、はたまたギャンブル依存症での
借金の尻拭いも、そういう病気だということを知らなければ
まさか、相手が頭こわれちゃってるとは思いませんから
そういう行動をするのは、当たり前のことだと思います。

ただ、そういう病気なのだということが理解できたら、考え方を180度変える。
まだ依存症という段階まで進んでいなくても
本人VS家族という悪循環を続ければ、進行する可能性が高いので
少なくとも、家族の脳が依存症の領域に踏み込まないように、思考を切り替える。
それが、とても大切なのだと思います。

ジャパンマック福岡で作っていただいた資料には
それではどうすればよいのかということがとても分かりやすく書かれています。

「効果のないことを止め、効果のあることだけをする」

そして対応の仕方で、失敗する原因は次のようなものです。

1 先に言いすぎる
2 言葉が多すぎる
3 正しいことを言いすぎる
4 答えを出しすぎる
5 相手のあらが見えすぎる
6 先回りして考えすぎる
7 感情的になりすぎる
8 起きていないことを恐れすぎる(予期不安)
9 事実を相手にきちんと見せていない


「まさに」という感じです。「ごめんなさい」というしかありません。
当てはまらないのは7の「感情的~」くらいです。
つまり私の人生は失敗の連続でした(笑)

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知らなかった~!

2016-01-19 11:01:44 | 依存症
クラフト勉強会の日は、ダンナは夜勤明け。
勉強会は夕方からで、ダンナはお昼を食べたら寝るので
起きてから晩ごはんを食べれるようにスタンバイをして、出かけました。

家に帰ったのは10時少し前。
ダンナは、昼間に録画してあった高校サッカーの決勝戦など観ながら
晩酌を楽しみつつごはん食べたようで、いい感じにできあがってました。

私の顔を見ると「どうやった?」と聞くので
「うん、面白かったよ」と答えましたが
帰ってそうそうクラフトの話をするのもアレなので
「サッカーどうやった?」「うん、東福岡が5-0で勝った」
「へえ、良かったねえ」

その後自分もご飯を食べたり
片づけものしたりした後にひと休み。
時間も遅かったので、本当はその日勉強会の話をするつもりはなかったのですが。

実は、勉強会の最初の質問、「なぜギャンブルを始めたのか」というのを見た時に
はたと「そう言えばダンナはなんでパチンコするようになったんやろう?」と思ったのです。
借金をして、その返済に追われるようになってからは
絶え間ないお金の心配とか、最後は家庭内離婚みたいな状態でしたから
家に帰っても居心地が悪いとかで、仕事が終わると、パチンコ屋に行ってたというのは分かります。
でもよく考えてみたら、なんでパチンコするようになったのかは知りません。

「あのさ。今日勉強会で、あなたがパチンコをした理由っていうのがあってね。
仕事のストレスとか、家族の問題とか、忙しすぎてとかいろいろ書いてあって
理由はなんですかっていう質問なんやけど、自分のことやないから
人の気持ちって、聞かれても分からんよね」
と言うと、ダンナが笑いながら
「最初は、大学の時よ。仕送りが少なかったから、パチンコでこづかい稼ごうと思って」

そうだったんだぁ~!!知らなかった~!!

「でもさ。それが病気になったのって
あのビギナーズラックって言われてる、十何万とか勝つっていう
大当たりが出るようになったけんやろう。そういう機種がいっぱい出てきて」
「いや、それはもっと後の話」
「ふ~ん」
「仕事終わって、ちょっと気分転換とか気晴らしとかって、そんな感じやった」

なるほど!と思いました。
まだバブルが弾ける前で、ダンナたちの世代は「企業戦士」であり
とにかく朝から夜まで働き詰め
中小零細企業の労働者はサービス残業当たり前世代でした。
もともと日本人は「真面目に働く」「真面目に勉強する」「とにかく頑張る」ことが
最大の美徳とされて、自分の趣味や楽しみを持っている人は少ないです。

人と関わることが苦にならないタイプは
仕事が終われば「ちょいと一杯」になります。
気の合う同僚と、飲み屋で仕事のグチや上司の悪口言って発散。
まあ、それも度が過ぎればアルコール依存症になりますが。

