~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

松谷みよ子さん

2010-02-15 19:29:20 | 日記
新聞に松谷みよ子さんが載っていました。
お元気そうなお顔にほっとし、思わず年齢を見てしまいました。
83さい!
父がほとんど一緒でしたから、生きていれば父もそういう年齢か
と思ってしまいました。
父の通夜の時に、足が痛いというのに駆けつけて来て下さった
松谷みよ子先生
松谷先生は、新刊がでると必ず父に送ってきて下さいました。
父はその度に、「松谷さんは文章がうまいなー」と唸りながら
読んでいました。でも、松谷先生は父の書く酔っ払いには
かなわないと言っていたそうです。
息子が亡くなり、1年半で父を亡くした私は悲しみの感覚すら麻痺
していたようです。
通夜の前日、私は一人で一晩中父の側にいました。
あの時、なぜあんな気持ちになったのか今でも分からないのですが、
父に松谷みよ子さんの「さるのひとりごと」という民話を語ったのです。
 そして、暫らくたって息子と父を亡くした淋しさを松谷先生に
手紙に書いて送ったです。
ある日、松谷先生の新刊が私の処に届きました。
「異界からのサイン」という本でした。
私の淋しさに寄り添ってくれ、悲しみを救い取ってくれるような
お話が散りばめられていました。
昨日、何年振りかでこの本を開くと
「お父様と創さん きっとあの世でごいっしょですよ」という
松谷先生のやわらかい字の手紙があり、思わず涙が出てしまいました。
松谷先生!ようやく私も息子からのサインに気がつくことが
できました。
 今、松谷先生の本のあとがきの言葉が私の心に響いています。
 
   かつて、能舞台について触れたことがある。
   この世と言う舞台があって、もう一つあの世という舞台が
   あるのではなく、鏡の松はそのままに、一つの舞台は
   現世でありあの世である、二重構造なのではあるまいか…
   その思いは今も変わらないが、二十年過ぎたいま、
   ひとを超えた、はるかな宇宙からのサインも私たちの許へ
   届けられているのではないか、と思うのである。
   たとえば水が私たちの言葉や音楽に反応するように。
           松谷みよ子(異界からのサインより)

 
コメント
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