思想家ハラミッタの面白ブログ

主客合一の音楽体験をもとに世界を語ってます。

ベートーベン作曲 「交響曲第5番ハ短調 運命」

2016-06-25 11:37:10 | Weblog
ベートーベンの運命は、宇宙の自己組織化力が精神に作用した結果

複雑な秩序や構造が、精神内部に作り出されていく過程を表現したものではないか。

まるで精神内部に宇宙的な構造が生み出されていくように感じる。


ベートーベン作曲 「交響曲第5番ハ短調 運命」



アミシリーズとベビーメタル

2016-06-24 15:50:59 | Weblog


>よろこび、健康なユーモア、楽天主義、希望、責任、悪意のない魂、信念、許し、

隣人へのたすけ、ほんものの愛などが、ますます必要不可欠なものになっていき、

それが人類にとって、そして一人ひとりにとって、

高い水準の存在へうつるのに必要なエネルギーになると言っていた。



まるでベビーメタルのことを言ってるみたいですね。

ベビーメタルのエネルギーは、人類が高い水準の存在へうつるのに役に立ってくれるのです。




【進化した文明は地下に・・・】

2016-06-24 15:38:39 | Weblog

http://blogs.yahoo.co.jp/chanchan_yanagi/50290594.html

【進化した文明は地下に・・・】

「この惑星の人たちみたいな、高い水準に達した人類はみんな、文明の基盤を地下に移しているんだ」
 ビンカはすっかり興味をひかれたようだ。
「ということは、アミ。高いところまで進化した人類はもう、惑星の表面には住まなくなるの?」
「もちろんそうさ。だって惑星の内部のほうがずっと安全だもの」

 紫外線や放射線、隕石の衝突や天候の変化、害虫などの生態系に関するコントロールは地底であれば容易である。そして

 これがかんじんなんだけど、近くの星に住む未開文明人に、おかしな関心をもたれることもない! カラカラにかわききった死の星に見せかけておいて、その実、内部には大文明が栄えてるってわけだ・・・宇宙でいちばん高いレベルまで進化した人類が、こうして惑星内部に住むようになるってこと、理解できたかな」 (p.394)

       《参照》  『真地球の歴史』 足立育朗 (PHP研究所)
                【月】
 月だけでなく、地球の内部にだって、地球人より進化した文明は存在している。
 後述されているシャンバラである。

【表面と内部】

「惑星内部に住むっていうことが、その人たちの魂のありかたをも反映してくれるんだよ」
「それ、どういうこと?」
「きみたちの世界の人々は惑星の表面に住んでいるだろう?」
「もちろん」
「きみたちの文明では、すべてが、表面の問題なんだ・・・つまり君たちが注意を払うのは外部だけ、内部のことはさっぱりだ。だからこそ、きみたちは星の表面に住んでいるんだよ。それはきみたちの魂のあり方を反映しているんだ」

 アミの星にも地表面に構造物がないわけではない。あっても寡少であり、多くの生活圏は星の内部にある。
 地球表面にしか生活圏をもたない地球人は、人を判断するのも表面・外見である。内面など二の次にして、外見が美しくなるよう整形手術をすれば、地球文明の中ではそこそこ幸せになれる。
 現在の地球人の平均的レベルでは “視覚的な人種差別” が必然的に生じてしまうのである。内側を見る視力を持たない地球人の “愛という基準” はかなり危うくまた虚ろでもある。

【シャンバラ】
 アミはペドゥリートを伴って地球内部のシャンバラへ案内した。

 この都市には神秘的な雰囲気がただよっているのを、ぼくははっきり感じた。
「そのとおりだよ、ペドゥリート。ここのエネルギーがちょっと違っているのによく気がついたね。そう、より高くて繊細なんだ。なぜならここが、地球の重要な霊的中心地のひとつだからだし、きみが自分の内的な感覚に注意を払っていたからでもあるんだよ。・・・(中略)・・・。地球人類の精神の進歩を監督する仕事は、ここシャンバラが中心になっているんだよ」 (p.433)

