~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

家庭科のノート

2010-02-27 16:11:22 | 日記
高二の息子の学年末試験が始まり、又しても彼は一夜漬けの大家と
なったのです。
朝、「終わったー」と肩を落として家を出ていく姿に、毎回同じ事を
繰り返して、少しは学習せい!!と思ってしまうのです。
 嵐が去ったような彼の部屋で、散らかっている教科書やノートを
拾っていたら、家庭科のノートがあり、今どきの高校生の男子の
家庭科って何を勉強しているのかと、ノートを見ると
「私立高校に通う母子家庭」の新聞の切り抜きに、息子が感想を
書いていました。
 「僕は小三の時に中二の兄がこの世から去ったから、今こうして
  私立に通えてる。
  たぶん兄が生きていれば、私立は無理だったと思う。
  だから、兄の分もしっかり授業を受けなければいけないと
  心に刻んだ」と書いてありました。
この文章を目にした時、涙が出てしまいました。
やっとこの子も兄のことを、言えるようになったんだ。と思った
からです。
小学校からの友達は、兄が亡くなったことを知っていますが、
中学で知り合った友達はそのことを知らないので、いつでしたか
うちでクリスマス会をやることになった時、祭壇にある兄の写真
やバットやグローブをしまって欲しいというのです。
私は「お兄ちゃんにお願いしなさい」と言いましたが、まだ
この子は兄のことを言えないんだなーと思いました。
私もそうでしたが、話せるようになるまでには、それなりの道のりが
あり簡単なことではないのです。
 でも、先生に提出するノートに兄のことを書いたということは、
彼の中で悲しみが変化して来ているのかもしれないと思えたからです。
息子の書いた文章に、先生の二重丸がついていました。
私が何となく言った「あんたが、一人っ子だから、私立にいけるのよ」
と言った言葉が、こんなふうに息子の心に留まっていたなんて…
母は反省しつつ「しっかり勉強すると心に刻んだなら、一夜漬けから
脱出せよ」と言いたくなるのです。
そして、「終わってないよ。終わりは始まりなんだから」と…
コメント
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