私は長いこと、「何故、日本ではR&Bが根付かないのか」という問題について考えてきた。
日本でR&B寄りの最新ヒット曲と言えば、AKBの板野友美の「Dear J」だろう。
作曲は江上浩太郎。彼はR&Bを熟知した作曲家のようで、今までも多くのR&B系楽曲を色々なアーティストに提供してきた。
彼のR&Bテイストは、2000年前後のアメリカの楽曲と、日本のポップスを足したような感じ。ただし、「Dear J」は明確に「ガガ+安室」の方向で、それをヘタウマのアイドル用に修正したような感じだ。
これと似たような路線のアイドルと言えば韓国の少女時代だが、はっきり言って板野とのレベルはかなり違う。歌も踊りも少女時代の方がずっと上だ。さらに彼女たちの曲の方がよりアメリカのR&Bに近い。
しかし、板野が劣っているというのではない。
日本で求められるのは、ゴリゴリのR&Bではないからだ。
そして、よく言われることだが、日本で人気なのはヘタウマだからだ。
なぜ、ゴリゴリのR&Bはダメなのか。なぜ、歌と踊りがうまくてはいけないのか。
まだ結論はないのだが、思いついた仮説を書く。
私は次のように考えている。
欧米では、男と女の行動パターンがはっきりしている。
男は男らしく、女は女らしく、である。
すなわち、「マッチョな男&妖艶な女」像だ。
パーティでの行動もそれに沿ったものとなる。
だから、ソフトなアジア人はかわいそうに簡単に排除されてしまう。
歌もダンスも求愛の行動であり、はっきりとした性別分担が前提となる。
したがって、パフォーマンスが下手=性的アピールの失敗、と認識される。
R&Bの歌とダンスは、より誇張された「男性/女性」の性的アピールが主題である。
歌詞を見れば分かるが、R&Bは性愛のこと以外、ほとんど歌わない(例外はもちろんあるが、劇的に少ない)。ダンスも言うまでもなくセクシーだ。
対して、日本では
パフォーマンスが下手=幼くてかわいい=性的アピールの成功
となる。
そこにあるのは「マッチョな男&妖艶な女」ではない。その逆だ。
だから、ゴリゴリのR&Bは全くこの風土に合わない。
韓国はプロフェッショナルを重んじる社会であり、やはり「男/女」の性的アピールに対する意識も日本よりずっと欧米に近い(アジア的な役割分担だとしても)。
日本で本物のR&Bが根付くことはないだろう。
しかし、日本にソウルが根付かないわけではない。
戦後、占領時代を通じてジャズが根付き、90年代、サブカル・インテリから輸入されたヒップホップが根付いたのだ。
とはいえ、キリスト教徒が少なくゴスペルが根付きにくく、R&Bもここに書いたとおり。
ソウルは片手落ちのまま、日本で日本なりのスタイルとなり、発展していくのだろう。
日本でR&B寄りの最新ヒット曲と言えば、AKBの板野友美の「Dear J」だろう。
作曲は江上浩太郎。彼はR&Bを熟知した作曲家のようで、今までも多くのR&B系楽曲を色々なアーティストに提供してきた。
彼のR&Bテイストは、2000年前後のアメリカの楽曲と、日本のポップスを足したような感じ。ただし、「Dear J」は明確に「ガガ+安室」の方向で、それをヘタウマのアイドル用に修正したような感じだ。
これと似たような路線のアイドルと言えば韓国の少女時代だが、はっきり言って板野とのレベルはかなり違う。歌も踊りも少女時代の方がずっと上だ。さらに彼女たちの曲の方がよりアメリカのR&Bに近い。
しかし、板野が劣っているというのではない。
日本で求められるのは、ゴリゴリのR&Bではないからだ。
そして、よく言われることだが、日本で人気なのはヘタウマだからだ。
なぜ、ゴリゴリのR&Bはダメなのか。なぜ、歌と踊りがうまくてはいけないのか。
まだ結論はないのだが、思いついた仮説を書く。
私は次のように考えている。
欧米では、男と女の行動パターンがはっきりしている。
男は男らしく、女は女らしく、である。
すなわち、「マッチョな男&妖艶な女」像だ。
パーティでの行動もそれに沿ったものとなる。
だから、ソフトなアジア人はかわいそうに簡単に排除されてしまう。
歌もダンスも求愛の行動であり、はっきりとした性別分担が前提となる。
したがって、パフォーマンスが下手=性的アピールの失敗、と認識される。
R&Bの歌とダンスは、より誇張された「男性/女性」の性的アピールが主題である。
歌詞を見れば分かるが、R&Bは性愛のこと以外、ほとんど歌わない(例外はもちろんあるが、劇的に少ない)。ダンスも言うまでもなくセクシーだ。
対して、日本では
パフォーマンスが下手=幼くてかわいい=性的アピールの成功
となる。
そこにあるのは「マッチョな男&妖艶な女」ではない。その逆だ。
だから、ゴリゴリのR&Bは全くこの風土に合わない。
韓国はプロフェッショナルを重んじる社会であり、やはり「男/女」の性的アピールに対する意識も日本よりずっと欧米に近い(アジア的な役割分担だとしても)。
日本で本物のR&Bが根付くことはないだろう。
しかし、日本にソウルが根付かないわけではない。
戦後、占領時代を通じてジャズが根付き、90年代、サブカル・インテリから輸入されたヒップホップが根付いたのだ。
とはいえ、キリスト教徒が少なくゴスペルが根付きにくく、R&Bもここに書いたとおり。
ソウルは片手落ちのまま、日本で日本なりのスタイルとなり、発展していくのだろう。
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