思想家ハラミッタの面白ブログ

主客合一の音楽体験をもとに世界を語ってます。

静電気が起こりにくく、肌にやさしい素材とは

2019-05-26 13:46:07 | 思想、哲学、宇宙論





冬になると乾燥して起こりやすくなる静電気。実はパジャマの素材と静電気の起こりやすさには密接な関係があります。今回は静電気が起こりにくいパジャマの選び方と静電気対策についてご紹介します。




目次
1.そもそも静電気はなぜ起こる?
2.静電気が起こりにくく、肌にやさしい素材とは
3.静電気が起こりにくくするには
4.まとめ



1.そもそも静電気はなぜ起こる?

摩擦によって起こります

静電気は、二つの物体がこすれ合うことで発生します。コンセントから流れる電気は常に電子が動いて電流が流れるため、「動電気」といい、摩擦によって起こる電気は流れずにその場で静かにたまっているため、「静電気」といいます。地球上にあるすべてのものは、プラスとマイナスの2種類の電気をバランスよく同じ数だけもっていますが、物体同士がこすれ合うことで、どちらかにマイナスとプラスにかたよってしまいます。そのとき、プラスとマイナスの電気が引き合うことで電流が流れてビリッ!と感じます。

プスチックの下じきを髪の毛にこすりつけると


小さい頃、プラスチックの下じきを髪の毛にこすりつけて髪の毛を逆立てて遊んだことはありませんか?下じきも髪の毛も普段はプラスとマイナスの電気をバランスよくもっていますが、下じきで髪の毛をこすることで、マイナスの電気が下じきに移動し、下じきはマイナス、髪の毛はプラスの電気を帯びます。そして下じきを持ち上げると髪の毛のプラスの電気と下じきのマイナスの電気が引き合い、髪の毛が逆立ちます。

ドアノブをさわるとビリっと感じる


また、ドアノブにさわるとビリっとするのも、体にたまったプラスの電気が、ドアノブのマイナスの電気と引き合って電流が流れるためです。他にも、プラスの電気を帯びやすいウールのセーターの上にマイナスの電気を帯びやすいアクリルのジャケットなどを羽織ると、セーターにジャケットがくっつき、脱ぐときにバチバチと音をたてるのも同じ原理です。

2. 静電気が起こりにくく、肌にやさしい素材とは

帯電列が近い素材同士は静電気が弱い


二つの物体をこすり合せたときに、プラスの電気を帯びやすいものと、マイナスの電気を帯びやすいものがあり、帯びやすさの順番に並べたものを「帯電列」といいます。この帯電列がはなれているもの同士のほうが強い静電気が起こり、近いものどうしは弱いです。

綿とポリエステルの着合わせは強い静電気が起こる


綿や麻、絹などはお互いプラスの電気を帯びやすい同士なので、お互いこすれ合っても強い静電気は起きません。ある対象物に対して、綿布を1分間高速回転(約400回転)でこすり付けた結果の耐電圧(V)を測る帯電性の試験(JIS-L-1094 摩擦耐電圧測定法)で、綿は1,000V、シルク(絹)は1,700V、人が感じる静電気は2,000V位なので、このあたりはセーフですね。それに対し、ウールやポリエステルは3,500Vなので、綿の肌着などと着合わせると静電気を感じてしまう組合せと言えます。

綿や麻、絹のパジャマは肌に近い帯電性なので肌にやさしい

前述のとおり、帯電性が近い素材の着合わせだと静電気が起こりにくいことが分かりましたが、肝心の人の肌は綿、麻、絹と近い帯電性なので、やはりお肌に優しい素材だと言えます。それに対し、アクリルやポリエステルなどはマイナスの電気を帯びやすく、帯電列がかなり遠いため、肌とは静電気が起こりやすい組合せなので、肌にやさしい素材とは言えません。素肌に着る、肌着やパジャマはやはり綿、麻、絹などの天然素材がお肌に良いです。また、レーヨンは指定外繊維ですが、帯電列が近いのでお肌にはやさしいと言えます。

3. 静電気が起こりにくくするには

静電気と湿度・温度との密接な関係


静電気が発生しやすい環境は温度25度以下、湿度20%以下で、気温が低く、乾燥しやすい冬に起こりやすいのはそのためです。人間が電気を帯電していても、湿度が高い時は空気中に水分が多いので、空気中の水分を通してすばやく電気は逃げてしまします。夏は湿度が高く、物体に溜まる電気が少なく「バチッ! 」とまで行かないのに対し、湿度が低い冬は空気中に水分が少なく、電気を流す逃げ道が少ないため、人間や物体に電気がたまりやすく、金属に触れた際などに一気に電流が流れ、「バチッ! 」と放電されてしまいます。

エアコンや加湿器などで室内温度・湿度を調整する


ただ、静電気が発生しやすい環境が温度25度以下、湿度20%以下だからといって、エコ的に暖房25度以上に設定する方は少ないかと思います。実際、環境省も冬の暖房時の室温の目安を20℃に推奨しています。温度は20度程度に設定して、室内の湿度を50%~60%ぐらいに調整しておくと、静電気がおきにくくなるため、加湿器などをエアコンと併用するようにしましょう。また、観葉植物に水をあげることでも、部屋の湿度をあげる効果があります。

肌や髪の毛を保湿する


静電気は対象物同士の摩擦によって発生するものなので、手とドアノブ、素肌と衣服などの間に生じる静電気を起こりにくくするには、ハンドクリーム、保湿クリーム、ヘアオイルなどで、肌や髪の毛の乾燥を防ぐようにしましょう。

ビリっとなる前に放電をする

ドアノブなどを触る前に、1度近くの壁や着ている服などを触って放電しましょう。ドアノブの素材はステンレスのものが多いですが、ステンレスも帯電列でいうとマイナスの電気を帯びやすく、プラスの電気を帯びやすい人の体や綿の衣服などとは強い静電気が起きやすい組合せです。ですので、人の体の帯電列に近い素材、木の壁や綿の衣服などを触ることで、ゆっくり電気を通して、先に放電するようにしましょう。もちろん、触るものがステンレスやプラスチック、ポリエステルの素材のものでは、ゆっくり放電するどころかそのときに強い静電気が起こるのでご注意を。。

吸湿性、吸水性のよい天然素材のパジャマを選ぶ

綿や麻、絹などの天然素材は吸湿性、吸水性に優れています。つまり繊維の分子自体が湿気や水とくっつこうとする性質があります。反対に、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維は繊維の分子自体が湿気や水とくっつこうとしません。つまり吸湿性・吸水性の高い綿、麻、絹の方が、吸湿性・吸水性のないポリエステル、アクリルに比べて乾燥しにくく静電気が起こりにくい環境を作り出す素材であると言えます。

パジャマと布団カバー・シーツを綿、麻、絹を選ぶ

先述のとおり、素肌に直接着るパジャマは人の肌の帯電列に近い綿や麻、絹が良いのですが、寝ている間に摩擦するお布団カバーやシーツなども同様に綿や麻、絹などの天然素材にすることで静電気は起こりにくくなります。また、先述のとおり、ゆっくり放電してくれる効果もあるためなおさらです。

4.まとめ

天然素材のパジャマを選びつつ、体や室内が乾燥しないように心掛けましょう

静電気は摩擦することで発生する、帯電列が離れているものほど強い電気が流れる、乾燥していると発生しやすい、という3つの特徴があります。ですので、まずは体に直接触れる肌着やパジャマ、その着合わせを見直しましょう。体と帯電列の近い、綿などの天然素材のパジャマや寝装品を選び、お肌の保湿をし、室内を乾燥しにくい環境にすることが大切です。
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帯電障害とは

2019-05-25 22:13:10 | 思想、哲学、宇宙論



帯電障害とは

私たちはテレビ・パソコン・携帯電話・Wi-Fi・IH調理器具、高速大容量の通信網など電気・電磁波に囲まれた生活をしています。
こういった電磁波により身体に静電気が過剰に溜まって様々な不調をきたすことを当院では「帯電障害」と呼んでいます。
これを医学的見地から説明すると「帯電による血管の収縮からくる血流障害や筋肉の緊張、空中の塵や埃が皮膚・粘膜に吸着することで引き起こされる一連の症状」となります。

具体的な症状としては極端な疲れやだるさ、肩こり、目の疲れや乾燥、頑固な冷え、などとして現れます。
ただ「帯電障害」は病気としては認められておらず、一般の検査では異常が見つからないため「うつ」と診断されるケースも少なくありません。

