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至福のひととき

2006-07-08 14:01:25 | Weblog
 金曜日は、毎週区の「健康教室」へ行く日である。昨日(7/7)は午前10時までに梅丘までいかなければならなかった。道中は暑いし、遠~いし、どうしようか迷っていた。家人から「健康のために行っていらっしゃい」の一声に気は重かったけれど出かけた。20分あまり歩いて会場についた。汗がどっと出た。最初5分ぐらいは冷房のなかで体操をしたが、先生が「冷房は皮膚を乾燥させます。汗を流しましょう」と言われ、冷房なしで約1時間半ストレッチ体操と軽いエアロビクスをした。いっぱい汗をかいた。気持いい汗だった。爽やかな気持になり、足どりも軽やかに帰路に着いた。帰るとすぐにシャワーを浴び、洗濯をし、昼食をした。殊の外昼食がおいしかった。少し休んでから急に音楽が聴きたくなった。

 私の大好きな、あの有名なベートーヴェンの<ピアノ協奏曲第5番「皇帝」>をCDで聴いた。これまでの協奏曲(コンチェルト)は、最初にオーケストラが奏で、それからピアノにバトンタッチされるものだが、「皇帝」は、いきなりピアノが大爆発し、聴くものを圧倒し、クライマックスが冒頭にくるという型破りの作品だ。ベートーヴェンは、5つの協奏曲を作曲したがこの最後の5番が<皇帝>と呼ばれている。CDのラベルにナポレオンが描かれているが、ナポレオンのことでも他の皇帝のことでもなく、ほかならぬこの曲そのものがピアノ協奏曲の皇帝だとしてこう呼ばれる。協奏曲を作った人はほかに何人もいるので、自信過剰のベートーヴェンでも自分で名づけるわけにいかず、出版社が名づけたと言われる。
1809年の作品で、その前年には「運命」と「田園」を完成したので2年続けて大作が生まれた事になる。CDでは、フォルスト・シュタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ピアノは名ピアニスト・グルダが演奏している。
最後に静かな曲を聴きたいと思い、モーツアルトの<ピアノ協奏曲第21番>の第二楽章だけを聴いた。第二楽章は、とても美しい曲で1967年スウェーデン映画『みじかくも美しく燃え』のテーマミュージックとして使われた。第一、第三楽章のスケールの大きい力強い曲のあいだにはさまれて第二楽章の美しさが際立つ。この映画のなかでは緑したたる森のなかに散った恋人たちの薄幸の生命を、モーツアルトの透明感溢れる美しいピアノの響きが悲しくうたいあげている。映画とモーツアルトは何の関係もないのだが、35歳の若さで亡くなったモーツアルトは、映画の題名のように「みじかくも美しく燃え」の生涯だったのではないでしょうか。この第二楽章は、私の最も好きな曲なので今まで何回も聴いている。

1時間あまり本当に至福のひとときを過ごす事ができた。そして休まずに体操に行ってよかった!