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団扇と風鈴

2009-07-22 18:53:51 | Weblog
梅雨明けしたら連日の暑さでしたが、この2~3日少し凌ぎやすくなりました。そんな時友人から届いたうれしい団扇の暑中見舞い。涼を運んでくれました。裏は花火の絵が描かれ、左右に動かしますと光線の加減で花火の色が変わり本物の花火をみているようです。画像はGIFアニメになっていますのでクリックしてご覧ください。

最近は街角で景品として配っている「うちわ」しか見かけなくなりましたが、日本の団扇にはとても長い歴史と伝統があります。開閉式の扇は平安時代に作られたものですが、「うちわ」の起源は古代の「あおぐ」よりも貴人の上に「かざす」ことで威厳のために使われていたようです。平安時代以降、公家たちが扇を用いるのに対して「うちわ」は主に僧侶の威厳を示すために発展していきました。

江戸時代に入ると、凝った絵柄のうちわも作られるようになり、尾形光琳は華やかで新鮮な団扇絵を得意とし、菱川師宣は浮世絵の団扇絵を発展させました。団扇は庶民へも徐々に普及し、涼や炊事、蛍や虫追いなど日常生活の道具として使われるようになりました。

明治時代には美しい図柄のうちわは外国人の目に留まり盛んに輸出されたようです。
戦後、経済の高度成長で扇風機やクーラーが普及しましたが、いま尚「房州うちわ」(柄がまるい)「京うちわ」(扇面と柄が別々)「丸亀うちわ」(平柄)などうちわの老舗が伝統を受け継いでいます。上の3つは三大うちわといわれています。房州団扇は江戸団扇のこと、関東大震災で日本橋にあった問屋の大半が大火に見舞われたため、房州へ団扇生産の中心が移りました。


               房州団扇         越生(埼玉)団扇

風鈴も団扇、花火、夏祭りとともに夏の風物詩の一つですが、最近は家々の軒下に吊るされている風鈴を余り見かけなくなりました。私の子どもの頃は夏になると風鈴売りの声が聞こえてきたものです。いまは風鈴の音が「うるさい」とご近所から苦情が出るという事を聞いたことがあります。風鈴はリーンという澄んだ音色が涼をよびその長い余韻を楽しむのですが、それも難しい時代になり時の移り変わりを感じます。ガラス製の絵柄のきれいな「江戸風鈴」は見た目の涼しさや絵柄を眺める楽しさもあります。


南部風鈴   江戸風鈴      江戸風鈴     有田風鈴


     高岡風鈴     江戸風鈴         江戸風鈴


信州へ小旅行

2009-07-05 19:25:09 | Weblog
       田中本家の正面入口
 長野県須坂市にお住まいの親友のお家へ遊びに行き楽しい日々を過ごしてきました。蔵の町「須坂」は昔からの古い町並みが残されている町です。江戸時代中期から北信濃屈指の豪商となった田中本家の屋敷は当時の面影を残す歴史の重みを感じさせる建物です。
田中本家博物館(蔵屋)は270年にも渡って集められた貴重な収蔵品を一般公開しています。
明治から昭和初期に繁栄した製糸業の歴史を偲ばせる土蔵作りの商家や白壁の民家が残る町並みはなかなか赴きがあります。


田中本家博物館



      須坂の町並み(白壁の民家)


須坂はまた全国的に有名な果物の宝庫でもあります。「さくらんぼ狩り」を楽しみました。毎年お友達から送って頂くさくらんぼですが、実際に実っているのを間近に見たのも初めてなら、さくらんぼ狩りを経験したのも初めてでした。楽しくて夢中になってしまいました。もぎたての新鮮な甘いさくらんぼの何と美味しいこと!
さくらんぼは広大な敷地に種類ごとにまとまっています。佐藤錦、香夏錦、高砂、紅秀峰などいろいろな種類のさくらんぼが実っています。実るまでには、多くの人手と手間を必要とし、天候に左右されるそうで大変なご苦労があり、感謝して頂かなければいけないと思いました。
これからプラム、プルーン、秋には白桃、巨峰、りんごの収穫と多忙な日々が続くようです。

友人の快適なドライブで小布施長野善光寺へ行きました。小布施は落ち着いた佇まいの美しい町並みです。以前は多くの人が訪れたようですが閑散としていました。北斎館、高井鴻山記念館など数多くの美術館が建ち並びます。栗菓子歴史を語り継ぐ桜井甘精堂「北斎亭」で小布施の味覚を存分に味わいました。

北斎亭         栗の小径


有名な長野善光寺ですが初めて訪れました。今年は7年に一度のご本尊様ご開帳の年とあって4月、5月は大変な人出だったようですが、私が訪れた7月はそれも終わって人も少なく、参道沿いのお店を見ながら仁王門、山門、本堂までのんびりと歩き、参拝して参りました。参拝した後善光寺名物として知られる七味唐辛子の本店「八幡屋礒五郎」に立ち寄り、栗強飯(おこわ)が美味しいと言われる「竹風堂」で昼食を頂きました。