>しかしこの解釈を擁護する人が信じているのは、こんな風に増えすぎた世界を収める場所がなくなっていずれ破綻してしまいそうなイメージなんかではない。そうではなく、世界のあらゆる状況を記述できる十分に大きな波動関数が初めからたった一つだけあって、その形が変化していくのをただただ神の視点で見ているようなイメージである。「単一世界解釈」とでも呼んだ方がむしろいいくらいだ。
世界のあらゆる状況を記述できる十分に大きな波動関数が初めからたった一つだけあって、その形が変化していくのをただただ神の視点で見ているようなイメージである
これは神との対話に出てくるCD-ROMのゲームと同じではないかと思います。
多世界解釈では分岐した他の世界には行くことが出来ないと言われていますが
これは科学者が意識の力を知らないからで、
どれを経験するかは、自由意思で選択できるようです。
神との対話より
>あらゆる可能性は事実として、完了した出来事として存在する。
どうしてそんなことが可能なのか、まだ分からないんですが。
分かりやすく話してあげよう。子供たちがCD-ROMでゲームをやっているのを見たことがあるだろう?そのとき、子供たちのジョイスティックの動きひとつひとつにどう応じればいいのか、どうしてコンピュータに分かるんだろうと思ったことはないか?
ありますね。不思議だと思いました。
すべてCD-ROMにある。コンピュータがあらゆる子供たちの動きにどう応じればいいのかを知っているのは、可能性のあるすべての動きとその適切な対応がすべて、CD-ROMに記録されているからだ。
いやあ、奇妙ですね。シュールだなあ。
すべての結末、結末に至るすべての紆余曲折が、すでにCD-ROMにプログラムされていることがシュールかな?ちっとも「奇妙」なことはないよ。それが技術じゃないか。で、ゲームの技術に感心するなら、宇宙の技術を考えてごらん!
宇宙の車輪をCD-ROMだと想像してみればいい。すべてのエンディングはすでに存在している。宇宙はただ、あなたがたが今度はどの動きを選択するかを待っている。あなたが勝つか、負けるか、引き分けてゲームが終了したら、宇宙は言うだろう。「もう一度、やりたいかい?」
CD-ROMはあなたが勝とうが負けようが気にしないし、「感情を害し」たりもしない。ただ、もう一度ゲームをするチャンスをくれるだけだ。すべてのエンディングはすでに存在する。あなたがどのエンディングを経験するかは、何を選択するかによって決まるのだよ。
すると、神さまはただのCD-ROMみたいなものなんですね?
わたしは、そうは言わないな。だが、この対話では、誰にでも理解できる概念で説明しようとしている。だからCD-ROMの例えを使ったのだよ。生命は、多くの点でCD-ROMのようなものだ。すべての可能性が存在し、すでに起こっている。どれを経験するかは、あなたの選択しだいだ。
地球の変化についても、まったく同じことだよ。多くの超能力者が語る地球の変化は真実だ。彼らは「未来」への窓を開いて見たのだ。問題は、彼らが見たのはどの「未来」かといういうことだな。CD-ROMのゲームの結末と同じで、いくつものヴァージョンがあるのだから。
あるヴァージョンでは、地球には天変地異が起こる。あるヴァージョンでは起こらない。じつは、すべてのヴァージョンはすでに起こっている。思い出してごらん、時は---
知ってます。知ってますよ。「時というものは存在しない。」---
そのとおり。すると、どうなる?
だから、すべてのことはいっぺんに起こっている。
そうそう、そのとおり。かつて起こったことはすべて、いま起こっているし、将来起こることはすべて、いま起こっている。だから、超能力者が予言する滅亡は真実なのかと考えるのなら、関心をすべてそこに集中してごらん。そうすれば、その滅亡を自分に引き寄せる。べつの現実を体験したいと思うなら、そちらのほうへ関心を集中すれば、その結果が引き寄せられるだろう。
すると、地球に変化が起こるのかどうかは教えてくれないんですね。
あなたがどうするのか、こっちが聞いているのだよ。あなたが、思考で、言葉で、行動で決定するんじゃないか。
量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在 (ブルーバックス) (日本語) 新書 – 2008/5/21
5つ星のうち4.0
科学の進歩って,なんて素晴らしいのだろう! 2011年12月11日
形式: 新書
本書は,ニュートン力学はもちろん,アインシュタインの相対性理論からも不思議に見える量子力学の諸現象について,それらをどのように解釈すればよいかということを,量子力学の研究の歴史を辿りながら解説してくれる.手品といった身近な例にたとえながら説明してくれてはいるのだが,それでも理解するのは難しい.本書を一回通読してきちんと理解できる人は凄いと思う.
