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栃木市太平山を望む

2017-06-29 20:00:21 | 画像をすべて表示
 親戚のある栃木市大平町を訪れました。何回も訪れている町ですが、いつ行っても豊かな自然に心がゆったりします。自然と共に気持ちにのよい飾らない自然体で接してくださる方々のお蔭です。
太平山は栃木市にある山で341mの小さな山ですが歴史ある山です。歴史については以前のブログ(2013年11月25日「太平山と蔵の街」)で紹介しましたので今回は省略します。町は大平町と書きますが、山は太平山と書きます。それは旧大平村が合併発足した時に「太い」の字が四画であったのを忌避したためと言われています。
太平山の中でも見晴らしの良いのは謙信平で春は桜、秋は紅葉と眺めの良い花見を楽しむことが出来ます。晴天の日は東京スカイツリーや新宿高層ビル群、富士山を眺めることが出来ます。山本有三が執筆した「路傍の石」の石碑があります。
今回は用事で行きましたので太平山へは行くことが出来ませんでした。秋を楽しみにしています。栃木を訪れますといつもお食事の美味しいお店に連れて行って頂きます。鰻屋「うなけい」のうなぎを美味しく頂き満腹になりました。このお店からの太平山の眺めもなかなか良かったです。

 

読書 

2017-06-07 15:20:17 | 画像をすべて表示
 今週心に残る2冊の本を読みました。一つは「蜜蜂と遠雷」(恩田陸)です。直木賞と本屋大賞のW受賞の話題作品ですからもう多くの方が読まれていると思います。ピアノコンクールを舞台に才能に恵まれた人々が競う音楽の世界を描いた著者恩田陸さん渾身の小説です。読み進むうちに何と語彙が豊富で次から次へと自由自在に人を魅了する文が組み立てられていくその才能に驚かされました。3年ごとに開催される芳ケ江国際コンクールに出場し、才能ある人たちが優勝を目指して競う物語です。

もう一つは「散るぞ悲しき」(梯久美子)ー硫黄島総指揮官栗林忠道ー
太平洋戦争末期の激戦地・硫黄島の総指揮官として2万余の兵を率い、かつてない持久戦を展開した陸軍中将栗林忠道は上陸してきた米軍に大損害を与へ「5日で落ちる」と言われた硫黄島を36日間にわたって持ちこたえました。武器も食糧も湧水さへも不足し超過酷な状況の中で2万人以上の死傷者出した凄惨な戦場地であった硫黄島。玉砕を禁じ名誉の自決を選ばず部下たちと敵軍に突撃して果てた栗林忠道中将の姿と共に妻と子どもたちに宛てて書いた41通の手紙を通して夫として父親としてのきめ細かさに驚かされます。夢の中で妻や子どもたちを見ていたことが苛烈の島で死闘の日々の中でも冷静な判断を持ち続け、2万の部下たちへの温かい思いやりを持続し得た精神力の糧となっていたのでしょう。
しかし若者たちを過酷な戦争へと駆り出し苦悩と悲惨さを強い、大切なかけがえのない命を落とす戦争は二度としてはならないと強く強く感じました。