ショーンKの経歴詐称問題は、私にとってある意味でひどく痛快なものだった。
それがどうしてなのか、ここでちょっとだけ考えてみたい。
まず、ショーンKが語った「コンサルタント会社」というものがすごく面白い。
私の友人に東京のコンサルで働いていた者がいる。
年収は相当な額(日本の人口で言えば、3%弱しかもえらないような金額)なわけだが、何よりその業務内容(およびその考え方)が非常に興味深かった。
コンサルと言っても多様で、地方自治体を相手にするような業務もあれば、民間の大企業を扱うものもある。あるいは中小を専門にする会社もある。
例えば、友人がやっていた仕事は、ある会社の社長が思いついた事業を具体的な計画にし、数字を色々出して相手の満足のいくようなデータを作り上げて提出することだった。
毎日エクセルで表を作っていたと言っていた。とにかく、設定されたある目標に対して、徹底して合理的な道筋を提示することが求められるようだった。
コンサルの入社試験で出されるような問題も面白くて、例えば、日本全国にあるサッカーボールの数を概算せよ、みたいなのがあるそうだ(聞きかじっただけだけど)。
ちょっとした数学的な手法を使って、様々な課題のパターンを読み解き当てはめ、正解っぽい回答を出す。
それを解説する本は無限にあり、東大の出身者などが嬉々として執筆しているそうである。
もうちょっと乱暴に俯瞰で見ると、経営のコンサルタント業というものは、MBA(経営学修士)のコースなどで教わる沢山の知識体系を駆使して、それなりの正解を出して提示することなのかなと思える。
ただし、コンサル会社には文系だけでなく、理系の超エリートもいる。実際、高度な数学を使えるのは理系の一部の人間だからだ。
で、ここではっきりさせておきたいのは、
(1)コンサル業界は基本的にエリートによるエリートのための世界だということ(ゆえに巨額のお金が動いている)、
(2)その世界のパラダイムや知識体系は、決してフワフワしたものではなく、かなり明確な体系性があり、それを様々な場所で(有料で)教わることができるということ(内容も簡単に理解できるものから難解なものまで幅広い)、
なのである。
コンサルがこういう独特な世界だという認識のもとで、もう一度ショーンKのことを考えてみよう。
ポイントなのは「コンサルの業界」がメディアのなかで占める位置だ。
イメージしてみてほしい。本屋には有象無象のビジネス書があり、エリートビジネスマンは皆、日本経済新聞を読んでいる。
経営、ビジネスに関する情報は他の分野と比べても大きな市場で(それに比べて学術なんて・・・)、その世界でコンサルの人間は中心部に存在する。要するに偉いのだ。
コンサルはビジネス・エリートの世界なので、そこにいることさえ分かれば、どういう学歴なのかが簡単に推測できてしまう。
その分、コンサルの業界に参入するのは非常に難しい。
理系でも文系でも一流の大学を出たり、社会人としてのキャリアを懸命に積んだり、海外の大学で高額の授業料を払い、死にもの狂いで高度な課題を超短期間でこなしてMBAを取ったり、することでしか入ることが原則できない(とここでは考えておこう)。
だが、しかしである。
ショーンKは違う方法を取った。
彼のやり方はコペルニクス的転換だった。すなわち・・・・・・、
メディアでコンサルの人間として認められれば、その世界の住人になれる。
これがショーンKのありえない方法の面白さなのだ。
コンサルの人間になってメディアに出るのではなく、その逆のプロセスをたどる。なるほど!
そこでどうしたか。
見た目。声。話し方。これらを「一流」の何かにしたのだ。
それは決して簡単ではない。
特に彼の英語の発音の美しさ。
イギリスでPh.Dを取った私よりずっときれいな英語!
さらに、コンサルのノウハウの誰でも分かる部分をちゃんと頭に入れること。
メディアのコメンテーターなんて、それくらいしか必要ないのだ。
そして、実際に彼はそれに成功した。
これはすごいことだ。
しかし、正確に学力や知識体系を問えば、大した人物ではないのだろう。
日本全体の上位5%の学力は世界的に見ても相当高い。それは誰でも努力すればどうにかなるものではない。
出来ないことではなく、出来ることをやって目標に到達する。
そうやって考えてみると、彼は本当に立派に自らを経営したのだ!