外来で帯電による体調不良の患者さんをたくさん診てきたことから、当院では「帯電障害」の可能性のある方にも対応しています。

電磁波過敏症

「帯電障害」がさらに進むと家電や携帯電話などの電磁波発生源の近くで具合が悪くなり、生活に支障を来す
「電磁波過敏症」になる可能性があります。
「電磁波過敏症」は化学物質過敏症の約3割に併発すると言われ、かなりの方が電磁波で苦しんでいると思われます。
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5Gで鳥が落下死

2019-05-25 13:45:04 | 思想、哲学、宇宙論


https://ameblo.jp/wake-up-japan/entry-12420195107.html


約1週間ほど前、ハーグの公園内で鳥の大量死がありました。この件については、「沈黙を保つ」ように最初から計画されていたようですので、存知の方は少ないのではないでしょうか。

しかしさらに150羽以上の鳥が死亡し、鳥の合計死亡件数が297羽になり、一部から関心を持たれ始めました。

もしその公園に足を運んで見渡すと、鳥が死亡した街路中の建物の屋根の角に取り付けられているものを見ることができるかもしれません。

新しい5Gのアンテナです。オランダの鉄道駅との関連で、カバーできる範囲の大きさを確認し、駅の中や周辺で機器に有害事象が起こるかを確認するための実験でした。

そして本当に有害な事象が起きたのです。実験直後に、鳥が死んで木から落ちました。

そして近辺で泳いでいたアヒルたちも、非常に奇妙な行動を取っていました。一部のアヒルは同時に、電磁波から逃れるように水中に頭を突っこみ、他のアヒルは逃げるように飛び立って地面や水路内に降り立ったのです。






繰り返すようですが、この駅の周辺で動物たちが死亡したのとまったく同時に、このデンハーグ駅は5Gの通信アンテナ塔の実験を行っていたのです。

「(大量死した動物は)ウィルスや細菌の感染の様子もなく、血液は健康で体内に毒物などが見つからず、すべて心不全で死亡したと仮定しましょう。

唯一、合理的に考えうる可能性は、新しい5Gのマイクロ波がすべての鳥に重大な影響を与えたということです!(略)

一部の不規則なパルスのマイクロ波と非常に強く反響しあい、器官に対する生物学的影響があると証明できます!(略)私はふざけてませんよ!(略)」

「低ワット数のマイクロ波は、『人間を加熱しないから』、『有害なはずがない』と思い込んでいる人がいます。(略)

彼らはそんな問題だらけの『論理』をあなたに何度も繰り返し信じ込ませようとしているのです!(略)

『Google Scholar』という学術論文検索サイトで「Biological Effects of Non-ionizing Microwaves(非電離マイクロ波の生物学的影響)」と検索してみてください。










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波動と創造

2019-05-24 11:01:36 | 思想、哲学、宇宙論
共鳴し合う波動エネルギーが一カ所に集中することで

何らかの創造が起きるのではないか。

波動の違いによって創造されるものや現象が異なるのだろう。

想念も波動の一種なので、想い続けることは創造につながるのだ。

天国も地獄も、同じ思いの人間が集まって作り出した世界である。






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カナダ・オンタリオ州が法令で漂遊電気に管理責任課す

2019-05-22 19:46:21 | 思想、哲学、宇宙論
http://www.jca.apc.org/tcsse/kaiho/kaiho-44/kaiho44-15.html


カナダ・オンタリオ州が法令で漂遊電気に管理責任課す

□議員立法で対策求める州法が提出
 高圧送電線から出る電磁波が地電流となったりや空中をさまよったりして、人間や動物に悪影響を与えているのではと、以前から指摘がされていた。2006年10月に、米国ワシントン州で送電線から出る漂流電気(stray voltage or stray electricity)や地電流により、放牧されている乳牛の乳の出が悪くなったり、時として牛が倒れる被害にまで起こると、主張していた農夫に対し、「漂流電気は電力会社の管理責任の範囲だ」とする判決が出て、電力会社は農夫に110万ドル支払えと命じた。
 カナダ・オンタリオ州では、オンタリオ水力発電会社に対し、漂流電気は問題だとした農民たちの声を州政府はとりあげ、電力会社に漂流電気を減らす対策をとるよう求める州法が、議員立法で提出された。

□牛の役目は鉱山のカナリア
 高圧送電線からは生体に悪影響与える漂流電気が出るが、それをいち早く感知するのは牛だ。漂流電気を浴びた牛は乳が出にくくなるのでわかる。鉱山内でのカナリアは、いち早く有毒ガスを察知するが、その役目を農場での牛が果たしているのだ。
 オンタリオ州トレント大学環境科学のマグダ・ハーバス(Magda Havas)教授はこう言う。「牛は1日2回乳を出し、1回にどの位出すかは酪農農夫なら知っている。しかし、周辺に24時間以内に漂流電流が発生した時は、すぐに牛は乳を出す時間や量に変化が表れるなど反応することで、漂流電流の存在を私たち人間に知られてくれる。だから、牛は『鉱山のカナリア』と同じなのだ」。

□ニュートラル線が機能しないと起こる
 電気は回路系統が完全でないと、電気が戻るための水力発電用送電線のニュートラル線で問題が生じ、漂流電流が生まれる。この場合、ニュートラル線がない場合はもちろんだが、ニュートラル線があってもきちんと機能していないと、送電線を流れる電気は、地面や建物や畑や動物体内や人間体内を通って、トランス(変圧器)まで戻っていこうとする。
 カナダ・南西オンタリオ地域で、以前に酪農家をしていたリー・モントゴメリーさんは、「こうした漂流電流は時として牛を卒倒させる力がある。漂流電流は、時には1千ボルトを越えるほどの力を持つ。私は、その時の状況をビデオにとってある」と語っている。モントゴメリーさんは、1970年代後半にオンタリオ州のチャサムケント地域で、酪農家としてトップレベルの生産をあげていたが、送電線から発生する漂流電流の影響で、牛がつぎつぎと倒れて最低ランクの生産にまで落ち、酪農ができなくなった。
 オンタリオ州農業省の前職員バリー・フレーザーさんは、「私はモントゴメリー牧場の問題を監視してきたが、彼が言うように、以前の彼の牧場は量も質もトップレベルだったが、漂流電流が原因で落ち込んでいったことを証言していい」と語った。

□漂流電流の害は確認されている
 フレーザーさんの監視がオンタリオ州政府農業省を動かした。モントゴメリーさんは、オンタリオ水力発電会社という巨大電力会社を「漂流電流問題」で訴え、法廷の場でモントゴメリーさんの訴えの正しさが認められた。
 漂流電流の問題は酪農家だけの問題ではない。2年前に、ニューヨーク市で犬を連れていた女性が金属の板を踏んだ時に、そこに漂流電流が流れていたため死亡する事件が起こった。
 ハーバス教授は、「漂流電流を避ける問題は、動物や農夫だけでなく都市住民の命も助ける問題なのだ。まだニュートラル線を設置していないのならば設置すべきだし、それだけでなく、超過電荷を逃がす第2の線を設置することが問題を解決する道だ」と語っている。

□オンタリオ州法の内容
 オンタリオ議会の第2読会(日本の委員会のような手続き)を通った議員立法案は、電力会社が漂流電流対策を怠ったため事故が起こった場合「1日につき1千ドルを電力会社が罰金として支払わなければならない」という内容である。






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「電磁波過敏症」についての考察

2019-05-20 14:51:45 | 思想、哲学、宇宙論
世界保健機関(WHO)は2005年に「電磁波過敏症」と題した報告書において「厳密に管理された二重盲検法によって、症例は電磁波とは相関は認められなかった。… 症状は確かにあるが人によってバラバラで… 医学上の病気とは言えない」と述べた。


この実験は、電磁波を浴びてから症状が発生するまでの時間差を考慮していないと思います。症状がバラバラなのは炎症が起きている場所が異なるからでしょう。

トレント大学の研究者Havasは「そういった研究者は、電磁波に対する反応は即座に現れると思っていますが、時間差はしばしばあるのです。人間はパチパチとオンオフするスイッチではありません。」と述べています。


炎症があるだけでこの病気になるわけではなく、静電気の発生しやすい人や電磁波の影響を受けやすい人が、発症すると思われます。
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インターフォン研究の教訓

