それでも僕はテレビを見る

社会‐人間‐テレビ‐間主観的構造

美味しいディナーをご馳走になる。

2011-02-28 23:06:49 | 日記
今日はこちらで懇意にしていただいている日本人研究者の方とディナー。

また美味しいお店に連れて行っていただいてしまった。

最高です。ありがとうございます。

行ったことの無い町にあるお店で、そこに行くまで少しドキドキ。

久し振りの電車。いつもはバスなので、ほんと久し振り。

乗ったことのない路線に乗り換え。乗り換えてから、一駅だったけど。



雰囲気の超良いお店。これは僕のイギリス生活で最高級ではなかろうか。

大人と食事するのは良いです。いつかそういう大人になれるのか。

なりたいというよりも、そういう大人と一緒に食事し続けたいという気持ちに。

いかん、いかん。





前菜とメインの写真。

めっさウマいです。

前菜でヤギのチーズを久し振りに食べる。懐かしい。最高。ビートの使い方が上手。ご一緒いただいた方から色々説明してもらう。勉強になる。

メインはブタちゃん。グレイビー・ソース+リンゴ+バター。付け合わせは、スプリング・グリーンと思われる。キャベツ系。

その後、チーズ食しまくりでお腹いっぱい。

お腹の限界でデザートに行けず。壊れても挑戦すべきだったか・・・。



お酒の勢いもあり、真剣に自分の研究の話をした。

今までそれはちょっと避けていて、先方の話を聴いて楽しませていただいていたのだが、今日はこちらで会うのも最後ということもあり話す。

盛り上がる。

奇跡的に盛り上がる。

彼の方でも、僕が今後のプロジェクトで使えるのかどうか知りたがっていた様子だった。

それで「使えるかも」という暫定的な結論に至った様子だった。

僕の方でも話が噛み合うことが分かったので楽しかった。

話すタイミングとしても、今回がちょうど良かったと思う。こちらの研究進度がちょうど良かったから。



昔、とある研究会で僕が発表したとき、僕が一緒に仕事できるレベルかどうかを、僕以外の全員の研究者が僕を値踏みした時があった。

僕はもっと若くて、他のメンバーは恐ろしい有力者ばかりで、今考えるととても怖い。

でも、僕は若すぎて恐れがなく、いつものように嬉しそうに発表して、その非公式の審査に合格したという出来事があった。

指導教官のそのあとの喜びようは今も忘れられない。

今日、それを少しだけ思い出した。



この前、ここに書いてすぐに消した記事がある。

別に内容に問題があったわけではないのだが、ちょっと自分にとって大事なことを書き過ぎたので消した。

自分のなかで大事にしすぎていることというのは、実際なかなか書けない。

ただ、そこに書いたことでひとつ、今書きたいことがある。

社会科学の研究者、特に僕の分野では、おおっぴらに言われていないが、強固なヒエラルヒーが存在する。

しかし、そのヒエラルヒーの原理が分かっているのは、実は業界の一部であると僕は思う。

「値踏み」はその原理に関係している。

それは僕の感覚的で主観的なことなのだろうか。良く分からないが、ここではこれ以上書かない。

ポスト・バブル世代に

2011-02-28 14:11:13 | 日記
僕が物心ついたとき、バブルは終わり頃。

日本社会が本当にバブルの崩壊を味わい始めたころ、僕は小学校に入っていたと思う。

僕の世代の前後で、ガツガツしていない子供たちが増えた、という印象をなんとなく、みんな持っていると思う。

出世とか社会的な成功よりも、静かに自分のことを好きなようにしていればいい、という価値観。

芸人で言うと「人力舎」主義。

頑張りませんけど、何か?

GDPとか、別に気にしないし。

日本の政治や経済は確かに混迷かもしれないけれど、ポスト・バブル世代はそれに順応すべく成長してきた。

誰も将来に期待していない。低空飛行を現実的に地道に模索し続ける。

僕らの世代が新しい生き方のモデルを生み出し、政治・経済の制度もいつかきっと再構築される。

それは虹色のものではなくて、持続可能なものになっているはず。

村上龍の小説の主人公のように派手に暴れないかもしれないけれど、僕らは同じような合理性と行動力を発揮する、はず・・・。



僕は思うだが、必要なのは、僕ら自身の「再帰性」を高めることなのではないかな。

ここで言う再帰性というのは、すなわち、自分たちが何をやっているのか、どういう構造のなかにいるのか知る、知る能力がある状態、ということ。

すべての領域で再帰性が高まりつつある、と願いたい。

ユーチューブも、ウィキリークスも、ツイッターも、ラジオも何もかも、あらゆるメディアが新しく機能する。

日本は変わります。

でも、それは「立ち上がる」のではなくて、居心地の良い姿勢に変わる、という話。

それが僕らのアンチテーゼ。

キミノコエ(架空の日記)

2011-02-25 00:03:58 | ツクリバナシ

5月11日

今日僕は実況動画というものを見つけた。実況動画とは、一般の人が実況しながらゲームをしている映像のことだ。

この映像にはゲームの画面しか映っていないが、プレイしている人の声が入っていて、一緒にゲームしているような気分になれるらしい。

動画に沢山のコメントがついていた。見ている人が結構いるのだ。とても不思議な世界だ。

僕が好きな「ファンタジア」シリーズが上がっていたので、ついつい見てしまった。シナリオがとても良く出来ている。



5月14日

動画サイトをチェックしていたら、「ファンタジア5」のなかなか面白い実況動画があった。驚いたことに、プレイヤーが女性だった。実況動画のアップ主はほとんど男性なので、とても珍しい。