    《参照》   『今こそ世界は《本物JAPAN》の光臨を待っている!』 河合勝 (ヒカルランド) 《前編》
              【シャンバラの本部】
 シャンバラで行われている活動のコーディネイト役をなさっているシルクさんから、地球人の個々の責任と、地球の特殊な状態について、重要なことを話してもらった。

【地球人の個々の責任と、地球の特殊な状態】

 ぼくたちひとりひとりには、ぼくたちの種のために割り当てられた責任があり、そのために、一人ひとりが自分の劣った部分を乗りこえることが、どうしても必要になってくると言っていた。それはあくまで個人的な仕事で、個人が内的成長をとげるために努力することによってのみ、人類全体が進化してゆけるのだということを、とくに強調していた。
 それからぼくたちがいま、進歩発展のとても特殊な状態にあるということも。つまりそれは、・・・(中略)・・・、ぼくたちの動物的本性が、星の本性の高い精神的レベルより上に立ったままでいるかぎり、ぼくたちの文明の麻痺は、もう疑う余地もなく目の前に迫っているって。(p.453-454)

 そして、

 それからシルクは、人々が苦悩することも、大量の死者を出すこともなく、ぼくたちの惑星がよい方向に変化していく可能性は残っているとも言った。でも、これはいつもしっかりと自覚しておかなければいけないけど、“もう、時間がない”。つまり、もうぼくたちは時間をムダにできないということだ。(p.458)

 それから、

 よろこび、健康なユーモア、楽天主義、希望、責任、悪意のない魂、信念、許し、隣人へのたすけ、ほんものの愛などが、ますます必要不可欠なものになっていき、それが人類にとって、そして一人ひとりにとって、高い水準の存在へうつるのに必要なエネルギーになると言っていた。反対に、どんなものであれ、恐怖、絶望、堕落などの種をまくものからは、距離を置くことが必要だと付け加えた。そして自分たちの性格上のおとった部分にたいして、もう少し自分自身厳格になるべきであり、友達や指導者を選ぶときにも、もっときびしく判断すべきだということだ。(p.458-459)

 

自己組織化する宇宙

2016-06-23 12:19:16 | Weblog

自己組織化する宇宙[詳細]

[『自己組織化する宇宙』]は、
……われわれ人間を奥底から駆動する成就への希求の表現であり、
宇宙的な過程の一環をなすわれわれの人生が、
……「自己超越をとおしての自己実現の規範」に参与できるという、
希望の発露だったのである。
短命ではあったが、エリッヒの人生は目ざすところを成就したとわたしは確信する。
彼の業績は、われわれが生き、
そして死ぬこの不思議きわまりない宇宙の総体的な企図について
思いめぐらす多くの老若男女に、このうえない霊感を与えつづけるだろう

イリヤ・プリゴジーヌ(序文より)



■目次より ▲


序 エリッヒ・ヤンツを偲んで   イリヤ・プリゴジーヌ
まえがき
序章および要約 メタゆらぎから生まれる新たなパラダイム
    0・1 自己再新の時
    0・2 科学の自己再新
    0・3 内容要約

PART1 自己組織化=自然界におけるシステムのダイナミクス
第1章 序論・影とシンボルについて ケン・ウィルバー
     1・1 還元主義を超えて
     1・2 物理学における研究姿勢の三レベル
     1・3 秩序形成の源泉としての対称性の破れ
第2章 散逸構造=自己創出性(オートポイエシス)
      2・1 自発的な構造化
     2・2 システム特性の階層的な見方
     2・3 散逸構造の特徴
     2・4 自己参照性と環境
第3章 ゆらぎをとおした秩序=システム進化
    3・1 進化的フィードバッグ
    3・2 ゆらぎの役割=ミクロの視点から
    3・3 マクロ的不確定性
    3・4 新奇度と確立度
    3・5 システムのダイナミクスと歴史
第4章 自己組織化システムのモデル化
    4・1 自然システムにおける相同的ダイナミクス
    4・2 カタストロフィ理論によるもうひとつのアプローチ
    4・3 物理-化学システム
    4・4 生物システム
    4・5 社会生物システム
    4・6 生態系(エコロジカル・システム)
    4・7 社会文化システム

