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ウフィツイ美術館展 自画像コレクション

2010-09-29 12:11:23 | Weblog
     ウフィツイ美術館とヴェッキオ橋
爽やかな秋晴れに恵まれた9月26日(日)損保ジャパン東郷青児美術館のウフィツイ美術展を観に出かけました。
ウフィツイ美術館の所蔵する「自画像コレクション」を日本で初めて紹介する展覧会です。イタリアフィレンツエにあるウフィツイ美術館からヴェッキオ橋、ピッティ宮殿までを結ぶ全長1kmもある回廊は「ヴァザーリの回廊」と呼ばれます。そのヴァザーリの回廊両側にずらりと展示されている「ウフィツイ美術館 自画像コレクション」から約60点の名画が今回損保ジャパンで観られる絶好のチャンスです。


(左)マリー=ルイズ=エリザベート・ヴィジェ=ル・プラン(1755~1842)
《マリーアントワネットの肖像を描くヴィジェ=ル・プラン》(1790)
18世紀に最も活躍した女流画家。マリー・アントワネットに気に入られ王妃付きの画家としてヴェルサイユ宮殿に迎えられました。1789年フランス革命が起こるとその余波を逃れ、ヨーロッパ各国を遍歴し、各国の宮廷で歓迎され、美しさと愛らしさに満ちた肖像画を数多く描きました。

(中央)エリザベート・シャプラン
《緑の傘を手にした自画像》 (1908)
フランス生まれですがイタリアで活躍した女流画家。
18歳頃の作品です。明るい色彩に満ち溢れています。髪型などいまでも普通に居そうな感じの女性です。

(右)藤田嗣治(1886~1968)
《猫のいる自画像》
(1926)
お馴染みのおかっぱ頭にロイド眼鏡で藤田嗣治氏がよく用いた面相筆を持って猫といっしょにおさまっています。パリで成功し人気絶頂期だった頃の作品です。この後第二次世界大戦が始まり運命を狂わされることになります。




お能を鑑賞して

2010-09-20 14:17:49 | Weblog
          国 立 能 楽 堂
9月18日(土)国立能楽堂で金剛流のお能を楽しみました。最初の「清経」(清盛の孫)は平家の前途や身の行く末を悲観し、豊前(大分県)柳ヶ浦の沖に入水します(柳が浦落ち)。清経の臣下が遺品、遺髪をたづさえて上洛し、清経の妻に入水の様子を報告します。清経の妻は、人目も憚らず悲しみ嘆き、遺髪を手に取り、耐えられないと思いが募ります。清経の妻の悲嘆が些細に語られ、哀愁を帯びた語りと舞が心にジーンときました。後半は清経が死に至るまでの経過があますところなく語られ、その心理描写がすぐれていると思いました。


次に演じられた「三輪」(画像右)は大和の国(奈良県)三輪山に侘び住まいしている玄賓僧都(げんびんそうず)を毎日仏前に供える水を持って訪れる女がいます。ある日女は僧都に衣を所望し女に衣を与えます。(中略)三輪明神のご神木の杉の木に僧都の衣が掛かっていると教えてくれた人がいて僧都は衣が掛かっている杉に行きます。二本の杉の間から妙な声が聞こえ、三輪明神が姿を現します。明神は三輪の神話を語ります。(中略)夜だけ通ってくる夫を不審に思っていた女(妻)は夫が「三輪の神」であることを知ります。三輪の神は妻を慰めようと神代の、天の岩戸での舞「神楽」を舞い、「岩戸開き」の様子を見せます。三輪明神は女姿で現れ、40分程ゆっくりと、静かに、優美に舞います。その《神楽の舞いに魅入ってしまいました。撮影禁止ですので画像はパンフレットからのものです。神楽は、日本の神々を主題とした能で舞われる舞でリズムと旋律の美しい優美な舞です。神楽を舞い上げて「岩戸開き」です。作り物の杉は岩戸に変わります。スピード感のある終曲です。

長く続いた猛暑も去り爽やかな秋を迎えました。この夏はお友達やいとこが天国に召されたり、重病で入院したり、悲しいこと寂しいことが多々あり気落ちしておりましたが、立ち直ってこれまでお世話になったことを感謝しつつ日々を大切に過ごして行きたいと思います。