わが家の南側の居間は陽射しが暖かい。
カレンダー見ていたら、なんか変。
昨日が木曜日・・・、ということは今日は金曜。
それは、11月にはない。
「おーい、きょうから12月かい?」と妻にことさら確かめる。
「そーよ」
「そうなんだあ」
昨年の今頃は息が出来なくなって、三重大病院に入院した。
カテーテルによる心筋のアブレーション手術が必要という
診断だった。
それから、一年、2017年は4ヶ月病院で暮らし、そのあとは
息切れや動悸、立ちくらみがふつうの状態になる暮らしを
してきた。
ほとんど、暖房の効いた部屋にいる。
一日1回の散歩も、いまは大型のハンターやベルシテイに
妻に車で連れていってもらい、休み休み20分ほど歩いている。
部屋にいるのが、楽だけど、動かなければ、ドンドン身体が
衰弱していく感じがしている。
ぼんやり部屋で過ごしていても、少ないなりに髪は伸びて
くる。耳もとにかかるようになると、落ち着かなくなる。
理容は、豪さん美容院。
午後3時、息子に車で送ってもらい、行ってきた。
部屋に入っていったら、娘桃子が鏡の前に坐っている。
毛染めに来たという。
たしか、いつかもバッタリ遭ったことがあった。
豪さんに娘と並んだ写真を撮ってもらった。
撮ってもらった写真の出来具合を見ていた。
「なんか、やっぱりお父さんに似ている。不思議な感じが
する」と娘。
「そりゃ、そうじゃないの?」と豪さん。
これまで、娘と出会った人が、そのあとでぼくが父だと
分かったとき、とても信じられないという反応をする。
ぼくが、「娘です」と紹介したときにも、「へえー」という
リアクションがあるときが多い。
自分でも、「そうかもしれないよな」と思ってきた。
娘のひとことは、意外だった。
すこし、むずがゆいような、すこし嬉しいといえばいいのか、
なにか慈しみのような気持ちといえばいいか、湧いてきた。
遠い生命の彼方からくる懐かしさのような。
最近、これで最後かもしれない、というものが、不意打ちの
ようにでてくるんだよね。