PART2 マクロ宇宙とミクロ宇宙の相互進化=対称性の破れから生まれたリアリティの歴史
第5章 宇宙のプレリュード
    5・1 対称性が破れるプロセスとしての進化
    5・2 物質を生んだ非対称性
    5・3 物理力間の対称性の破れ=時空連続体が広がって進化が展開する
    5・4 間奏曲=凝縮による構造形成
    5・5 宇宙構造の自己組織化
    5・6 物質の移動と宇宙の「系統発生」
    5・7 宇宙における時間の矢
第6章 生物化学的相互進化および生物圏相互進化
    6・1 エネルギー流が化学進化の引き金を引く
    6・2 生物前段階における自己組織化=散逸構造とハイパーサイクル
    6・3 線型自己再生産=遺伝子コミュニケーションにおける垂直性
    6・4 酸素の豊富な大気圏の形成=生命自身がさらなる進化の条件をつくる
    6・6 ガイア=生物圏お呼び大気圏の惑星的自己組織化システム
第7章 生命ミクロ進化における発明
    7・1 共生によって真核生物が出現する
    7・2 有性生殖
    7・3 従属栄養能力=生命が生命を食べる
    7・4 多細胞生物に向けて
    7・5 新奇性と確立性の難しいバランス
第8章 社会生物的関係(ソシオバイオロジー)と生態的関係(エコロジー)=生物(オーガニズム)と環境
    8・1 用語に関する注意点
    8・2 エネルギーの最適利用
    8・3 生命のマクロダイナミクス
    8・4 生物と環境間のフィードバック・ループ=後成的機構とマクロ進化
    8・5 後成的機構とミクロ進化
    8・6 長期的進化戦略に見られる時間的操作
    8・7 人間=後成的進化の産物
    8・8 個別化に向かう社会的進化
第9章 社会文化進化
    9・1 生物コミュニケーションのダイナミクスな展開
    9・2 ニューロン=高速コミュニケーションのスペシャリスト
    9・3 動的原理としてのマインド
    9・4 「三位一体の脳」の進化
    9・5 精神作用の自己創出レベル
    9・6 言語
    9・7 世界の社会文化的再創造
    9・8 主観性と客観性の相補的関係
    9・9 創造的心によって切開かれる進化

PART3 自己超越=進化のシステム理論に向けて
第10章 生命の循環プロセス
    10・1 回路的組織機構=散逸的自己組織化のシステム理論
    10・2 自己組織化システムのヒエラルキー・タイプ
    10・3 自己創出的自己再生システム
    10・4 成長型ダイナミクスをもつシステム
    10・5 回路的システム組織機構の相互進化
第11章 コミュニケーションと形態形成
    11・1 コミュニケーション・タイプの一般分類
    11・2 記憶の発生
    11・3 系統後成的プロセス=散逸的原理と保存的原理の相互作用
    11・4 共生
    11・5 マクロ、ミクロ宇宙相互進化の主要段階におけるコミュニケーション
    11・6 コズミック・コネクション
第12章 進化プロセスの進化
    12・1 システム・ダイナミクスのマクロ的、ミクロ的描像
    12・2 複雑さの出現
    12・3 対称性の破れをとおして進行するメタ進化
    12・4 ヒエラルキー的に確保された解放性
第13章 時間-空間的結合
    13・1 コミュニケーションによる空間、時間の相互対応
    13・2 時間の微細構造
    13・3 進化における時間結合、空間結合の諸段階
    13・4 進化の「目的」
第14章 多層的現実(マルチレベル・リアリティ)のダイナミクス
    14・1 多層的自己創出
    14・2 ヒエラルキー的に調整されたダイナミクス
    14・3 管理ヒエラルキーではない、層状の自治