2019-05-20 13:34:09 | 思想、哲学、宇宙論
https://www.shiminkagaku.org/post_218/



インターフォン研究の教訓
Magda Havas (トレント大学 環境資源学准教授)
International Journal of Epidemiology (2010年5月18日、2010:1-20)に掲載された最近の論文「脳腫瘍リスクと携帯電話使用の関係:国際的な症例対照研究であるインターフォン研究の結果」”Brain tumour risk in relation to mobile telephone use: results of the INTERPHONE international case-control study”では、潜在的には何十億もの命を危険さらす可能性のある、何千億円もの金を動かしている製品が科学の対象とされたのだが、いかに資金が提供され、研究が実施され、査読がなされ、そして報告されるのか、というに点で欠陥を免れなかったことがはっきりと見て取れる。
13カ国の科学者を集め、莫大な資金(2500万ドル)を使い、これまでに行われた最大規模(5111の脳腫瘍症例)で携帯電話の使用と脳腫瘍の関係を調べたインターフォン研究は、当初から欠点をかかえていた。不都合な結果は最小限に留められるように実験計画が立てられたにも関わらず、不都合な結果が報告された。側頭葉の脳腫瘍のリスクが最も高くなる場合では、携帯電話を1640時間以上使用し、携帯電話をあてている側の頭に神経膠腫(脳内のグリア細胞が侵される脳腫瘍の一種)のリスクが40%増加した。言い換えれば、電磁波に長時間暴露していた人たちでは、ほとんどの脳腫瘍は電磁波を一番受けている脳のまさにその部分で発症していたということになる。著者達はこの結果をどう扱ったのだろうか? 彼らはこれをバイアスと誤差によるものとした。なぜだろうか?
不都合な結果が最小限に留められるように仕立てられた実験計画
1)この研究では「通常の携帯電話使用」を「6ヶ月間の毎週一回以上電話をすること」と定義している。一週間に一本以上のタバコを吸う人は果たして肺ガンになると予測されるだろうか? 電話使用回数を低く(半年で24回以上)設定することによって、携帯電話の影響力を弱く見せ、”影響無し”という結果に有利になるようにしている。
2)コードレスフォンを使用している人も実質的には同じ電磁波に暴露しているが、この研究ではその暴露はないものとみなされている。タバコで類比して述べると、一種類のタバコのみを吸う人と、多種類を吸う人を比べる際に、多種類を吸うグループが”非喫煙者”とされているようなものである。これもまた”影響無し”という結果に都合のよいことになる。私たちがここで知っておかねばならないのは、携帯電話(コードレス電話も含めて)を使用しない人でも、周囲の使用者、近隣の基地局アンテナ、最近では無線LANルーターや都市全体に広がっているWiFiなど、さまざまな電波にさらされる機会がますます増えているという事実だ。したがって私たちが電磁波曝露でできるのは、タバコで喫煙者と受動喫煙者とを比較するのに相当するような比較でしかない。このこともやはりマイクロ波の実際のリスクを過小評価することになる。
 
以上の1)と2)の二つのバイアスの影響力があまりにも強かったため、インターフォンでは「携帯電話は脳腫瘍を防ぐことが出来る」といった最終結果が出てしまったのだ。
3)脳腫瘍は成人の場合、10年以上の期間をかけて発達するが、この研究では10年以上携帯電話を使用していた対象人はごく一部(10%以下)である。4、5年で肺ガンが見つかるとは予期されないように、脳腫瘍も短期間の携帯電磁波の暴露者から見つけるのは困難だと考えられる。
4)対象者は30歳~59歳までという年齢制限があり、大人よりも影響の出やすい若年層は、外されてしまっている。この欠点については、若い使用者を対象とした他の新しい研究でも指摘されている。
このような実験上の欠陥や研究計画段階でのバイアスは、見つけることも改めることもできたはずなのだが、そうならなかった。なぜなのだろう?
なぜこの分野の一流の科学者たちがこのような間違いを起こしてしまったのか? インターフォン研究の資金の一部は、まさにその研究の対象となった製品を生産している産業界から集められたわけだが、その資金的誘惑のためなのだろうか? International Journal of Epidemiology に掲載されているこの論文は、実験計画に多くの欠点があるため、ピアレビューを行う雑誌の論文としては掲載が認められるべきではなかっただろう。はっきり言えば、査読者はこの論文を拒否するか、もしくは大々的な改訂無しには出版を容認できないと忠告するべきだったのである。ここから分かるように、私たちが科学の分野でとても重きを置いているピアレビューシステムにも根深い問題があることが明らかであるが、これはその一例にすぎない。
インターフォン研究は、資金の出所(25%が無線通信業界から提供されていた)が出版物の結果に影響する可能性があることを示している。これは再三再四(マイクロ波、タバコなどを含む環境有害物質で)明らかになっているので、この研究だけがそれを免れていると期待することはできない。実際、著者の中には、利益相反や、研究資金の供与の範囲を超える業界との関わりもあったと認めている者もいる。
不完全な実験計画から生まれる結果は不確実なものとなる。インターフォン研究の二つの主要な結果とは、「短期間の携帯電話の使用によって脳腫瘍のリスクが低下する」「長期間の使用によって神経膠腫のリスクが増加する」である。そして著者達はこれをバイアスと誤差によるものとしている!
また、原論文に関連する付録1と付録2が同じ雑誌に別々に掲載されているが、これらが原論文に組み込まれなかったのはなぜか? それは、この二つの付録では2種類の脳腫瘍のリスクレベルが原論文よりも高くなることが示されているのからなのか?
付録1:インターフォン研究の原論文では、携帯電話使用によって髄膜腫のリスクは下がる、もしくは無いと述べているが、付録1ではデジタル携帯電話を1640時間以上使用した場合は84%の髄膜腫のリスクの増加、そして、デジタルとアナログ携帯電話の両方を使ったか、またどちらを使ったか不明だった場合は343%の髄膜腫のリスクの増加と示されている!
付録2:「リスクを減らす方向に偏らせるバイアス」を「訂正する」試みとして付録2と題された短い論文が同じ号に別枠で掲載されている。この付録2では、2年以下の「通常の使用者」とより長期間の使者用者とを比較している。
付録2の表には困惑を招くような結果が記されている。統計では携帯電話をたった2~4年間使用した場合でも神経膠腫のリスクが68%だけ統計的に有意に増加し、また、10年以上の使用の場合はそれが118%の増加となることが示されている。原論文の暴露区分では、神経膠腫のリスクが減少すると述べてあった! この表のハイライトされたコメントのある部分を見て欲しい。実際に、原論文では1640時間以上の携帯使用者の神経膠腫のリスクが40%増加すると記されているが、「通常の携帯電話使用者」と比べると82%の増加が見られることになる。
table.pdf
私たちはここから何を学ぶことができるのだろうか?
科学者がどんなに客観的であろうとしても、資金によって結果が影響を受けることがある、ということが学べる。
次に、大きければ良いというわけではないことが分かる。2500万ドルというお金が、携帯電話の生物影響を確かめることのできる様々な領域の独立した科学者たちに渡っていれば、インターフォン研究より遥かに進んだ結果が望めただろう。
また、欠陥のある実験計画から生まれる結果は不確実だということも学べる。この研究を行った研究者でさえ、この結果は確定的ではなく信頼度が低いと主張している(その結果がバイアスと誤差のために生じたと述べているのだから。)
そして、基準値を設定したり政策を決めたりするには妥協が必要だが、科学研究に妥協があってはならないということだ。科学は委員会で決めるものではない。つまり合意や妥協の余地はない。多数派が正しいとは限らないことは、様々な科学分野での多くの事例で示されている。
私はこのインターフォン研究の報告とその研究に参加した研究者たちのインタビューを読む中で、彼らが研究中に苛立ちを感じただろうこと、そしてなぜこの論文を作り上げるのにこれほどまで時間がかかったのかが分かった。私は関係者の中には、この結果にひどくがっかりし、困惑している人さえいるのではないかと思う。インターフォン研究の統括責任者であるエリザベス・カーディスElizabeth Cardisは「もっとしっかりした結論が出るまでは、電磁波暴露を減らすようにするのが妥当だろう」と述べているが、これは聡明なコメントであり、誰もが心に留めておくべきだろう。
カーディスは、唾液腺腫が10年の潜伏期間を経て、携帯電話を使用した側においてその発症率が増加することを示した論文の共著者である。彼女は現在、Mobi-Kidsという若者の携帯使用者に関する研究に取り組んでいる。この新しい研究でインターフォン研究の欠点を訂正し、信頼できる結果を生み出して欲しいと思う。
科学の進歩の多くは、好奇心を抱いて真実に迫ろうと、外的な世界の何らかの事象に可能な限り接近していくことから生み出されてきた。それは、予想外の結果に偶然出くわした時、今までの概念に縛られない人にしかできないことだ。事実、このような予想外の結果が私たちの科学の理解を深め、このような予想外のことの価値を知る者こそが、”発明”をなして名をあげるのである。
トーマス・クーンはこの過程を描いて、パラダイムシフトとして名付けた。科学には時としてこのような革命的な変化が起きるものだということを私たちは知っている。これ以上は否定することができないくらいに証拠が出そろわない限り、真実は受け入れられないことが多いのだ。
非電離放射線(電磁波)の生物影響について言えば、私たちは今パラダイムシフトのまっただ中にいる。非電離放射線が加熱を伴わないで生物影響を生じることの証拠は今や圧倒的になっている。古い”学派”が新しい学派にとって替わられるのは時間の問題で、もしそうなれば、電磁波の有害な効果と、治癒的な効果の両方において私たちの理解は急速に進むだろう。より安全な技術への移行や公衆衛生防護のためのガイドラインの改善の動きも見られるようになるだろうと期待したい。
そしてこれを100年以内でなく10年以内に実現するには、非電離放射線(電磁波)の生物影響の研究に対して、独立した立場からの資金提供が必要だ。研究に使われる資金は、医療費が節約でき、電磁波過敏症を患う人への障がい補償が実現し、職場や学校にいる人々の生活が改善されることで、幾度となく報われることになるだろう。■



