テレビ朝日のあるプロデューサーが言っていたこと。
「Sの性質を持っている演者を重ねて使わないようにしている。そうすることで、役割分担がうまくいき、それぞれの個性が生きる。」
なるほど、これは分かりやすい考え方である。
ならば、今の「ごぶごぶ」(MBS・毎日放送)をどう考えれば良いのだろうか?
「ごぶごぶ」は散歩バラエティの一種である。
2007年から放送されており、当初の演者はダウンタウン浜田と東野幸治であった。
ふたりのコンビネーションは素晴らしかった。
基本的にこの番組はノーカットで一時間。
編集されないので、すべての場面を使用する。
これはすごいことである。
要するに、面白い部分だけを切り貼りするということをしない。
だから、沢山の間が出来る。そして、妙に視聴者との間の距離感がなくなる。
普通の演者では、全く面白くない番組になる可能性が高い。
だが、一流芸人のふたりは見事に間を作り、盛り上がりを作り、あるいは作らないというスカしもありつつ、番組を成立させてきた。
スタッフに食ってかかったり、浜田が東野をうまく追い込んだり、逆に東野が浜田を上手にいじったり。とにかくテンポが良いのである。
また、東野には独特の毒気があり、それが見事に浜田の攻撃性やイライラと化学反応を起こしていた。
当初の演者だった浜田と東野は、あえて言えば、SとM。
ところが、東野の突然の降板(情報番組をやることが決まったせいだとか)。
番組ファンの衝撃は大きかった。
そこに登場したのが、なんと、ロンブー淳だったのである。
この起用には、とても驚きがあった。
ひとつは、この番組が基本的に大阪の番組であるのに対して、ロンブー淳が事実上、東京の芸人であるということ。
もうひとつは、浜田がSなのに対して、淳も基本的にSの役割を担ってきたということだ。
冒頭に述べた方程式なら、これはうまくいかないことになる。
ところが、番組は新たなかたちになり、そして、やはり面白いのである。
上手くいっている理由はふたつある。
ひとつは、ライセンスのふたりが準レギュラーで加入したため、彼らがMの役割を担っているからである。
もうひとつは、淳がSではなく、より、かわいらしいキャラクターに落ち着いていることが原因だ。
メインの司会者を張っている時の淳と、「ごぶごぶ」の淳は違う淳だ。
キュートで、自然体で、毒気がない。
いじるべきところで浜田をいじるが、とても落ち着いている。「ロンハー」のようにはギラギラしていない。
最近では、ようやく浜田との関係にも慣れ始めて、安心して見ていられる空間が出来ている。
ふたりのやりとりは、やはり一流のものだ。
かつて以上にポップで楽しい番組になっていると私は感じている。
「Sの性質を持っている演者を重ねて使わないようにしている。そうすることで、役割分担がうまくいき、それぞれの個性が生きる。」
なるほど、これは分かりやすい考え方である。
ならば、今の「ごぶごぶ」(MBS・毎日放送)をどう考えれば良いのだろうか?
「ごぶごぶ」は散歩バラエティの一種である。
2007年から放送されており、当初の演者はダウンタウン浜田と東野幸治であった。
ふたりのコンビネーションは素晴らしかった。
基本的にこの番組はノーカットで一時間。
編集されないので、すべての場面を使用する。
これはすごいことである。
要するに、面白い部分だけを切り貼りするということをしない。
だから、沢山の間が出来る。そして、妙に視聴者との間の距離感がなくなる。
普通の演者では、全く面白くない番組になる可能性が高い。
だが、一流芸人のふたりは見事に間を作り、盛り上がりを作り、あるいは作らないというスカしもありつつ、番組を成立させてきた。
スタッフに食ってかかったり、浜田が東野をうまく追い込んだり、逆に東野が浜田を上手にいじったり。とにかくテンポが良いのである。
また、東野には独特の毒気があり、それが見事に浜田の攻撃性やイライラと化学反応を起こしていた。
当初の演者だった浜田と東野は、あえて言えば、SとM。
ところが、東野の突然の降板(情報番組をやることが決まったせいだとか)。
番組ファンの衝撃は大きかった。
そこに登場したのが、なんと、ロンブー淳だったのである。
この起用には、とても驚きがあった。
ひとつは、この番組が基本的に大阪の番組であるのに対して、ロンブー淳が事実上、東京の芸人であるということ。
もうひとつは、浜田がSなのに対して、淳も基本的にSの役割を担ってきたということだ。
冒頭に述べた方程式なら、これはうまくいかないことになる。
ところが、番組は新たなかたちになり、そして、やはり面白いのである。
上手くいっている理由はふたつある。
ひとつは、ライセンスのふたりが準レギュラーで加入したため、彼らがMの役割を担っているからである。
もうひとつは、淳がSではなく、より、かわいらしいキャラクターに落ち着いていることが原因だ。
メインの司会者を張っている時の淳と、「ごぶごぶ」の淳は違う淳だ。
キュートで、自然体で、毒気がない。
いじるべきところで浜田をいじるが、とても落ち着いている。「ロンハー」のようにはギラギラしていない。
最近では、ようやく浜田との関係にも慣れ始めて、安心して見ていられる空間が出来ている。
ふたりのやりとりは、やはり一流のものだ。
かつて以上にポップで楽しい番組になっていると私は感じている。