~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

「この世界の片隅に」を観て

2016-12-10 23:17:45 | 日記

昨日、「この世界の片隅に」を観てきました。

観終わった時、言葉を失ってしまいました。

凄い映画です。

歴史を習う時、年表を使いますが、一つの時代の

区切りには線が引かれています。

その区切りで、その時代は終わったと思っていましたが

この映画を観て、あの戦争の時代の地続きに今がある

ということを実感しました。

そして、日常の暮らしを奪って行く戦争…

その中で、懸命に暮らしを守っていこうとする人々

日々の暮らしが、こんなにの尊いものだったとは…

私たちは、平和ボケと言われているけれど、

そういうことの大切さを忘れているのかもしれません。

物を大切に、ない食材で雑草でさえも丁寧に料理し

少しでも美味しいものを作ろうとする姿に、初女先生が

重なりました。

先生は「私は普通のことをしているんだよ」と言って

いましたが、映画に出て来る人達も便利さなんて

求めず、倹しく丁寧に暮らしているのです。

この映画の中では『戦争がよくない』なんて一言も

言ってないのです。

でも、戦争がどういうものなのかが、戦争というものの

本質を見せられた気がしました。

突然奪われるいのち・死さえも心の内に

おさめようとしているのです。

多分、日本中の人が、そうやって戦争という時代を

乗り越えようとして生きていたのだと思います。

観終わった後の衝撃は、戦争の映画を観たと

いうのではなく、日々の暮らしの尊さを突き付け

られた気がしたからかもしれません。

どんな時代にあっても、丁寧に生きるということが

一番大切なことかもしれません。

この映画は、どこをとっても誠実さが伝わって来ました。

片渕須直監督、字は違いますが私と同じ「すなお」という

名前に、ちょっと嬉しくなりました。

主人公のすずさんは、今生きていれば90歳

初女先生もすずさんのような時代を生きて

来られたんですね。

私の母も…

 

 

 

 

コメント
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