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電磁波過敏症を認めたWHO

2019-05-17 17:41:00 | 思想、哲学、宇宙論
https://rad-horizon.net/truth-of-radiation/687-electromagnetic-wave-hypersensitivity-who

電磁波過敏症のWHO見解
カテゴリ: 放射線の真実 作成日:2015年09月14日(月)09:51 投稿者: Hiroyuki
現代社会で携帯、スマホ、WiFiによる小電力電波機器の恩恵は計り知れないものがある。しかし一方で「電磁波過敏症」を訴える反対運動も世界中に増えている。近年の携帯基地局の増設により「電磁波過敏症」の住民の訴訟問題も起きている。このほどこの微小電力電波と健康被害に関してWHOが見解を公表した。



確かに携帯やWiFi電波の一部の周波数(2.4GHz帯)は電子レンジ(2.5GHz)と同じマイクロ波で、体内の極性分子(水)の熱運動を増大させる。厳密にはマイクロ波エネルギーを吸収すれば体温が上がることは否定できない。簡単な実験として電波を吸収する材料でWiFiルーターを囲んでみればよい。数分で温度上昇が確認できるし、接近しておけば焦げ臭い。



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Photo: avivopur



WHOの指針では「電磁波過敏症」はPC端末画面による視覚障害と同じように「現代病」であるというもの。実はPCや端末からも電磁波が漏れている。電磁波が健康に与える問題は、視覚障害やメーカー工場の環境汚染と重なって現代社会に悪影響を及ぼしている、ことが認知された、ことは大きな意味を持つ。

ところでWiFiの仕様は2.4GHz帯と5GHz帯の両方のアンテナを備えているものが多い。しかし不思議なことにいずれの周波数帯についても最大出力が仕様に公開されていない。電波法により10mW以下に抑える中で限界まで高めているのだろうか。

ちなみに2010年に電波法は改正され免許なしで最大出力が1,000mWに引き上げられたが、WiFiルーターはそれに含まれないとされる。しかし公表されていない以上、実際の出力が特に「ハイパワーモデル」で10mW以下であるかどうかはわからない。また市場には安価でハイパワーを謳う外国製品も溢れているが出力は不明である。



一方、脳に与える影響は体温上昇だけでなく、腫瘍をつくりだし癌細胞の発生につながるという報告もあった。しかしこれまで公的機関は「電磁波過敏症」の認知しなかった。携帯会社やWiFiルーターメーカーの営業に障害となるからである。下の図は携帯使用後に脳の代謝活動が局所的に携帯電波の影響を受けることを示している。



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Photo: Greenswan



しかしWHOが「電磁波過敏症」が存在し、「現代病」であることを認め、「現代病認定」を行った。WHOが現代病と認定したのは症状を訴える人々の数が無視できない数となったためである。飛び交うマイクロ波電波と症状の因果関係が明確で、巨大企業が人体に与える悪影響を会社の利益のために犠牲にした、ことを認めている。

現実的には携帯基地局、WiFiルーターの増大に歯止めをかけることは困難であるので、出力を下げ端末の感度を上げることや。電磁波障害のないLiFiに切り替えるなどの措置が将来は必要となるだろう。










次の記事を紹介いたします。原文は、EMFacts Consultancyという電磁波問題に関するブログに2012年1月17日に掲載された、
Electromagnetic intolerance elucidated
という記事です。 
【要約紹介:森川浩司】
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解明された電磁不耐症(過敏症)
世界保健機関(WHO)は2005年に電磁波過敏症は心の問題だと断定した。
しかしフランスのがん専門医Belpomme博士(フランスがん治療研究協会会長)らの最近の研究によれば「電磁波過敏症は心の問題ではないとはっきりと言える」。「例えば、電磁波によって脳の中の血液に対する障壁が開かれてしまい、その結果、水銀、有機塩素物などの汚染物質が脳内に入ってきて神経変性病を引き起こすのです」。Belpomme博士らの研究チームは既に450人の患者を診てきており、患者は1週間当たり20人ずつ増える勢いだと言う。「これは重大な公衆衛生上の問題です」。
電磁波過敏症とは、電磁波に対する軽度の暴露において体が過度に反応する状態のこと。その電磁波源としては、50/60ヘルツの電磁波を発する電源ケーブル(電線)や電子機器に加えて、(電子レンジの周波数を含む)10メガ(1000万)ヘルツから 300ギガ(3000億)ヘルツのワイヤレス機器やアンテナも含まれる。
スウェーデンの皮膚科医で電磁波過敏症に詳しいJohannsonによれば、スウェーデンでは電磁波過敏症は治療対象の病気とはみなされておらず、機能障害のひとつとして扱われている。したがってスウェーデンでは、電磁波過敏症の人は障害を持つ人としての社会的な対応を受けるという。電磁波過敏症の人は神経科を紹介されることも多いが、Belpomme博士ら電磁波過敏症の専門家によれば、対処法はとにかく電磁波の暴露を少なくする、あるいは、なくすことだと言う。
Belpomme博士らは、血液検査と脳内の血流を可視化する特別な脳スキャンによる診断法を開発した。Belpomme博士によれば、電磁波過敏症の人の半数は多種化学物質過敏症であり、電磁波過敏症と多種化学物質過敏症が示す脳の異常は同様のものだと言う。
汚染物質に対する反応は3つに分かれるとBelpomme博士は言う。1つめは不耐症(過敏症)。「人はひとりひとり違うのです。例えば、人口の30%は発がんリスクを抱えているように」。
2つめは遺伝要因などの感受性要因。遺伝要因以外の感受性要因も考えられて「例えば歯のアマルガムが放送電波を拾うアンテナの働きをしたように」とBelpomme博士は言う。
3つめは電磁波過敏症で、症状は2段階で現れると言う。最初は、毎日20分間携帯電話で話をするというように、特定の周波数に対する強度のあるいは慢性の暴露によって耳の中に痛みを感じたり、熱くなっている感じがしたり。その次の段階であらゆる周波数に対して耐えられなくなり、病気が始まるのだと言う。
フランスでは推計で人口の5%が電磁波過敏症だと考えられているが、ワイヤレス技術の広がりにともない、今後はもっと増えると考えられている。「携帯電話の長期にわたる利用で多発性硬化症になった症例が2つあります。乳がんになった症例が3つありますが、そのうちの2つは電磁波への暴露で再発しましたし、もう1例はコンピューターの利用と関係しているようです。がんよりもリスクが高い自閉症やアルツハイマー病の事例証拠もあります。電磁波との因果関係は極めて高いでしょう。」Belpomme博士によれば、投薬治療によって脳の開いた障壁を閉じて電磁波過敏症が緩和したケースもあったという。
世界保健機関(WHO)は2005年に「電磁波過敏症」と題した報告書において「厳密に管理された二重盲検法によって、症例は電磁波とは相関は認められなかった。… 症状は確かにあるが人によってバラバラで… 医学上の病気とは言えない」と述べた。加えて医者の言葉を引用し、電磁波過敏症を訴える人に必要なのは電磁波の暴露を減らすことではなく、家や職場の環境の何が症状と関係しているのかを突き止めることだとした。
これに対してBelpomme博士は「ばかげている。科学の進歩とは何の関係もない、ただの政治の話だ。WHOはそのうち報告を訂正することになるだろう」と言い、「電磁波への暴露と白血病との因果関係は疑いようが無い。数々のインビトロ試験や動物実験で確かめられている」と反論している。
トレント大学の研究者Havasによれば、電磁波過敏症に否定的な結論を出している研究はバイアスがかかっていると言う。「そういった研究者は、電磁波に対する反応は即座に現れると思っていますが、時間差はしばしばあるのです。人間はパチパチとオンオフするスイッチではありません。否定的な研究では、何も感じなければ害は何もないと言わんばかりです。砒素・鉛・DDT・アスベストは味はしませんが、有毒ですよね。」■