それがどうしてなのか、ここでちょっとだけ考えてみたい。
まず、ショーンKが語った「コンサルタント会社」というものがすごく面白い。
私の友人に東京のコンサルで働いていた者がいる。
年収は相当な額(日本の人口で言えば、3%弱しかもえらないような金額)なわけだが、何よりその業務内容(およびその考え方)が非常に興味深かった。
コンサルと言っても多様で、地方自治体を相手にするような業務もあれば、民間の大企業を扱うものもある。あるいは中小を専門にする会社もある。
例えば、友人がやっていた仕事は、ある会社の社長が思いついた事業を具体的な計画にし、数字を色々出して相手の満足のいくようなデータを作り上げて提出することだった。
毎日エクセルで表を作っていたと言っていた。とにかく、設定されたある目標に対して、徹底して合理的な道筋を提示することが求められるようだった。
コンサルの入社試験で出されるような問題も面白くて、例えば、日本全国にあるサッカーボールの数を概算せよ、みたいなのがあるそうだ(聞きかじっただけだけど)。
ちょっとした数学的な手法を使って、様々な課題のパターンを読み解き当てはめ、正解っぽい回答を出す。
それを解説する本は無限にあり、東大の出身者などが嬉々として執筆しているそうである。
もうちょっと乱暴に俯瞰で見ると、経営のコンサルタント業というものは、MBA(経営学修士)のコースなどで教わる沢山の知識体系を駆使して、それなりの正解を出して提示することなのかなと思える。
ただし、コンサル会社には文系だけでなく、理系の超エリートもいる。実際、高度な数学を使えるのは理系の一部の人間だからだ。
で、ここではっきりさせておきたいのは、
(1)コンサル業界は基本的にエリートによるエリートのための世界だということ(ゆえに巨額のお金が動いている)、
(2)その世界のパラダイムや知識体系は、決してフワフワしたものではなく、かなり明確な体系性があり、それを様々な場所で(有料で)教わることができるということ(内容も簡単に理解できるものから難解なものまで幅広い)、
なのである。
コンサルがこういう独特な世界だという認識のもとで、もう一度ショーンKのことを考えてみよう。
ポイントなのは「コンサルの業界」がメディアのなかで占める位置だ。
イメージしてみてほしい。本屋には有象無象のビジネス書があり、エリートビジネスマンは皆、日本経済新聞を読んでいる。
経営、ビジネスに関する情報は他の分野と比べても大きな市場で(それに比べて学術なんて・・・)、その世界でコンサルの人間は中心部に存在する。要するに偉いのだ。
コンサルはビジネス・エリートの世界なので、そこにいることさえ分かれば、どういう学歴なのかが簡単に推測できてしまう。
その分、コンサルの業界に参入するのは非常に難しい。
理系でも文系でも一流の大学を出たり、社会人としてのキャリアを懸命に積んだり、海外の大学で高額の授業料を払い、死にもの狂いで高度な課題を超短期間でこなしてMBAを取ったり、することでしか入ることが原則できない(とここでは考えておこう)。
だが、しかしである。
ショーンKは違う方法を取った。
彼のやり方はコペルニクス的転換だった。すなわち・・・・・・、
メディアでコンサルの人間として認められれば、その世界の住人になれる。
これがショーンKのありえない方法の面白さなのだ。
コンサルの人間になってメディアに出るのではなく、その逆のプロセスをたどる。なるほど!
そこでどうしたか。
見た目。声。話し方。これらを「一流」の何かにしたのだ。
それは決して簡単ではない。
特に彼の英語の発音の美しさ。
イギリスでPh.Dを取った私よりずっときれいな英語!
さらに、コンサルのノウハウの誰でも分かる部分をちゃんと頭に入れること。
メディアのコメンテーターなんて、それくらいしか必要ないのだ。
そして、実際に彼はそれに成功した。
これはすごいことだ。
しかし、正確に学力や知識体系を問えば、大した人物ではないのだろう。
日本全体の上位5%の学力は世界的に見ても相当高い。それは誰でも努力すればどうにかなるものではない。
出来ないことではなく、出来ることをやって目標に到達する。
そうやって考えてみると、彼は本当に立派に自らを経営したのだ!