PART4 創造性=自己組織化と人間の世界
第15章 進化(エボリューション)=そして革命(レボリューション)
   15・1 緩やかな変革=それは修正的操作か、進化のゆらぎか?
   15・2 社会制度のメタ安定
   15・3 量子的飛躍から「滑らかな」進化へ?
   15・4 多元的文化と人間生活システムの自律性
第16章 倫理、道徳、システム・マネージメント
    16・1 多層的(マルチレベル)倫理
    16・2 計画における時間-空間的結合
    16・3 経営トップの開放
    16・4 構造的計画にかわるプロセス的計画
    16・5 価値の相補性
第17章 エネルギー、経済、テクノロジー
    17・1 エネルギー利用にみられる時間結合
    17・2 エネルギー集約型経済
    17・3 経済、環境、意識
第18章 創造のプロセス
    18・1 創造のプロセス
    18・2 開いた科学
    18・3 意識の回りの舞台の上で
第19章 開放性の次元
    19・1 強度・自律・意味=進化の進行に関する動態尺度
    19・2 存在の即時性
    19・3 歴史的時間の止揚(サスペンション)

エピローグ 意味

参考文献
訳者あとがき
事項索引
人名索引





■編者紹介:エリッヒ・ヤンツ Erich Jantsch ▲

1929年、オーストリアのウィーンに生まれる。51年ウィーン大学で天体物理学の学位を取得。その後、貿易会社のマネージャー、原子力工学とMHD発電のエンジニア、トップ・マネジメントの顧問、音楽・演劇評論家として多彩な実力を発揮。1962~68年にはOECDの技術顧問をつとめ、技術予測と経営計画の世界的先導者となる。70年、ローマクラブの創設時には、設立メンバーのひとりとして参画。
OECD時代と相前後して、C・H・ウォディントン、I・プリゴジーヌ、M・アイゲン、G・ベイトソンら、多ジャンルにわたるシステム理論の研究者たちとの交流を重ね、創発的パラダイムを生成するための「統合理論」を構想。スローン経営学校、マサチューセッツ工科大学、カリフォルニア州立大学バークレー校などの研究員、客員教授を歴任しながら、創発的進化を追求する一連の編・著書を発表。80年刊行の本書は、その集大成にあたる。邦訳著書は『技術予測』上下(マネジメントセンター出版部)





■書評 ▲


◎田坂広志氏(『AXIS』2003年5.6月号)
「意志的創発」と「創発的意匠」
なぜ、この宇宙は、これほど美しい秩序や構造を、自然に生み出していくのか。……それは、おそらく、答えの無い問いである。その問いを、ヤンツは全霊を捧げて問い、そして去った。しかし、ヤンツが去った後も、この問いに対する答えを求め、歩み続けている研究者たちがいる……アメリカのニューメキシコ州にあるサンタフェ研究所。……「複雑系」の性質を解明しようとするサンタフェ研究所の営みは、ある意味で、亡きヤンツの遺志を継ぎ、「自己組織化する宇宙」の秘密を解き明かそうとする営みに他ならない。……
全文再録>>>

◎日本総合研究所社長 花村邦昭氏(『日経ビジネス』1995年5月22日号「私の一冊」より)
プロセスの自己進化をキーワードとする本書は「万物を動的に捉え、そのプロセスが良い方向へ動くように努めるのが生命の基本的な営みである」と説きます。生命、組織、国家など、悪い方向への進化を避けるためになしうることは、コミュニケーションを取ること以外にありません。





「自己組織化」 大阪大学大学院工学研究科 物質・生命工学専攻 宮田 幹二

2016-06-23 12:05:53 | Weblog
 「自己組織化」 大阪大学大学院工学研究科 物質・生命工学専攻 宮田 幹二

 無秩序な状態から秩序ある状態が生まれてくるのが自然の妙である。この状態変化は、宇宙誕生から100億年以上の歳月の間に次々と起こった。この変化を理解するのに、自己組織化という概念が鍵となる。この概念は物理学、生物学あるいは社会学の進化論に関わる分野で発展し、いまや科学全般に大変革をもたらそうとしている。このような背景のなかで、化学の分野にも、自己組織化の概念に基づく大きな潮流が生ずるのも自然なことであろう。