本書が最も尤もらしい解釈として示しているのが「多世界解釈」である.例えば,あなたが宝くじを買う/買わない,買ったとして当選する/しないなど,この世は実に様々な可能性で満たされているわけだが,我々が実体験するのは,多数ある可能性のうちの,たった1つだけである.そして,我々は,我々が体験しなかった可能性は現実には存在しなかったと信じて生活している.しかし,多世界解釈は,そのような常識に異を唱える.すべての可能性は現実に存在しているのだと.宝くじを買ったあなたも/買わなかったあなたも,買って当選したあなたも/しなかったあなたも,すべてのあなたは実在しているのだと多世界解釈は主張する.残念なお知らせは,数多くの世界が実在しているにもかかわらず,あなたが宝くじを買ったが当選しなかった世界に,あなたは存在しているということだ.当然ながら,別の世界には,宝くじに当選したあなたが存在している.おめでとう!
量子力学といえば,シュレーディンガーの猫を思い出す人もいるだろう.箱の中の猫は生きているのか死んでいるのか,そのどちらでもあり,どちらでもないという不思議な話だ.コペンハーゲン解釈では,猫の生死を観測するまでは,いずれの可能性もあり,観測した瞬間に状態が収縮して,猫の生死が決まると考える.一方,多世界解釈では,生きている猫も死んでいる猫も実在している.ただし,その2つの世界は互いに干渉しない.つまり,どちらの世界も別の世界を知ることはできない.
科学の進歩って,なんて素晴らしいのだろう!
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5つ星のうち4.0
「たまにこうした本を読んで、気分を変えてみる」という効果はありました 2008年6月17日
形式: 新書
なんといいましょうか、単に興味本意でブルーバックスぐらいのレベルの本を時々読んでは、「こんな考え方もあるんか」と驚きあきれることを1年に数回やっている身にとっては、「よくわかんないけどスゴイことを考えている人たちが世の中にはいるもんだ」ということにつきるか、と。
EPRのパラドックスの問題に関して伝統的なコペンハーゲン解釈で「波動関数の収縮」として扱う現象は、多世界解釈では「干渉性(コヒーレンス)の喪失」として扱われるそうですが、なんと、著者によると、物理学の世界ではこの多世界解釈を支持する意見が多数を占めるとか。
多世界解釈の創始者エヴェレットの説をさらに先鋭化させたドイチの多世界解釈を、よく理解するまでには至りませんが、日本語で簡単に読ませていただいたのはラッキーかな、と。
個人的には、といいますか、理解の及ぶ範囲といいますか、知ってる範囲では、ファインマンさんが「量子力学の精髄」と呼んだ二重スリット実験の解釈に関してはガイド波の存在を考慮した解釈がわかりやすいんじゃないかと思っていましたが、なんでも、著者によれば下火だそうですが…。
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世界のあらゆる状況を記述できる十分に大きな波動関数が初めからたった一つだけあって、その形が変化していくのをただただ神の視点で見ているようなイメージである
これは神との対話に出てくるCD-ROMのゲームと同じではないかと思います。
多世界解釈では分岐した他の世界には行くことが出来ないと言われていますが
これは科学者が意識の力を知らないからで、
どれを経験するかは、自由意思で選択できるようです。
神との対話より
>あらゆる可能性は事実として、完了した出来事として存在する。
どうしてそんなことが可能なのか、まだ分からないんですが。
分かりやすく話してあげよう。子供たちがCD-ROMでゲームをやっているのを見たことがあるだろう?そのとき、子供たちのジョイスティックの動きひとつひとつにどう応じればいいのか、どうしてコンピュータに分かるんだろうと思ったことはないか?
ありますね。不思議だと思いました。
すべてCD-ROMにある。コンピュータがあらゆる子供たちの動きにどう応じればいいのかを知っているのは、可能性のあるすべての動きとその適切な対応がすべて、CD-ROMに記録されているからだ。
いやあ、奇妙ですね。シュールだなあ。
すべての結末、結末に至るすべての紆余曲折が、すでにCD-ROMにプログラムされていることがシュールかな?ちっとも「奇妙」なことはないよ。それが技術じゃないか。で、ゲームの技術に感心するなら、宇宙の技術を考えてごらん!
宇宙の車輪をCD-ROMだと想像してみればいい。すべてのエンディングはすでに存在している。宇宙はただ、あなたがたが今度はどの動きを選択するかを待っている。あなたが勝つか、負けるか、引き分けてゲームが終了したら、宇宙は言うだろう。「もう一度、やりたいかい?」
CD-ROMはあなたが勝とうが負けようが気にしないし、「感情を害し」たりもしない。ただ、もう一度ゲームをするチャンスをくれるだけだ。すべてのエンディングはすでに存在する。あなたがどのエンディングを経験するかは、何を選択するかによって決まるのだよ。
すると、神さまはただのCD-ROMみたいなものなんですね?