北條祥子さんら早大グループ 電磁波過敏症の診療と研究に役立つ問診票を作成

2016/11/9


海外論文誌に掲載

研究グループ代表の北條祥子さん
研究グループ代表の北條祥子さん

 北條祥子尚絅学院大学名誉教授(環境医学)が代表を務める早稲田大学応用脳科学研究所「生活環境と健康研究会」の疫学グループによる「日本人のための電磁波過敏症に関する調査用問診票の作成とその評価」と題した論文が、海外の査読付き論文誌に掲載されました。また、宮城県の地方紙・河北新報に記事(次頁)が掲載され、会員からこの論文の内容の概要を会報で紹介してほしいとの声が多く寄せられました。
 そこで、当会事務局員の網代が仙台市へ出向き、北條さんから論文内容の詳細と「なぜこの研究にとりくむことにしたか?」「今後の課題は何か?」などをお聞きした上で、網代なりに理解できた範囲で、会員の皆様にもわかりやすく概要をまとめたものを以下にご紹介します。
 なお、北條さんは、長年、厚生労働省の研究班の一員として、米国のミラー(Miller)らが開発し、多くの国で化学物質過敏症(MCS)用問診票として使用されているQEESI問診票(クイージー問診票、以下QEESIと省略)の日本語訳版を作成し、それを用いた多くの疫学研究結果を査読のある国内外の学術誌に掲載してこられた疫学が専門の研究者です。
 この論文は日本の電磁波過敏症(EHS)に苦しむ人の実情を明らかにし、EHSに対する認知度を高め、医療現場では、MCSとEHSとの関係、EHSの診断・治療法の開発にも役立つ第一歩ともいえるたいへん意義深い研究成果と言えますので、ここにご紹介する次第です。
 以下に、日本語で論文の概要をご紹介いたしますが、以下に掲載するのは原論文(英文)の精緻な日本語訳ではなく、網代が一般の方々向けに要約したものを、北條さんのご了解のもとに掲載させていただくものです。図表は北條さんからご提供いただきました。
 なお、原論文全文は、通常は要約しか無料でみられませんが、北條さんが自分でお金を払い、以下のURLから、全文を無料でだれでもダウンロードできるようにしてくださっておりますのでご覧ください。また、実際の日本語版EHS問診票は、『臨床環境医学』12月号の北條さん執筆の総説で全文公開されるそうですので、それをご覧ください。【網代太郎】
 原論文 Hojo S et al.2016. Development and evaluation of an electromagnetic hypersensitivity questionnaire for Japanese people. Bioelectromagnetics 37:353-372


北條さんらの論文を紹介した『河北新報』2016年8月28日付
北條さんらの論文を紹介した『河北新報』2016年8月28日付

論文の概要の紹介

1 はじめに
 電磁場(EMFs)の人体に与える影響については50年以上の研究の蓄積があり、これらの科学的知見を基に、国際非電離放射線防御委員会(ICNIRP)は短期曝露の熱作用・刺激作用を考慮した安全基準を策定しています。電磁過敏症(Electromagnetic hypersensitivity、EHS)は、別名、電磁不耐症(Idiopathic environmental intolerance、IEI-EMFs)とも呼ばれ、上記ICNIRPの安全基準値よりずっと微弱な電磁場曝露により多彩な非特異的多臓器障害を起こす健康障害の総称ですが、EMFs曝露と症状発現との因果関係は不明で科学的に不確実なことが多いです。例えば、WHOのファクトシート296(電磁過敏症)の中には、以下のように記載されています。「EHSは様々な非特異的症状が特徴であり、悩まされている人々はそれを電磁界へのばく露が原因と考えています。最も一般的な症状は、皮膚症状(発赤、チクチク感、灼熱感)、神経衰弱性および自律神経性の症状(疲労、疲労感、集中困難、めまい、吐き気、動悸、消化不良)などです。症状全体は、承認されているどの症候群の一部でもありません。…EHSは、多重化学物質過敏状態(化学物質過敏症、MCS)、即ち化学物質への低レベル環境ばく露に関する障害、とよく似ています。EHSもMCSも、明らかな毒性学的または生理学的根拠、または独立した検証がない一連の非特異的症状が特徴です。…」
 筆者らは、長年、QEESI問診票を用いて日本のMCS患者の疫学調査を行ってきました。その中で、MCS患者の多くは電磁過敏症状も訴えることを経験し、MCS患者の電磁過敏症状を評価するための問診票を探していました。そんな時に出会ったのが英国のEltiti(エルティティ)博士らが電磁過敏症状を評価するために開発したEHS問診票です。この問診票の特徴は多くの問診票が2択(はい、いいえ)で質問するのに対し、5択[(全然ない(0点)、少しある(1点)、まあまあある(2点)、かなりある(3点)、非常にある(4点)]で質問するため、統計学的解析をしやすく、また異なった研究者間の相互比較もしやすいです。そこで、筆者らはEltiti博士の承認を得て、上記Eltiti問診票を日本人の生活スタイルに適したように改変し、さらに日本独自の質問(THI抑うつ尺度など)を追加した日本語版EHS問診票を作成しました。
 本研究の目的は、1)まず、日本語版EHS問診票の信頼性と妥当性を確認した上で、2)日本のEHS者の自覚症状や電磁過敏反応の特徴を明らかにする、3)日本のEHS者が症状発現要因と推定している電磁場発生源が何かを明らかにする、4)EHSと既知の慢性疾患(診断基準のある疾患)との関係を検討する、そして、5)日本のEHS者がどんなことに苦しんでいるかを解析する、最後に、6)本調査結果を基に、日本の一般人から電磁過敏者を選び出すための暫定基準値(簡易)を提案することです。

2.調査方法
2-1.日本語訳版EHS問診票の質問項目
 質問項目はEltiti博士らの原文を忠実に和訳しました。ただし、和訳の際は石川哲医師、宮田幹夫医師、坂部貢医師、水城まさみ医師、辻内琢也医師などの専門医に相談して、日本人が質問の意味を理解できるような文章に改定しました。また、さらに日本人の特徴を解析しやすくするような日本独自の項目も追加しました。以下にその詳細を示します。
(1)個人特性:解析に必要な情報
 年齢、性別、住所(都道府県市町村名)、仕事内容(①フルタイム勤務、②パートタイム勤務、③主婦、④無職、⑤学生)、最終学歴(①中卒、②高卒、③短大・専門学校卒、④大学卒、⑤大学院以上卒)、一日平均労働時間(家事労働時間・学習時間も含む)。
(2)症状および症状の要因と推定される電磁場発生源
 A.症状(q1-q57):57の症状について、「ここ1~2週間、以下のような症状がどのくらいありますか」と質問し、0(全然ない)、1(少しある)、2(まあまあある)、3(かなりある)、4(非常にある)の5段階の中から、自分に近いと思われる数字に○をつけてもらいました。
 B.症状の要因と推定される電磁波発生源(q58-q66):Eltitiらのものと同じ9種類の電磁場発生源(パソコン、家電製品、蛍光灯、電子レンジ、携帯電話、高圧送電線、ラジオ・テレビ塔、携帯電話基地局、テレビ)が上記57の症状と関連があると思うかについて、5段階[0(全然ない)、1(少しある)、2(まあまあある)、3(かなりある)、4(非常にある)]の中から○をつけてもらいました。また、「家電製品」の場合は、下に具体的な家電製品名を記載してもらいました。また、上記9種類以外に、症状発現要因と推測される電磁波発生源がある場合は、それらを空欄に具体的に記載してもらいました。
 C.電磁場による過敏反応(q67―q71):q67「現在、あなたは電磁波を発生するもの(例えば、テレビやパソコン、携帯電話など)に対して過敏だと感じることがありますか?」、q68では「あなたが電磁波を発生するものに過敏だと感じる場合、どのような電磁波発生源でどのような症状がでるかを具体的に記載して下さい」。q69では「あなたは今までに、強い電気反応(例えば、電源を切る時や、電球・アイロン・電気柵などに触れ、痛みを伴うほどビリッと感じるなど)の経験がありますか?」、q70「現在、あなたが静電気反応(例えば、金属や車のドアなで)でビリっと感じる頻度は?」、q71「電磁波を発生するものの近くに寄ると、体調が悪くなることがありますか?」を質問しました。q68は自由記載。q69は2択。それ以外は5択(0-4点)の質問。
(3)一般的な健康状態
 D1「現在、あなたはどの程度幸せだと感じていますか」、D2「現在、あなたの健康状態は、全体的にいかがですか」はEltitiらのものと同じです。ただし、D3睡眠については、Eltitiらのものと同じ「あなたは一晩寝ると疲れが取れますか?」の他に、日本独自の質問として、D3-2一日の睡眠時間の平均値、D3-3睡眠障害についての項目を追加しました。また、D4慢性疾患の有無、D5日本独自の項目として、日本人の健康調査に頻用される「東大式健康調査票抑うつ尺度(THI-D)」(10項目)を追加しました。
(4)医師に診断されたことがある慢性疾患(現在・過去)
 EHSと他の慢性疾患の関係を検討するために、日本独自の質問項目として、具体的な慢性疾患名[生活習慣病(糖尿病、高血圧、心臓病、脳卒中、高脂血症、肥満、がん、歯周病、動脈硬化)]、[アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、じんましん、片頭痛、花粉症、食物アレルギー、その他のアレルギー)]、[過敏症(シックハウス症候群、化学物質過敏症、電磁過敏症)、その他の慢性疾患(自律神経失調症、更年期障害、心身症、うつ病、不安症、適応障害、パニック障害、統合失調症、免疫異常疾患)]、その他の全32の慢性疾患名を挙げて、現在通院・加療中のものに◎印を、過去に診断されたことがあるものに○印を付けるよう求める質問項目を追加しました。
(5)すでにEHSを発症した経験がある方への質問
 巻末に、「すでにEHSを発症した経験がある方への質問です」として、発症の引き金になったと推定される経験と症状の推移を次の6択(①シックハウス症候群→化学物質過敏症→電磁過敏症、②化学物質過敏症→電磁過敏症、③両方の症状があるがどちらが先かは不明、④電磁過敏症→化学物質過敏症、⑤電磁過敏症の症状のみ、⑥化学物質過敏症のみ)で質問しました。さらに自由記入欄を設け、発症した方が日ごろ直面している苦労などを具体的に記載してもらいました。

