息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

人柱はミイラと出会う

2010-12-17 10:07:51 | 石持浅海
石持浅海 著

著者はわりとクールで大人っぽい感じの作品が多いと思っていたのだが、
これは奇想天外、スパイスの効いた、実に楽しい一冊。

人柱やお歯黒、黒衣に参勤交代、なんで? と思う風俗が現代に生き残った
パラレルワールドの日本を舞台に、女子大生と外国人留学生、職業が“人柱”の男などが
事件を解決していく。

事件といっても、トリックはすべてパラレルワールドならではのルール。
密室だって、人柱専用居室(建物の完成まで出てこられない)で起こるし、
結果的に人柱がルール違反をした建物は、完成を目の前に崩れ落ちる。

黒衣は現代の政治家へのアイロニーかと思えるし、参勤交代はえ?もしや合理的と
考えてしまったり。だって陳情って大切なんでしょ。
笑いながら読んでるのに、こんなところでちくりと刺すのはさすがの実力か。

これシリーズ化しないかなあ。