わたしは、そうは言わないな。だが、この対話では、誰にでも理解できる概念で説明しようとしている。だからCD-ROMの例えを使ったのだよ。生命は、多くの点でCD-ROMのようなものだ。すべての可能性が存在し、すでに起こっている。どれを経験するかは、あなたの選択しだいだ。
地球の変化についても、まったく同じことだよ。多くの超能力者が語る地球の変化は真実だ。彼らは「未来」への窓を開いて見たのだ。問題は、彼らが見たのはどの「未来」かといういうことだな。CD-ROMのゲームの結末と同じで、いくつものヴァージョンがあるのだから。
あるヴァージョンでは、地球には天変地異が起こる。あるヴァージョンでは起こらない。じつは、すべてのヴァージョンはすでに起こっている。思い出してごらん、時は---
知ってます。知ってますよ。「時というものは存在しない。」---
そのとおり。すると、どうなる?
だから、すべてのことはいっぺんに起こっている。
そうそう、そのとおり。かつて起こったことはすべて、いま起こっているし、将来起こることはすべて、いま起こっている。だから、超能力者が予言する滅亡は真実なのかと考えるのなら、関心をすべてそこに集中してごらん。そうすれば、その滅亡を自分に引き寄せる。べつの現実を体験したいと思うなら、そちらのほうへ関心を集中すれば、その結果が引き寄せられるだろう。
すると、地球に変化が起こるのかどうかは教えてくれないんですね。
あなたがどうするのか、こっちが聞いているのだよ。あなたが、思考で、言葉で、行動で決定するんじゃないか。
量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在 (ブルーバックス) (日本語) 新書 – 2008/5/21
5つ星のうち4.0
科学の進歩って,なんて素晴らしいのだろう! 2011年12月11日
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本書は,ニュートン力学はもちろん,アインシュタインの相対性理論からも不思議に見える量子力学の諸現象について,それらをどのように解釈すればよいかということを,量子力学の研究の歴史を辿りながら解説してくれる.手品といった身近な例にたとえながら説明してくれてはいるのだが,それでも理解するのは難しい.本書を一回通読してきちんと理解できる人は凄いと思う.
本書が最も尤もらしい解釈として示しているのが「多世界解釈」である.例えば,あなたが宝くじを買う/買わない,買ったとして当選する/しないなど,この世は実に様々な可能性で満たされているわけだが,我々が実体験するのは,多数ある可能性のうちの,たった1つだけである.そして,我々は,我々が体験しなかった可能性は現実には存在しなかったと信じて生活している.しかし,多世界解釈は,そのような常識に異を唱える.すべての可能性は現実に存在しているのだと.宝くじを買ったあなたも/買わなかったあなたも,買って当選したあなたも/しなかったあなたも,すべてのあなたは実在しているのだと多世界解釈は主張する.残念なお知らせは,数多くの世界が実在しているにもかかわらず,あなたが宝くじを買ったが当選しなかった世界に,あなたは存在しているということだ.当然ながら,別の世界には,宝くじに当選したあなたが存在している.おめでとう!
量子力学といえば,シュレーディンガーの猫を思い出す人もいるだろう.箱の中の猫は生きているのか死んでいるのか,そのどちらでもあり,どちらでもないという不思議な話だ.コペンハーゲン解釈では,猫の生死を観測するまでは,いずれの可能性もあり,観測した瞬間に状態が収縮して,猫の生死が決まると考える.一方,多世界解釈では,生きている猫も死んでいる猫も実在している.ただし,その2つの世界は互いに干渉しない.つまり,どちらの世界も別の世界を知ることはできない.
科学の進歩って,なんて素晴らしいのだろう!
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「たまにこうした本を読んで、気分を変えてみる」という効果はありました 2008年6月17日
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なんといいましょうか、単に興味本意でブルーバックスぐらいのレベルの本を時々読んでは、「こんな考え方もあるんか」と驚きあきれることを1年に数回やっている身にとっては、「よくわかんないけどスゴイことを考えている人たちが世の中にはいるもんだ」ということにつきるか、と。
EPRのパラドックスの問題に関して伝統的なコペンハーゲン解釈で「波動関数の収縮」として扱う現象は、多世界解釈では「干渉性(コヒーレンス)の喪失」として扱われるそうですが、なんと、著者によると、物理学の世界ではこの多世界解釈を支持する意見が多数を占めるとか。
多世界解釈の創始者エヴェレットの説をさらに先鋭化させたドイチの多世界解釈を、よく理解するまでには至りませんが、日本語で簡単に読ませていただいたのはラッキーかな、と。
個人的には、といいますか、理解の及ぶ範囲といいますか、知ってる範囲では、ファインマンさんが「量子力学の精髄」と呼んだ二重スリット実験の解釈に関してはガイド波の存在を考慮した解釈がわかりやすいんじゃないかと思っていましたが、なんでも、著者によれば下火だそうですが…。
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