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それでも僕はテレビを見る

社会‐人間‐テレビ‐間主観的構造

テレビ東京「キングちゃん 冷やし漫才王」:まるで総合格闘技の怖さと面白さ

2017-05-24 09:05:02 | テレビとラジオ
 「キングちゃん」が爆発的に面白い。

 この番組は、お笑いコンビ千鳥の冠番組だ。

 このシリーズは、実は第2期。第1期で終わるかと思われたが、まさかの復活劇なのであった。



 第一期の時点で、かなり面白かった「キングちゃん」。

 第二期では、ますます面白い。

 「キングちゃん」の番組内容は、実のところ、非常に説明が難しい。

 理由はふたつある。

 第一に、この番組は毎回相当に異なる企画内容で勝負してくる。

 第二に、企画内容が幾つかのバラエティのジャンルを混ぜ合わせているため、非常に複雑になっている。



 今回放送された「冷やし漫才王」も、一見すると非常に複雑だ。

 まず、今回の演者は千鳥をはじめ、腕の立つ漫才コンビ4組(銀シャリ、三四郎、麒麟、そして千鳥)。

 それぞれのコンビが、番組打合せと称して呼ばれたアイドルの女性の前で「ドッキリ」を仕掛ける。

 そのドッキリとは、コンビ間でケンカをするというもの。

 初めて共演するアイドルにとって、大人のおじさんがケンカしているのを見るのは、とても怖い。

 散々場を荒らして、空気を凍りつかせた後で、徐々に会話を漫才にしていく。

 そして、凍りついた空気を一気に暖かいものにしてフィニッシュし、その温度差で雌雄を決する。



 しかし、企画はもうひとつ複雑な要素がある。

 それはケンカの理由やケンカの際に使うワードを「大喜利」で決める、というものだ。

 キングちゃんは、その企画の多くがある種の「ドッキリ」なのだが、そのドッキリの内容を「大喜利」で決める。

 大喜利で出てくる回答は毎回あまりにも突飛だが、実際にドッキリを真剣に演じてみると、思いもよらない化学反応が生じる。



 同番組のプロデューサーがどこかで述べていたが、この番組は芸人さんにとってかなり怖いものだ。

 なぜなら、大喜利から演技まで、ありとあらゆるお笑いの技術をすべて瞬発的に要求されるからだ。

 企画は毎回意味不明に複雑で新しいため、そう簡単に慣れることができない。

 まるで毎回ルールの違う総合格闘技のようだ。

 演者にとっては本当に疲れる番組らしい。



 今回の「冷やし漫才王」では、麒麟の演技力や漫才の技術が爆発的に素晴らしかった。

 本当に凍りついた現場。そこから徐々に漫才に入っていく話芸。最終的に大きく笑うアイドル。

 信じられないほど機転のきく麒麟のふたり。

 めちゃくちゃなお題を沢山出されているにも関わらず、巧みな構成ですべてのワードを散りばめていく。



 もうひとり注目したいのが、三四郎の相田(メガネじゃない方、地味な方)。

 相田は、そのじわっとくる面白さに加えて、サイコパスの芝居が信じられないほど上手い。

 本当にやばい奴なんじゃないかと思うほど、上手い。

 声が微妙に良いものだから、ますますぐっと引き込まれる。

 何かの番組で「サイコパス演技選手権」とかもやってほしいほど、相田の活躍が面白かった。



 百聞は一見にしかず。ぜひ見てほしい「キングちゃん」。

 テレ東の公式サイトで、無料見逃し配信もしているので、ぜひ。

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