2-2.調査期間
 2009~2015年(予備調査期間も含む)。

2-3.調査対象
 EHS(医療機関の診断を受けていない自己申告EHS者)群は、二つのEHS自助グループに調査依頼文を送り、協力者を募集し、協力者には事務局から問診票と回収用封筒を同封して郵送し、記入問診票は郵送にて事務局まで送ってもらいました。一方、対照(「一般人」)は、早稲田研究グループの先生方を通して、知人、地域団体(町内会、NPO)および所属学会のメーリングリストや機関誌で協力者を募集しました。協力者には事務局から問診票と回収用封筒を送り、記入問診票は郵送で送ってもらいました。

2-4.統計解析
 「SPSS ver21」というソフトウェアを使用して統計解析をしました。

2-5.倫理的配慮
 この調査は、大分大学医学部倫理委員会、(独)国立病院機構盛岡病院および(独)国立病院機構相模原病院の3つの倫理委員会の承認を経て実施しました。

3.調査結果と考察
3-1.有効回答
 一般人群は2,000人問診票を郵送して、32都道府県に在住する1,320人から回収されました。年齢、性別と、その他の項目9割以上に回答したものを有効回答としました。その結果、一般人群の有効回答は1,306人でした。一方、EHS群は165人に問診票を送り、128人から回収され、有効回答は127人でした(1人はMCSのみで、EHSは発症していなかったので除外しました)。

3-2.一般人群とEHS群の個人特性の比較
 一般人群とEHS群の個人特性を比較しました。有意差があったものは平均労働時間で、一般人群の8.21時間に比べて、EHS群は6.52時間と統計学的有意に短かかったです。また、EHS群は、対照群と比べて、フルタイム労働者が有意に少なく、無職者が有意に多かったです。居住地域、最終学歴には有意な違いはありませんでした。これらの結果はEHSを発症した人は体調不良のためフルタイム労働ができないという欧米の報告と一致しています。

3-3.問診票の信頼性の確認
 問診票の信頼性は、上記の一般人群とは別の一般人173人(NPOメンバー65人、学生121人)に、1~2週間の間隔で同じ問診票に回答してもらい、2回の回答の一致性を統計学的に比較しました。すなわち、同じ人が(状況に変化がなければ)同じように回答をしたことから、問診票の信頼性は確認できました。

3-4.日本のEHS者の主な症状
 Eltitiらと同じように一般人群の症状57項目得点を、8因子主成分分析という方法を用いて分析した結果を示したのが表1です。第1主成分には中枢神経症状10項目(ゆううつ、集中困難、注意欠如など)が、第2主成分に皮膚症状8項目(皮膚過敏、発赤など)が、第3主成分に頭部症状7項目(鈍頭痛、片頭痛など)が選ばれました。これらの症状はEltitiらが報告している英国人やWHOのファクトシートに記載されている主な症状とも一致しています。そこで、日本のEHS者の症状も欧米のEHS者の症状と同様に、これら8つの主な症状で説明できることがわかりました。


3-5.問診票の妥当性の確認
 EHS群127人と性別及び年齢を適合させた対照群127人の問診票得点をいろいろな統計学手法を用いて比較しました。その一例として、「ロジスティック回帰分析」という統計学的分析を行った結果(英語論文のTable7を網代が日本語訳)を示したのが表2です。一日の平均睡眠時間以外は、EHS群は対処群と比べ有意に得点が高いことがわかります。例えば、Ⅱ―2電磁場発生源では、EHS群の得点は一般人群の得点と比べ、家電製品が4.29倍、携帯電話基地局が3.87倍、蛍光灯が3.60倍得点が高いことを示しています。すなわち、オッズ比の大きい項目ほどEHS者と一般人を識別する能力が高い項目といえます。


3-6.EHS群が症状発現要因と推定している電磁場発生源(図1a,b)
 q68「あなたが電磁波を発生するものに過敏だと感じる場合、どのような電磁波発生源でどのような症状がでるかを具体的に記載して下さい」に具体的に記載してくれた内容(複数回答)をまとめたのが図1ab(英文論文Fig.2abを和訳)です。最も多くの人が記載していたのは家電製品(76人)、次いで携帯電話(74人)、パソコン(53人)、携帯電話基地局(39人)の順でした。「家電製品」の内訳を示したのが図1bです。多い順に冷蔵庫・冷凍庫(33人)、掃除機(24人)、エアコン(18人)、乾燥機付き洗濯機(16人)…でした。図1aの9種類は英国と全く同じですので、日英のEHS者が自分の症状要因と推定している電磁場発生源は日英で一致していると言えます。さらに、上記9種類以外に、日本のEHS者が症状発現要因と考えている電磁場発生源を調べた結果、次の3種類が多かったです。すなわち、(1)75人(63.6%)が乗り物[内訳:自動車とバス(28.8%)、列車(21.2%)、新幹線(3.4%)、地下鉄(3.4%)]を、(2)61人(53.4%)が携帯電話以外の電気通信装置[内訳:無線LAN(22.9%)、固定電話(15.3%)、セキュリティーセンサー(12.7%)、ワイファイを使っている装置(7.6%)]を、(3)9人(7.6%)が、医療機器[内訳:MRI(2.5%)、低周波の電磁場を発散する医療計測器(1.7%)、エックス線(0.8%)、歯科装置(0.8%)、骨密度測定装置(0.8%)]が症状発現要因だと記載していました。そこで、筆者らは、今後の実態調査には、9種類に追加して、これらの3種類についても質問すべきだと考えます。


3-7.医師に診断されたことがある慢性疾患
 日本独自の追加項目の「医師に診断されたことがある慢性疾患(現在・過去)」の回答を一般人群とEHS群間で比較した結果を英文論文ではTable10に示しています。その結果を概要すると、現在治療中で有意差があったのが自律神経失調症と他のアレルギー症状でした。また、過去に診断されたことがある疾患では、EHS群は一般人群と比べ、自律神経失調症、アレルギー鼻炎、アレルギー結膜炎、じんましん、花粉症、食物アレルギー、他のアレルギーの割合が有意に高いことが注目されました。糖尿病、高血圧、心臓病、偏頭痛、アトピー性皮膚炎、気管支喘息と診断された人の割合には両群間で有意差はありませんでした。一般的に、アレルギー症状とシックハウス症候群(SHS)・MCS・EHSは密接な関係があることは知られておりますが、具体的報告は少ないです。本論文はMCS・EHSをアレルギー疾患別に解析した世界的にも貴重なデータだと考えます。今後、アレルギー患者にもこの問診票を記載してもらい、MCS/EHS者とアレルギー患者の症状や化学物質過敏反応や電磁過敏を比較していきたいと考えています。

