浦賀和宏 著
フリーライター・銀次郎が、元妻の医師・聡美を医療ミス訴訟から
救うために調査する。
ただの貧血かと思われた患者・愛は、溶血性貧血であることがわかり、
内科的治療では改善が認められなかったため、脾臓摘出をした。
適切な治療だったはずなのに、その後副作用の血栓症で死亡する。
聡美は手を尽くした。しかし愛の夫は訴訟を起こす。
フットワークの軽さ、事件をさまざまな角度から見る取り組み方など、
銀次郎の仕事ぶりを見るだけでもなかなか面白い。
そしてそのデキるがゆえに足を踏み外し、仕事を失った過程も想像できるのだ。
一見ごくまじめな会社員に見えた愛が抱える闇。
そして夫や家族とのあやうい関係。
小さなずれが次々と雪崩を起こすように大きくなって、
引き返せない状況にまで追い込まれていく愛。
それは聡美がいかに優秀な医師であっても、どうにもできるものではなかった。
痴呆は怖い。
自分が自分でなくなるから。
その怖さをつきつけ、考えさせる物語でもある。
しかし、最後はやや拍子抜け。
それほど意外性のある結末でもないのに、トンデモ感があるという。
せっかく医療現場が丁寧に描かれているのに残念さがあった。
フリーライター・銀次郎が、元妻の医師・聡美を医療ミス訴訟から
救うために調査する。
ただの貧血かと思われた患者・愛は、溶血性貧血であることがわかり、
内科的治療では改善が認められなかったため、脾臓摘出をした。
適切な治療だったはずなのに、その後副作用の血栓症で死亡する。
聡美は手を尽くした。しかし愛の夫は訴訟を起こす。
フットワークの軽さ、事件をさまざまな角度から見る取り組み方など、
銀次郎の仕事ぶりを見るだけでもなかなか面白い。
そしてそのデキるがゆえに足を踏み外し、仕事を失った過程も想像できるのだ。
一見ごくまじめな会社員に見えた愛が抱える闇。
そして夫や家族とのあやうい関係。
小さなずれが次々と雪崩を起こすように大きくなって、
引き返せない状況にまで追い込まれていく愛。
それは聡美がいかに優秀な医師であっても、どうにもできるものではなかった。
痴呆は怖い。
自分が自分でなくなるから。
その怖さをつきつけ、考えさせる物語でもある。
しかし、最後はやや拍子抜け。
それほど意外性のある結末でもないのに、トンデモ感があるという。
せっかく医療現場が丁寧に描かれているのに残念さがあった。