アニメを特別見る方ではないのだけれど、今期は2、3の新作アニメをちょこちょこ見ていた。
そのなかで「つり球」はとても心に残る作品だった。
理由があって、江ノ島のおばあちゃんの家に住むことになった高校生の真田ユキ(男子)は、ひょんなことから、宇宙人と名乗るハル(男子)と一緒に生活することになる。
元々、他人とのコミュニケーションが苦手で、特に熱中できることがあるわけでもなかったユキだったが、ハルの誘いで釣りをはじめ、徐々に成長していく。
コミュニケーションが苦手な主人公が登場する物語は数多ある。
「つり球」もそのひとつに過ぎない。けれど、僕はこのアニメがとても好きだ。
舞台となる江ノ島に僕は行ったことがない。けれど、多くの人が感想として述べていたように、風景の描写はとてもリアルだった(実際の江の島にかなり忠実だという)。
海辺の町の、独特の雰囲気。僕はこのアニメのなかに潮風を感じた。
登場人物たちの置かれている環境や、行動の動機もなかなか丁寧に描けていたように思う。
それぞれが抱える問題。
それぞれが見ている景色。
登場人物たちは衝突したり、すれ違いながら、お互いの問題や景色を少しずつ少しずつ理解していく。あるいは、理解できないものとして認識する。
彼らは一生懸命考え、感じ、前に進もうとする。
どうして釣りがうまくいかなかったのか、どうして仲間と衝突してしまったのか、何に仲間や自分が苦しんでいるのか。
考えること、練習すること、そして感じることを大切にするこの物語は、王道的な青春物語であり、やっぱり僕はそこに惹かれてしまう。
何より好きなのが、主人公のユキが徐々に日に焼けて、大きな声を出せるようになり、強くたくましくなっていく様子だ。
それはイギリスで生活してきた僕自身だった。
素敵な仲間と出会って、外の世界と別のかたちでつながるようになる。
そこで色々なトラブルを経験しながら、大きな声で笑い、大きな声で語りあえるようになる。
物語終盤、仲間のひとりである夏樹が「このまま、ずっとこうしていたいなあ」と、ユキたち4人で釣りをしながら呟く。
「このまま、ずっとこうしていたい」瞬間が、僕にもあった。このイギリスの生活で。
1年目にも3年目にもあった。
そして、僕は変わった。主人公が変わったように。
栗コーダーカルテットのサウンドトラックは素晴らしかった。
物語の雰囲気にぴったりだった。
そして、主題歌だったフジファブリックの「徒然モノクローム」もとてもとても良かった。
メインボーカルを失ったこのバンドが、どのような歌を歌うのか気になっていたのだが、本当に素晴らしいものだった。
この物語は、置かれた環境のなかで葛藤しながら、一歩でも前に進もうとする人の応援歌である。
そのなかで「つり球」はとても心に残る作品だった。
理由があって、江ノ島のおばあちゃんの家に住むことになった高校生の真田ユキ(男子)は、ひょんなことから、宇宙人と名乗るハル(男子)と一緒に生活することになる。
元々、他人とのコミュニケーションが苦手で、特に熱中できることがあるわけでもなかったユキだったが、ハルの誘いで釣りをはじめ、徐々に成長していく。
コミュニケーションが苦手な主人公が登場する物語は数多ある。
「つり球」もそのひとつに過ぎない。けれど、僕はこのアニメがとても好きだ。
舞台となる江ノ島に僕は行ったことがない。けれど、多くの人が感想として述べていたように、風景の描写はとてもリアルだった(実際の江の島にかなり忠実だという)。
海辺の町の、独特の雰囲気。僕はこのアニメのなかに潮風を感じた。
登場人物たちの置かれている環境や、行動の動機もなかなか丁寧に描けていたように思う。
それぞれが抱える問題。
それぞれが見ている景色。
登場人物たちは衝突したり、すれ違いながら、お互いの問題や景色を少しずつ少しずつ理解していく。あるいは、理解できないものとして認識する。
彼らは一生懸命考え、感じ、前に進もうとする。
どうして釣りがうまくいかなかったのか、どうして仲間と衝突してしまったのか、何に仲間や自分が苦しんでいるのか。
考えること、練習すること、そして感じることを大切にするこの物語は、王道的な青春物語であり、やっぱり僕はそこに惹かれてしまう。
何より好きなのが、主人公のユキが徐々に日に焼けて、大きな声を出せるようになり、強くたくましくなっていく様子だ。
それはイギリスで生活してきた僕自身だった。
素敵な仲間と出会って、外の世界と別のかたちでつながるようになる。
そこで色々なトラブルを経験しながら、大きな声で笑い、大きな声で語りあえるようになる。
物語終盤、仲間のひとりである夏樹が「このまま、ずっとこうしていたいなあ」と、ユキたち4人で釣りをしながら呟く。
「このまま、ずっとこうしていたい」瞬間が、僕にもあった。このイギリスの生活で。
1年目にも3年目にもあった。
そして、僕は変わった。主人公が変わったように。
栗コーダーカルテットのサウンドトラックは素晴らしかった。
物語の雰囲気にぴったりだった。
そして、主題歌だったフジファブリックの「徒然モノクローム」もとてもとても良かった。
メインボーカルを失ったこのバンドが、どのような歌を歌うのか気になっていたのだが、本当に素晴らしいものだった。
この物語は、置かれた環境のなかで葛藤しながら、一歩でも前に進もうとする人の応援歌である。