3-8.EHS者の症状の推移
 EHS者が症状の推移に記載してくれた結果を図にまとめたのが図2(英文論文Fig.3の日本語訳)です。最も多かったのがSHS→MCS→EHS(32.4%)、次いでMCS→EHS(21.30%)、EHSのみ(18.52%)、EHS→MCS(14.81%)、MCSとEHSの症状はあるが、どちらが先か不明(12.96%)の順でした。EHSのみ(18.52%)以外の81.4%の人はMCS症状とEHS症状を合わせ持つと回答していることが注目されました。この結果はウィリアム・レイらの「EHS患者の80%以上がMCSを訴えた」という報告と一致しております。筆者らはEHSの病態解明のためには、今後は、このEHS問診票とMCS用のQEESI問診票を併用した調査が不可欠だと考えます。


3-9.EHS者が巻末の自由記入欄に記載してくれた内容のまとめ
 最も多くの方が記載していたのは、1)病気による離職に伴う経済難、2)一般的医師や周りの人々がEHSという健康障害について無理解による苦悩でした。例えば、病院を受診しても、MCSやEHSに関する知識のある医師がおらず、別の病名(アレルギー、自律神経失調症、うつ病、統合失調症、不安症など)と診断され投薬治療を受けたが、症状が良くならないばかりか悪化してしまい、数回以上医者を変えた経験、特に、精神障害と診断され、家族関係にも支障が出たことが最もつらいと記載している方が多いことが注目されました。

3-10.EHS者と一般人を識別する簡易版暫定的な基準値の提案
 Eltitiらと同じ方法で、「EHS者と一般人を識別する暫定的な基準値」を設定しました。すなわち、暫定基準は次の3条件をすべて満足する人、①症状合計得点が一般人群の75パーセンタイル*(47点)以上、かつ、②q67「現在、あなたは電磁波を発生するもの(例えば、テレビやパソコン、携帯電話など)に対して過敏だと感じることがありますか」が1点以上、かつ、③q68「あなたが電磁波を発生するものに過敏だと感じる場合、どのような電磁波発生源でどのような症状が出るかを具体的に記載して下さい」に2つ以上きちんと明記している人です。
 これらの暫定基準値を満足した人はEHS群で82人(64.6%)、対照群で60人(4.69%)おりました。これらの結果を総合すると、日本人の3.0%(60/2000(一般人への調査票送付数))~4.6%(60/1306(一般人群の数))が、EHS者と同程度の症状を示す可能性があるので、専門医を受診し、他の慢性疾患で症状が出ている可能性などをきちんと見てもらい適切な治療をしてもらうことを勧めたいです。
 しかし、EHS者が自由記載欄に記入しているように日本の一般医師の中にはMCSやEHSに対して知識がある医師が非常に少ないのが実態です。日本ではEHSに対する認知度が低く、家族にも理解されず苦労している方が多くおられます。筆者らは、この問診票は日本のEHSに対する認知度を高めるためにもこの問診票は有効だと考えます。
*パーセンタイル データを小さい順に並べたとき、何パーセント目の順番かを示す数値。データが全部で100個の場合は、小さい順で75番目のデータが75パーセンタイルになる。

4.今後の課題
 2011年に発行された「欧州科学技術研究協力機構(COST)のファクトシート-電磁界を原因と考える本態性環境不耐症(IEI-EMF)または“電磁過敏症”」の中では、以下のように記載されています。「電磁場曝露と症状出現の因果関係を示す科学的証拠がないため、電磁過敏症の診断基準はなく、これを医学的状態と認めたEU諸国は一つもありません。それはそれとして、電磁場がそのような不健康な状態の原因であるか否かとは関係なく、自分の症状の原因を電磁場と考える患者には真の医学的治療がぜひとも必要であることは広く合意されています。…自分は電磁場に過敏であると言う人は実際の症状を感じています。彼らの体調を改善するための努力をしなければなりません。特定の状況やその個人に合った方法がとられた時に最も効果があがります。したがって、そのような方法は人によって、国によって様々なものになるでしょう。一般的には、次の点を目当てに体系的アプローチをとることが勧められます。①情報を提供すること、②症状が初期段階にある人には援助を申し出ること。③症状が重篤で長期間続いている人には治療を行うこと。」
 この調査を通して、筆者らは日本でも、早急に体系的なアプローチを実施し始める時であると考えます。そしてこの問診票は①情報提供のための効果的なツールとして、②初期段階の症状の患者のためには、生活環境改善の評価のためのツールとして、さらに③重篤な症状の患者には、治療効果の評価に役立つと考えます。

5.結論
 日本語版EHS問診票は信頼性と妥当性が高く、日本の一般人からEHS者をスクリーニングするために有効です。また、この問診票は日本のEHS患者の実態を解明し、EHS症状を訴えている人々の治療効果および生活改善効果の評価にも役立ちます。さらに、異なる研究者によるEHSに関する調査結果の相互比較にも有効だと考えます。

北條さんインタビュー

 論文の代表著者である北條さんにインタビューさせていただいた内容を、以下にご紹介します。

日英の「一般人」の症状の違い
 --Eltitiらの研究で、対照群による症状の回答の総得点の75パーセンタイルが26点だったのに対して、今回の日本の研究でのそれは47点と大幅に高かったです。これは日本の「一般人」が英国の「一般人」よりも不健康であることを意味しますか?
 北條さん この結果だけでは、日本人が英国人より電磁場に過敏症状が重いとは言い切れません。なぜなら、英国で調査は2005年に行われており、現在の日本よりも生活環境中の電磁波発生源が少なかった可能性や、調査方法の違いによる可能性があるからです。今後、同じ問診票を使って調査を重ねて、欧米と日本の比較をしていきたいです。そのためにも世界共通の問診票は役立つのです。

EHS患者が自己申告であること
 --EHS患者が自己申告であることは、本研究の結果へ影響しますか?
 北條さん 自己申告であることは、診断基準がない疾患に関しては仕方がないことです。だからこそ、今後、さらに研究を進め、一刻も早くEHSの診断基準を設定することが急がれるのです。

アンケートの普及
 --この問診票を医療機関や研究者に普及させますか?
 北條さん はい。問診票を普及させることが医療従事者に対してEHSの認知度を高めることになりますので、ぜひ、普及させたいです。ただし、本調査でもEHSとMCSは密接に関係していることが確認されましたので、今後は、QEESI問診票とEHS問診票を合体させた問診票を普及させたいと考えています。

研究費について
 --これだけの大規模な研究だと研究費がかかったと思いますが?
 北條さん 残念ながら、科学研究費、助成金など申請したのですがダメだったので、研究費は北條の退職金を寄付した形でやっております。問診票の印刷・配布・回収・整理、データ入力、統計解析などを手伝う多くのアルバイトを雇用しましたので多大な費用がかかりました。今後、研究を続けるためには、公的研究費の獲得は不可欠です。公的研究費がつけば、このような論文になりにくいテーマに興味を持ち研究する若手研究者も出てくると思います。私は「電磁過敏症」は現代人なら誰がいつ発症してもおかしくない健康障害だと思います。また、4人の孫をもつおばあちゃん研究者としては、電磁場の子ども脳神経系への影響を一番危惧しております。子どもへの健康影響の研究は、公的研究費をつけて、早急に着手してほしいとが思います。
 公的研究費をつけてもらうためには、「もっと電磁場の健康影響に対する基礎的調査研究をしてほしい」という世論を大きくすることが大事だと思います。

今後の研究について
 --北條先生のご研究の今後の方針について教えてください。
 北條さん 私たちは今年6月に福島県郡山市で開かれた第25回臨床環境医学会学術集会で、QEESI問診票とEHS問診票を併用した三つの新しい研究成果を報告しました。これらの三つの研究を、早く査読のある国際学術雑誌に英文論文として発表することとを最優先にやっています。査読がある国際学会誌に英文論文として発表された研究しか認めてもらえないからです。また、このような論文になりにくい難しいテーマに取り組む優秀な若手研究者が増えることも大事です。英文論文執筆は集中しても1~2年かかるハードな仕事ですが、若手研究者に手伝ってもらいながら、72歳の老骨に鞭打ってやっております。ですから、電磁波問題市民研究会の皆様や患者さんの個別のご質問にお答えする物理的・精神的余裕がないことを、網代さんから皆さまにお伝え下さい。
 私は、電磁波問題市民研究会が、長年、機関誌を発行する等、地道な活動をしていることを大きく評価しており、この取材に応じました。皆様もこのような活動を続けることは大変でしょうが、私たち研究者のためにも、これからも、是非、がんばって活動を続けて下さいね。
 --ありがとうございました。

コメント

携帯基地局の放射に関する世界最大の研究が発ガンとの関係性を確認

2019-05-17 15:20:45 | 思想、哲学、宇宙論
https://indeep.jp/worlds-largest-study-on-cell-tower-confirms-cancer-link/