図1 宇宙の歴史と自己組織化

 まず、宇宙誕生以来、新しい物質が創造されるごとに、自己組織化が繰り返されてきたことを簡単に振り返る(図1;宇宙の歴史と自己組織化)。高エネルギー状態で発生した数多くの素粒子から、安定な水素・ヘリウムの原子核が誕生した。これは宇宙の膨張とともに拡散するだけかと思いきや、重力により集合し、恒星が生まれた。この恒星のなかで核融合がおこり、重原子が生まれた。この重原子は超新星爆発で拡散するだけかと思いきや、新しく生まれた恒星のまわりで集合し、惑星が生まれた。地球と呼ばれる惑星では、多種多様の有機分子が大量に生まれた。この有機分子は海のなかで拡散するだけかと思いきや、膜をもつ袋のなかで組織化された。数万種の有機高分子が組織化され、生命機能をもつ細胞が生まれた。この細胞も拡散するだけかと思いきや組織化され、多細胞生物が生まれた。細胞は分化して器官や臓器となり、数十兆もの細胞をもつ動植物が生まれた。いつしか頭脳が生まれ、そして人間が生まれた。この人間も組織化され、社会や国家を生み出した。今やマルチメディアの時代を迎え、コンピュータの巨大なネットワークが成長しつつある。
 このように、秩序と無秩序を入り交ぜながら、自然の変転することが明らかにされるにともない、従来の科学の枠組みをこえて新しい包括的な理論を模索する科学者が現れた。その一人のプリゴジンは、1950年代頃から平衡条件下にとどまっていた従来の熱力学を非平衡条件下へと拡張していった。そして平衡から遠く離れた非平衡のもとでは自己組織化がおこり、偶然で不可逆的な現象が観測されることを明らかにした。こうして偶然と必然の両立する自然に適応し、不可逆的な日々を生きる我々の日常感覚にマッチした科学が登場した。



