
富裕な実業家の家に生まれたカイロボットの暮らしは大変豊かでした。画家仲間の作品を購入することで経済的に彼らを支えたりして経済支援などを行った人として知られていました。近年彼の作品の再評価が進み、ブリヂストン美術館が印象派の代表のひとりであるカイユボットを日本においてはじめて紹介する試みです。弟のマルシャル・カイユボットによる写真作品も展示されています。
奥行きを感じさせる空間と緻密な表現をもつカイユボットの絵画は観ていてゆったりとした余裕と豊かさを感じます。特に下段左のヨーロッパ橋と右の建物のペンキ塗りは遠近法による構図が緻密で素晴らしいと思いました。中段左ピアノを弾く若い男は、指の動きや楽譜を見る目、ピアノの上に無造作に置かれた本、カーテンや壁やジュータンの模様など緻密な描き方に感心しました。右の室内、読む女は女性の何かを読む表情とソファーに横になって本を読んでいる男の人との取り合わせが面白く、繊細だなあと思いました。
上段の左イエール川のペリソワールはパリ近郊の自然豊かな中でボートをこぐ女性たち光輝いています。






カイユボット邸での昼食風景やスポーツやピアノを楽しむ作品など室内の装飾品や食器から豊かな生活ぶりがうかがえます。12月29日まで開催されています(月曜日は休館日です)。
郊外生活を愛したカイユボットは水辺や田園も魅力的な作品も多く残しました。
良い絵画を観た後は心が豊かになり、この後の銀座から日本橋の散策も楽しく過ごしました。