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ピアニスト 舘野泉さんのお話

2006-01-06 14:39:03 | Weblog
 フィンランド在住のピアニスト舘野泉さんは、フィンランドでは知らない人はいないというほどの有名なピアニストです。1月4日〈水)NHK教育番組で「左手のピアニスト 舘野泉」として舘野さんのお話と演奏があり、私はとても心がうたれました。2002年 舘野さんは、演奏がもう少しで終ろうとするとき急に右手が動かなくなりやっと左手だけで弾き終った直後脳溢血で倒れ、それ以後闘病生活を送られました。後遺症で右手が麻痺し、ピアニストとして再起不能とまでいわれましたが苦しみを乗り越えて見事に復帰されました。



もっとも苦しかった時期 のお話の中で私が最も印象に残ったのは「最初友人たちからラベルの『左手のためのピアノコンチェルト』があるのでそれを弾いたらと言われたとき無性に腹が立ち、死んでも弾くものかと思った。ある日息子が左手の音楽の楽譜をそっと机に置いてくれていた。それはイギリスの作曲家ブリッジの「三つのインヴィゼーション」という左手の曲だった。ゆったりした海のうねりを思わせる素晴らしい作品で自分の命をとりもどして呼吸をしているという気がした。これが自分が大きく変わるきっかけとなった」と語られたことでした
左手の音楽では、「ピアノを弾くのに手が一本 二本あることなど関係ない。演奏に熱中しているときは、左手で弾いていることさえ忘れている。ピアノがあればよい、生きているのが楽しくなった。動かない右手に苦しみながらとうとう左手だけで独自の活路を開きだす喜び ”命の水脈をみつけたような喜び”でした」と明るいゆったりとした表情でお話をなさったのが印象的でした。

この日演奏された曲は、舘野泉さんのために作曲された吉松隆の「水のハヴァーヌ」と「左手のためのノクターン」でした。和音が何ともいえずきれいで、清澄で感動的なひとときでした。最後に「自分が生きていることは、音楽をしていることは聴衆と心が一つになるときである」と語られました。東京で舘野泉ピアノ演奏会が開かれたらぜひ聴きに行きたいと思いました。

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6 コメント

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わたくしも感動! (21305)
2006-01-07 19:29:23
この番組わたくしも見て感動しました。20代

の若かりし頃舘野泉のピアノの演奏会に行ったことがあります。確か10月にもNHKで舘野泉についての番組があったのですが聴き逃してしまいまいましたので今回はしっかり聴きました。左手だけで弾いているとは思えない素晴らしい演奏でしたね。モナリザさんは、お話を聴きながらデジカメで撮られ,このようにまとめられたのですか。すごいですね。
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ありがとう (モナリザ)
2006-01-08 19:08:49
コメントありがとうございました。

舘野泉のコンサートへいらしたことが

おありでしたか。テレビで感銘を受け

たお話はメモすることもあります。

私 お正月は、クラシック三昧でした。

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舘野さん (kieko)
2006-01-08 21:05:43
モナリザさん、今年初めのブログが舘野さん、びっくりしました。私は舘野さんの第一号不肖のお弟子さんで、1960年以来40年おつきあいが

あります。去年暮れにもサントリーホールでプロ子フィエフの左手のコンチェルトをひかれたあと楽屋で御話ししました。4月にリサイタルをなさるはず、チラシをさがしてお送りしてみましょう。
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恩師とは・・・ (モナリザ)
2006-01-09 22:45:03
舘野さんは、kieko さんのピアノ

の先生でいらしたのですか。

驚きました。そのときからずっと

ピアノを続けていらっしゃるので

すね。すごい! 教えてもいらっし

ゃるのでしょう。

4月のリサイタルのチラシありまし

たらぜひ送ってください。
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クラシック音楽 (Runa)
2006-01-13 18:28:10
クラシックコンサートへ行く時間はなかなか

ありません。時々TVやCDで聴く程度です。家事の合間や疲れたときに聴いておりますと心が癒されます。モーツアルトが大好きです。

舘野泉さんのお話は、昨年TVできいた事があり、すばらしい方だなと思います。

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ありがとう (モナリザ)
2006-01-15 15:02:36
コメントありがとうございました。

モーツアルト、私も好きです。

RunaさんのURLを教えていただけますか。
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