けれど、うちのダンナのように、本来人と関わるのが苦手。
自尊心は強いのに、自己主張はせず、絶対人と争わない。
常に相手に合わせていけるようなタイプは
仕事が終わってまで、人と一緒にはいたくない。
(私は、八百屋で気に食わないお客さんの帰り際に
塩まいてるとこを、そのお客さんに見つかってひと悶着とか
キレたら、すごく低レベルのいざこざを起こすタイプ。
ダンナに、つねづね「介護の仕事は絶対無理」と言われてます)

そういう内向的な人にとっては、パチンコとかスロットとかは
特別な知識や技術がなくても、ほんのちょっとの時間でもできて
相手は機械だから、ただ座ってハンドル握って、話なんかしなくていいし
勝てばそれなりに楽しいし
その上お金にもなるという、ある意味うってつけの娯楽だったわけです。
そして、そのちょっと気軽にやれるとばく場が、街じゅう至るところにあったことが
六百万人弱のギャンブル依存症者を生み出す最大の要因になったのだと思います。

ともあれ、学習会の夜は、ダンナがごきげんだったことで
思いがけずパチンコについて、今まで一度もしたことのない話ができました。
「なんでパチンコするかなんて、単純だよ。そんな難しい話じゃない」
そう言ったダンナの言葉は、私はウソではないと思います。

「ただ、そこにあったからやった。ヒマだったし
他に特にやりたいこともなかった。でも、やったら楽しかった。
病気になるなんて思ってなかった。借金も大丈夫だと思ってた」
ダンナと話していて、実はこういう人って結構多いんじゃないかと思いました。
そして今、スマホやネットの依存が問題になっている子どもたちも
案外おんなじような感じなんじゃないかと思います。

だからこそ、依存症という病気のことを知ってもらう
そしてなるべく早い段階で、本人にしろ、家族にしろ
「これは依存ではないか」と気づくことが大切なわけです。
がんなどでは、とても熱心に言われる早期発見と早期治療です。
お前にだけは言われたくないと怒られそうですが
私にしてみたら、がんとなるとあんなに熱心なのに
なんで依存症はスルーされるわけ?というところです。

もしかして依存症治療にも、一回の薬代がウン十万円とかいう
画期的な効果のある治療薬とかが出てきたら
一躍脚光を浴びるかもしれませんが。

「なるべく早い時期に、家族が依存症という病気について理解して
それ以上に状況が悪くならないように、家族がまず対応の仕方を習得する」
これが、現在の依存症の治療について
最新の、そして一定の実績をあげている方法で、クラフトもその一つなのです。
ただこうした新しい治療の方法は、先進的な考え方の、一部の医療機関や先生方が
やっとギャンブル依存症にまで適用範囲を広げてくださっているというのが現状です。

できることなら、エビデンスなんて後回しでよいので
今なら早期介入できる可能性が大きい、青少年のスマホ依存やネット依存向けに
保護者のための、ネット依存対応用のクラフト手引書を作成して配布してほしいです。
全員に理解してもらうことや、受け入れてもらうことは無理でも
たとえ一万人のうちの1%(100人)でも理解が広がれば
今よりはずっとましな状況になるのではないかと思えるのです。

アルコールやギャンブルの例でもわかるように
「規制」という方向にいくことは、全く期待できません。
ギャンブルにいたっては、すでに30年以上が経過して
患者数がふくれあがっているにもかかわらず
病気だということさえ、多くの人には分かってもらえていません。

ですから広がりつつあるスマホの依存や
これからもっと拡大する可能性がある薬物の問題に立ち向かうには
私たちひとりひとりが、いろんな知識と情報を手に入れて
より早い段階で有効な対処法を知ることが
家族を依存症から守るために、とても大切なのだと思います。

そしてダンナいわく「いや、スマホ依存症はホントに大変だと思うよ」
あなたがそれ言う?とは思いましたが
普段私がやってることや話していることを、少しづつ理解してくれているのだろうと
ここは好意的に受け止めることにしました。




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