図2 有機分子の自己組織化

 化学の分野では、この自己組織化の概念はどのように使われるのであろうか。この概念は、分子(ここでは主に有機分子に話をしぼる)の自動的な集合に広く使われている(図2;有機分子の自己組織化)。この際の集合は、現状では平衡下での組織化にとどまるのがほとんどで、生命体のような非平衡下での組織化とはかなり違う。とはいえ、化学者には、生体物質に限ることなく、どのような分子でもよいという自由がある。それゆえ、生命体にも存在しない独創的な組織体を作る夢がある。別な言い方をすると、例えば鳥ではなくハンググライダー、飛行機あるいはロケットに相当するものを作れるのである。
 自己組織化の過程で重要なのは、新しい物質が生まれると、それらの物質間に弱い力が働くことである。このような弱い力をいかに使いこなすかが、化学者の勝負どころとなる。分子間にはたらく弱い力としては、方向性のある水素結合やこれより弱く方向性にも乏しいvan der Waals力などがある。そのため、水分子は前者の結合により集合し0Cで氷となり、メタンは後者によりー183Cで固体となる。これらは単純な例だが、子供のときに用いた積み木遊びなどを思い出して、少し想像力をはたらかせるだけでも実に様々な組織体を構想できる。しかし、現実にはかなり簡単な系でも化学者の自由にはならない。
 例えば、氷をはじめとする結晶は、分子の自己組織化の最も身近なものである。すでに有機小分子の結晶構造はX線回折法により容易に解析可能で、世界的なデータベースには十万個以上登録されている。ところが、有機分子の結晶構造を予測することはいまだにできない。というのは、簡単な分子でも三次元的に積み重ねるには無数の方法があり、条件しだいでは集合様式の異なる結晶が多々生成する。しかもそれら分子集団のエネルギー差は非常に小さい。それゆえ、現在の近似ではどの集合方法がエネルギー的に有利であるかを言い当てるのはむずかしい。
 自己組織化を巧妙に行うには、異なる有機分子が複合していく必要がある。その複合化の仕組みは、包接化合物と呼ばれる結晶で、1947年にPowellらによって初めて解明された。その仕組みは単純で、一方の分子(ホスト)が集合して、他の分子(ゲスト)を取り込む空間を形成する。これは日常生活における入れ物と中身(例えば、かばんのなかの本、建物のなかの人間)の関係のようなもので、ミクロからマクロまで組織化の基本的な仕組みには共通点のあることがわかる。最初はホスト・ゲストがおもにvan der Waals力で集まるものであったが、1980年代になって水素結合で集まるものが戸田芙三夫らによって多数見つけられた。こうして有機分子の複合化は、特殊な現象ではなくて、かなり一般的であることが明らかになった。
 いうまでもなく現在での最高の自己組織体は生命である。40億年の歴史をもつこの組織体は、水素結合などの弱い力を見事に使いこなしている。その解明は、Paulingによるタンパク質のa-らせん構造(1951年)に始まり、Watson,Crickによる核酸の二重らせん構造(1953年)、Perutzらによるたんぱく質ヘモグロビンの立体構造(1968年)へと続いた。近年では核酸・タンパク質複合体などの巨大な生体高分子複合体の解明に
向けて多大な努力が積み重ねられている。実際の細胞では数万種のタンパク質・核酸・糖が組織化され、それらが互いに連携を保ちながら生命活動が営まれている。生命体における分子組織体の全貌を解明するには、まだまだ気の遠くなるような時間が必要であろう。
 この生命体の自己組織化が徐々に解明されるにつれ、通常の有機分子で生体機能の一部を実現する研究が活発に行われるようになった。そのなかで、分子の複合化法、場の設定法、情報の創成法の三点を以下に取り上げる。
 第一に、上記のような包接結晶ではなく、溶液中でも複合化のおこることが示された。すでに前世紀末に、酵素における鍵と鍵穴の考えは提出されたが、有機分子における簡単な例は、1940年代に環状の多糖シクロデキストリンで見つかった。この後、1960年代の終わり頃Pedersenによりクラウンエーテルが合成され、Lehn、Cramが見事な化学修飾を施した。これらの研究はさらに多種多彩な大環状化合物の研究を誘発し、最近では非環状の化合物を用いる複合化が行われている。残念なことだが、タンパク質のように、水素結合で折り畳まれて立体構造をつくる高分子はいまだに作られていない。
 第二は、組織化の場としての分子レベルの袋である。この袋状物質は、1970年代終わり頃国武豊喜らによって簡単につくれることが示された。すでに数百種の長鎖有機分子が二分子膜からなる袋をつくることがわかっている。しかし、この袋のなかで、細胞のように多種類の分子の組織化が可能かどうかはまだわからない。これらの長鎖分子は平面状の累積膜にもなり、これを用いる複合化も活発に研究されている。  近年、溶液・固体に限らず、弱い相互作用により形成されている分子集団を超分子と呼んで、化学の一大分野を形成しようとする動きが大変活発である。しかし、自己組織化を考えるには、弱い力が関与していればそれで十分だという考えでよいだろうか。現代化学には重要なことが欠落しているように筆者には思える。つまり、第三の情報という問題である。
 最近、パソコンブームになってコンピュータが化学者にも当たり前になった。それなのに化学者は情報の本質に疎いのではないか。コンピュータの場合0と1の、文字の場合、例えばアルファベット26文字の組合せで無限の情報が生まれる。生命の場合、核酸では4種のヌクレオチド、タンパク質では20種のアミノ酸の並べ方によって情報が生まれる。これらの例から、複数の要素を順序よく並べることが情報創成の本質であることがわかる。したがって、化学では次のように一般的に考えてはいかがであろう。陽子・中性子・電子の組合せでは百余種の原子しか生じないが、原子の組合せなら無限の種類の分子が生じる。この分子なら、自然界の最も根源的な情報坦体になり得る。その際、0・1、アルファベット、アミノ酸、ヌクレオチドに相当する情報単位を設定し、その順序(定序性とよばれる)を設定できればよい。この定序性に基づいて自己組織化を制御できる分子が、有意義な情報をもつ。筆者は、ステロイドを置換メチレンの定序性分子と理解すれば、有機分子が一般的に情報坦体となることを実証できると考えている。言語に例えれば、生体高分子は非常に長い小説で、ステロイドのような小分子は短い詩である。このように分子を情報担体とみなせば、宇宙の進化における化学の位置づけが明瞭になる。というのは、宇宙における自己組織化と情報創造とは切り離せない関係にあると思えるからである(図1)。
 今までに述べた自己組織体のほかに、平衡から遠く離れた非平衡条件下で、リズムあるいは巨視的構造の形成などの非線形現象を示す自己組織体の研究も進んでいることを最後に指摘したい。