携帯基地局の放射に関する世界最大の研究が発ガンとの関係性を確認

イタリアのラマツィーニ研究所(環境毒性と発癌リスクを特定する研究を行う非営利団体)による研究と、アメリカ政府の研究が、それぞれにおいてスマートフォンを含む携帯電話の放射による発ガン性に関しての研究を報告し、それを受けて、科学者たちは、世界保健機構(WHO)国際がん研究機関(IARC)に、携帯電話の放射に関しての発ガン性を再評価することを呼びかけた。

環境毒性の研究で著名なラマッツィーニの研究者たちは、携帯基地局の環境レベルにさらされた実験動物による大規模な生涯研究(実験動物が自然死するまでのすべての経過を観察すること)の結果、携帯基地局レベルの放射はガンの発生を助長させると発表した。

米国国家毒性プログラム(NTP)も 2500万ドル( 27億円)の予算を投じて、同様の研究を行っており、その結果、携帯電話の無線周波数の高いレベルの放射を受けた雄ラットにおいて、心臓のシュワン細胞(末梢神経の構成細胞)由来の稀なガンが発見されたと報告した。

また、ラマツィーニ研究所による携帯基地局の放射においては、雌ラットでの悪性脳腫瘍(グリア細胞由来の腫瘍)の増加、および雄ラットおよび雌ラットの両方でのシュワン細胞肥厚を含む前ガン状態の増加が見出された。

調査結果を報じたイタリアのメディアによる「基地局の放射は非常に稀な腫瘍を引き起こす」という見出しの記事で、ラマツィーニ研究所の代表者であフィオレッラ・ベルポッギ(Fiorella Belpoggi)博士は、以下のように述べている。


「環境レベル(私たちの通常の生活の中での携帯の電波の放射と同じ程度という意味)の携帯の周波数に曝露されたラットのガン性腫瘍の所見は、携帯電話の放射に関する米国国家毒性プログラムの研究結果と一致しており、ラットの脳と心臓の同じタイプの腫瘍が、共に増加したことが報告されました」

「これらの研究は、ともに、WHO 国際がん研究機関(IARC)に、ヒトにおける携帯電波放射の発ガン性に関する結論を再評価、再分類するよう求める十分な証拠を提供しています」

ラマツィーニでの研究は、2448匹のラットたちに、出生前から自然死するまで、1日 19時間の「環境レベル」の放射を携帯基地局から暴露させ続けた。

ラマツィーニは、模擬基地局のアンテナから放射を曝露させたが、その曝露レベルは、米国国家毒性プログラムの携帯電話放射に使用されたレベルよりはるかに低いレベルの放射だった。

毒物学者であり、アメリカ国立衛生研究所の元上科学メンバーだったロナルド・メルニック博士(Ronald Melnick Ph.D)は、このラマツィーニの研究発表を受け、以下のように述べている。


「ラマツィーニの研究で使用された携帯電波の放射への曝露レベルはアメリカ連邦通信委員会(FCC)の規制値以下のレベルでした。つまり、ラマツィーニでの実験で使われた携帯の放射は、連邦通信委員から許容されるレベルなのです」

「言い換えれば、(アメリカでは)人々は、このレベルの携帯基地局の放射は合法だということです。しかし、この法的に許容されるレベルの放射でラマツィーニの実験では、動物たちにガンの増加が見られたのです」

「この研究は、米国国家毒性プログラムの報告の結果とも一致しています。これらの有害な被ばくからアメリカ国民を守るために、政府は規制を強化する必要があると考えます」

また、このふたつの研究報告の後、世界中の著名な医学者たちから、携帯基地局に対しての懸念の声が上がっている。それは以下のようなものだ。


「環境毒性の研究において、世界で最も評価の高い機関の一つであるラマツィーニ研究所によるこの重要な論文は、基地局からの放射が強い懸念となる理由が明らかに示されています」(スペイン・レウス大学の医学部毒性学部教授ホセ・ドミンゴ博士 / Jose Domingo PhD)



「米国国家毒性プログラムの研究結果と、ラマツィーニの研究の内容は、携帯の周波数放射が前庭神経鞘腫および神経膠腫を引き起こし、これがヒトに対しての発ガン性物質に分類されるべきであるという明確な証拠を提供していると思われます」(スウェーデン・エリアブロ大学病院の腫瘍学科の教授であり医師であるレナート・ハルデル / Lennart Hardell MD, PhD)



「携帯電話の無線に発ガン性があることを示す証拠は増え続けており、もはや無視することはできなくなっています」(王立カナダ内科外科大学のエメリトゥス・アンソニー・B・ミラー博士 / Emeritus Anthony B. Miller MD)



「この研究は、基地局の近くに暮らしているというだけで、健康に脅威が与えられるという懸念を提起しています。各国の政府は、基地局の出力レベルを削減するための措置を講じる必要があると思われます。また、基地局を、学校や病院の近くには設置しない、あるいは住宅の近くへの設置もよろしくないと考えられます」(米国オールバニー大学の公衆衛生学校の教授デヴィッド・O・カーペンター博士 / David O. Carpenter MD)



また、カーペンター博士は以下のようにも述べた。

「公衆衛生当局は、携帯電話やスマートフォン、学校の Wi-Fi など、無線ラジオ波のあらゆる放射源からの被ばくを減らす方法を一般市民に教える必要があるのではないでしょうか」

「現在、(アメリカでは)全国のあらゆる通りの 300メートルごとに小さな 5Gの携帯基地局を配置するという計画があり、そのためにこれは特に緊急な案件です。これらの 5Gの「小型の携帯基地局」アンテナでも、近くに住む人たちは全員、そして、通りを歩いている人々も継続的に暴露されることになります。基地局からの電波による被ばくの増加は、ガンや電気過敏症などの他の疾患のリスクを増加させることになるでしょう」

ラマツィーニ研究所の科学者たちは、これまで、200種類以上の化合物について約 500件の発ガン性についてのバイオアッセイ(生物学的試験)を完了しており、その研究の方法は、遅発性腫瘍の検出を可能にするために、動物が自然死するまで生きさせるという点で独特といえる。

すべてのヒトのガンの 80%が 60歳以降に発生する後発性だが、自然死するまでの長い観察期間をとることにより、ラマツィーニ研究所は、多数の化学物質について後発性腫瘍を検出することが可能となった。これまで公開された研究には、ベンゼン、キシレン、マンゼブ、ホルムアルデヒドおよび塩化ビニールの研究が含まれている。

なお、現在のアメリカ連邦通信委員会の携帯基地局
に対しての規制は、20年前に設定されたものだ。

当時は、携帯電話での平均通信時間が 6分間だった。携帯での通信料金がとても高額であり、携帯での通信そのものが現在よりはるかにわずかしか使われていない時代だった。

その基準が現在も使われているわけで、この携帯基地局の基準は、子どもたちや妊娠中の女性や胎児を保護するものになっていないと指摘する医学者たちは多い。

今回のふたつの結果を受けて、環境保健信託は、アメリカのカリフォルニア州、コネチカット州、メリーランド州、そして、フランス、イスラエル、ベルギーの公衆衛生専門家と連携して、政府および民間部門に公衆衛生教育を実施するよう求めた。

安全な携帯電話機や端末の技術を促進するためのキャンペーン、屋内外の環境で携帯電波の放射 /マイクロ波放射への曝露を減らすためのハードウェアとソフトウェアの基本的な変更を要求し、また、それを迅速化し、解決策や将来の問題を特定するための主要なモニタリングを行うことにより関連する危険性とリスクの防止に乗り出そうとしている。

なお、中国、イタリア、インド、ロシアなどの国では、アメリカ連邦通信委員会と比較して、はるかに厳格な携帯基地局の放射規制が実施されている。しかし、この研究は、それらの国においても、政府がさらなる行動を取るべきであるという科学的証拠を提供している。
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電磁波過敏症の治療に対するFPPの有益効果

2019-05-17 10:18:18 | 思想、哲学、宇宙論
http://www.ori-japan.com/news/research/milano-expo-2015.html



フランス、パリ大学のドミニク・ベルポン教授(Prof. Dominique Belpomme)による「電磁波過敏症」を自己申告している患者を対象にしたFPP (パパイヤ発酵食品)の研究において、全体の50~60%のケースで臨床的改善が得られ、そのうち20~35%は、主に短期記憶の喪失、集中・注意不足障害といった認知的症状、不眠症や疲労などの軽減に大幅な改善を示し、血液検査や超音波脳内脈断層撮影(UCTS)による側頭葉における脈動指数(PI)の測定からも有意な正常化が確認されたことが、2018年2月28日、学術研究誌「Functional Foods in Health and Disease」Vol.8, No.2(2018)において臨床論文*として発表されました。
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