梨木香歩 著
祖母が亡くなり、蓉子には人形の「りかさん」が残された。
蓉子はりかさんとともに祖母の残した家にうつり、3人の女性とともに
新しい暮らしを始めた。
4人に共通するのは、ものをつくる人であること。
紡ぎ、染め、織り、そして食べながら、季節は移り変わっていく。
のどかでありながら、ぴんとした緊張感や厳しさを秘め、
美しいものを生み出していく暮らしは、とてもうらやましい。
りかさんの存在も独特だ。
意思をもち、それを伝えることができる人形。
おとぎ話のようで、これでちゃんと物語が進むのかと思ったけれど、
きちんと舞台を彩り、役割を果たす。
染料や織物を専門的に語る場面があったり、面に関する考察があったり、
結構ドラマティックな展開なのに、心に残るのはやはり生活の場面。
静かに流れる時間をともに過ごしたような気持ちになった。
その家がなくなってしまったから、なおのことだ。
祖母が亡くなり、蓉子には人形の「りかさん」が残された。
蓉子はりかさんとともに祖母の残した家にうつり、3人の女性とともに
新しい暮らしを始めた。
4人に共通するのは、ものをつくる人であること。
紡ぎ、染め、織り、そして食べながら、季節は移り変わっていく。
のどかでありながら、ぴんとした緊張感や厳しさを秘め、
美しいものを生み出していく暮らしは、とてもうらやましい。
りかさんの存在も独特だ。
意思をもち、それを伝えることができる人形。
おとぎ話のようで、これでちゃんと物語が進むのかと思ったけれど、
きちんと舞台を彩り、役割を果たす。
染料や織物を専門的に語る場面があったり、面に関する考察があったり、
結構ドラマティックな展開なのに、心に残るのはやはり生活の場面。
静かに流れる時間をともに過ごしたような気持ちになった。
その家がなくなってしまったから、なおのことだ。