自己組織化:
 無秩序になると思われるような系のなかで、ひとりでに秩序ある構造をもつものが現れること。その系を構成するものが、ただ自由に動きまわるのではなく、互いに協力しあって新しい秩序や組織を生み出していく。従って、変化してゆくことを前提とし、いったん秩序ができても、環境の変化で新しい組織化が起こり、別な秩序に移行できる。例えば分子の場合、もし互いに力が働かなければ理想気体のようになるが、実際には、分子間に弱い力が働いて組織体が生成する。19世紀に確立された熱力学は平衡下での必然的で可逆的で静的な諸現象を説明するが、新しい熱力学は非平衡下での不可逆的で動的な諸現象を説明する。平衡から遠く離れると、それまでとは別の自己組織化がいくつかの選択肢から偶発的に選ばれる。こうしてニュートン以来の決定論的な科学から、確立論的な科学への大きな変化が起こった。

精神次元

2016-06-21 19:28:43 | Weblog
第5の力、自己組織化力は物質次元より高次の精神次元に存在する。

エントロピー増大に逆らって物質世界が秩序を生み出せるのは、

この力がバイブレーションとして物質に作用するからである。

波動の共鳴により作用。

第5の力のバイブレーションは音楽的に表現できる。


人間の役割は高次元の力である自己組織化力を利用して

物質世界を進化させることだと思います。

そのためにはテクノロジーと霊力を融合させる必要があると思います。




面白いブログを見つけた

2016-06-21 15:20:56 | Weblog

https://note.mu/musicreform/n/n93ec65f42ff4より


霊性から全てを見直す




科学文明が発達してくると、今度は人間が神に成り代わる。

確かに、交通から経済の発達、工業、機械類の進化が全てに見えてきて、目に見えない宗教、神仏の存在は虚像に思えてくる。

文武両道という言葉があるが、霊性と合理性を融合させられないのか?

合理性、即ち三次元的、この世的な見方では片手落ちである。

世界の意味を説明できない、自分の存在意義も分からない、愛の定義も分からない。何のために生きているかも分からない。

一方、少なくとも何らかの信仰観、程度の差はあれ目に見えない概念、霊的なるものを認める価値観に立つ場合は、それぞれ違いはあれど、広い意味で肯定的な哲学を持ち、生きる原則を持ち、他者に対する真なる愛を持つことも出来る。

ポパーという思想家は、プラトンは、世界をイデアだの霊的なるものなどのでっちあげにより狭い世界に閉じ込めた、と言ったらしいが、それは逆であって、狭いのはニーチェなりポパーなり、マルクスなり、他の現代思想家、唯物論者である。

彼らにはソクラテス、仏陀、イエスまたはダ・ヴィンチでもベートーヴェンでもゲーテでも、聖人の及ぼした世界への貢献を再現することは出来ない。

これからは、全てを発展と神秘性、霊性と科学の面から融合していくことだ。

私は音楽家なので、音楽の歴史と現在と未来を、霊性というキーワードを元に考え、追及していきたい。

科学と霊性の融合

2016-06-21 11:43:01 | Weblog


現代科学は物質に偏り、霊性を重要視してこなかっため、

4つの力(重力、電磁気力、弱い力、強い力)は認識しても、

より高次の力である宇宙の自己組織化力を認識できないでいる。

宇宙の自己組織化力は聖なる力であり

それは微細なバイブレーションとして時空を超えて伝わるエネルギーである。

この力によって宇宙は進化してきたのだ。

第5の力、自己組織化力は精神の力であり霊的な力である。

神道で万物に内在する神とは、自己組織化力という霊的な力のことだろう。

生命の自然治癒力も、自己組織化力である。




喜多郎の音楽に癒されるのは、自己組織化力によって心に美しい秩序が生まれるからでしょう。





第5の力が文明を変える

2016-06-20 19:26:30 | Weblog
音楽の力は宇宙の自己組織化力の一部です。

ライブの一体感は、聞く者の心に宇宙の自己組織化力が働いた結果です。


宇宙の自己組織化力を科学で利用できるようになれば、今までの文明とは異なる

宇宙の法則に従った、永遠に発展し続ける文明となるでしょう。