~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

初女先生の言葉から3・11を考える

2011-12-11 13:54:12 | 日記
昨日の初女先生のお話の中で、心に引っかかったことがありました。

先生が「震災の後、農業に向かっている、(日本は農業国である

のに頭を使って街に出て行ったけれど)、農業国にかわっている。

農に進まなければいけない。」と言われたことです。

記憶力が乏しくなった私のメモなので、多少の言葉は違っているかも

しれないけれど…

私は、3月11日の津波にのまれて行く田畑を見た時、東北の農業は

もうダメなのではないかと思いました。

海水が入った農地を蘇らせることが出来るだろうかと…

そして、それと同時にエネルギーを消費し、食材をすべて買う事に

よってまかなっている生活の危うさを感じました。

先生に「農業国」と言われた時に、ハッとしました。

私の頭の中では、日本は農業国ではなくなっていたし、

私たちが、農耕民族だったことなんて、歴史の教科書の1ページに

すぎなかったのです。

「農に進まなければいけないと」と先生にきっぱりと言われた時

その言葉の前で立ちすくむ自分がいました。

この言葉の奥にあるものはなんだろう…

そして今朝、その答えのヒントと出会った気がしたのです。

新聞にあった、2011年「この3冊」という特集に、各界の人が

選んだ本が載っていました。

その中で、歌人の小島ゆかりさんが、池澤夏樹の

「春を恨んだりはしない 震災をめぐって考えたこと」という本を

選んだ理由が載っていたのです。

  震災以降の不安定な心と体を、どうしたらいいのか。

  「春を恨んだりしない」は、被災地の現場から出発して、

  混乱した思考の迷路をゆっくりほどく。

  日本はどういう国で、私たちはどのような精神史を持つ

  民族なのかを考える。

  性急な答えではなく、茫漠とした問いに向かって、

  心身の軸がしずかに定まる。

この短い文章を読んだ時、初女先生の「農業国」と言う言葉

「農に進まなければいけない。」ということ…

イスキアで畑を始めたこと…

「ただの畑でなく、皆が立ち寄って、作って収穫して喜びを

分かち合えたらいい」という言葉が、私の中で立ちあがって

きました。

この国の大きな大きな犠牲の上で、被災地にいなくても

私たちは生き残った者として、何をすべきかを真剣に

考え行動していかなければいけないと思いました。

震災後、初女先生は「死んでられない」と90歳という

高齢にもかかわらず、休む間もなく講演されてます。

そのことと、しっかり向き合わなければ…

「初女先生に会うと、イスキアに行くと癒されるんでしょ!」という

ところで留まっていてはいけないんだと思いました。

あの3月11日から9カ月

自分はいったい何を考え何をしていたのだろうか…

コメント
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