ゲームが下手なのが気になるが、実況がとても上手だ。これからも少しずつみようと思う。

アップ主の名前は「パンダ」と書いてあった。なんでパンダなんだろう。パンダが好きなのだろうか。



5月17日

例の「ファンタジア5」の動画に初めてコメントした。一言だけ、『やった!』と書いた。

今日のボス戦はグダグダだったけど、見応えはあった。

僕のコメントを彼女は読むだろうか。



5月20日

彼女はRPGの才能がない。ひどい。アイテムもちゃんと探さないし、町の人の話も聞かない。

ちょっといらいらして、「なんで探さないの?」とコメントしてしまった。

他の視聴者も少し怒っていた。これから徐々にうまくなるのだろうか。



5月28日

今日のプレイもひどかった。とうとう、僕はアドバイスを書きこんだ。

『アシスト系の魔法を最初に使った方が良い』

ちゃんと読んでくれるかな、彼女。



6月7日

この間、みんな厳しいコメントをしたので、彼女、少しへこんでいた。

「うまく戦闘できなくて、ごめんなさい」って言っていた。いいのに。謝らなくても。

でも、今日は前回よりうまく魔法を使えていた。

だから『いいね!』って書きこんだ。喜んでくれるといいのだが。



6月20日

なかなか新しい動画がアップされなかったが、ようやく昨日の晩にあがっていた。嬉しい。

「現実の生活の方が忙しくて」と言っていたが、一体どういうことをしているのだろう。

声を聴く限り、20代半ばくらいような感じがするのだけど。

社会人か、それとも学生?良く分からない。まあ、関係ないが。



6月27日

今日の動画のストーリーは素晴らしかった。さすが、原作者が鳴海創なだけはある。いつものことながら、彼の作品は素晴らしい。

パンダさんはちょっと感動して泣いていた。僕もつられそうになる。とても感受性のある人だ。

とても良い動画だった。プレイは下手だったけど・・・。



7月3日

パンダさんがブログを付けているのを発見。ゲームのことが書いてある。それ以外書いていない。何をしている人なんだろう?

ブログにコメントしている人がいた。「パンダさん、良い声ですね!ファンです。これからも実況続けてください」と書いてあった。

ちょっと気持ち悪い。このコメントを書いた人はどんな人なのだろう。



7月10日

今日、パンダさんのブログにひどい中傷コメントが載ってた。

「お前みたいなゲームが下手な奴は実況なんかするな!」と書いてあった。ひどい。

だから、僕が代わりに応援コメントを書いた。

「パンダさんの動画、とっても好きです。ゲーム、全然下手じゃないですよ!これからも実況楽しみにしています。」

パンダさん、落ち込まないといいのだけど。



7月19日

今日、僕宛てに返信のコメントが載っていた。

「らじおさん

コメント、どうもありがとうございます。楽しみにしていただけて光栄です。

最後まで頑張って続けていきます!応援してください!」

とても嬉しい。自分の気持ちがちゃんと届いたみたいだ。

「らじお」っていう僕のハンドル・ネームがちょっとかっこ悪いんじゃないか気になる。



7月28日

パンダさんが風邪をひいてしまったらしい。風邪に効く飲み物をコメントで教えてあげた。実践して、すぐに良くなってほしい。

彼女のゲームの腕、ちょっとずつ上がっている。

それにしても、良い声だなあ。どんな顔をしているのだろう。



8月10日

ゲームが終盤に入った。この実況動画がいつまでも続けばいいのに。

終わったらオフ会しないのかな。ちょっと話してみたいな。

どんな顔をしているのだろう。それが少し気になる。かわいいのだろうか。

声がかわいいからって、顔がかわいいわけじゃないか・・・。



9月1日

ついに今日最終回の動画だった。ついにこの日が来てしまった。とても悲しい。

当然、続編のリクエストもした。

それと、オフ会のリクエストも。



9月10日

ブログでオフ会をすることが発表されていた。嬉しいけど、こわい。

こわいけど、参加しようと思う。参加希望とコメントした。

場所は大阪らしい。

まあ新幹線で行けるから参加はできる。泊まりがけだなあ・・・。

オフ会は3週間後だから、予定はなんとか調節できそうだ。



9月30日

明日はいよいよオフ会の日だ。やっとパンダさんに会える。

かわいいだろうか。そうでもないだろうか。

がっかりしたくないな。顔、見ない方がいいかな。

でもオフ会開くぐらいだから、ある程度自信があるんじゃないかな。分からない。

実況聴いている限りだと、良い人だっていうのは間違いない。性格はいいはず。

明日か。緊張するなあ。きっと彼女も緊張しているに違いない。



10月1日












(了)

無題

2011-02-23 11:22:39 | 日記
先週末、今やっているプロジェクトの尻尾がつかめた気がして、それ以降、徐々に精神の調子が悪くなっている。

漠としたものをかたちにしようとする力が頭のなかで働いていて、それに精神の大部分が使われている。

この状態と一か月付き合い、論文を書くときにマックスになり、僕は僕をぎりぎりまで追い詰める。

変な方向に力が行かないように気をつける感覚が、イギリスにいるとうまく働くような気がしている。

官能性、リアリティ、簡素さ、厚み、深み、美しさ、息遣い、冷静さ。

僕の大切にしていることを今書きだした。

もっと詰め込まないと。その時が来るまでに。もう少し頑張れるかな。