かたつむり・つれづれ

アズワンコミュニテイ暮らし みやちまさゆき

モーニングカフェ

2015-10-14 08:51:14 | わがうちなるつれづれの記

 

いつからだったか、息子と妻と3人で、モーニングカフェを

はじめた。もう、かれこれ2週間ほどになる。

毎朝7時に居間に寄る。

妻はコーヒーを入れてくれる。

この”儀式”がはじまってから、妻はぼくに「豆、引いて!」と

言って来なくなった。

なんとなく、1時間ぐらいだよね、と決まってきた。

長続きさせるには、それぐらいで切り上げようね、となってきた。

言いだしっぺは、息子。タイの旅から帰ってきて、やってみたい

といいだした。

 

起きぬけということもあって、しばらく何もしゃべらないときが

けっこうある。

居間の壁には、山下清の富士山の貼り絵がある。

話がでないとき、ぼくの正面にあるその絵をじっと見る

ことになる。

その絵をそんなにじっくり見るのは、はじめてだ。

5年前、鈴鹿に引越しするゴタゴタのなかで、何か妻が

山下清のカレンダーを額縁に入れる地道な作業をやっていた。

「そんなこと、あとでも・・・」とおもったが、夜中シコシコやって

いた。

 

見ていると手前は紅葉の木々がある。

富士山は遠くそそりたつようにそびえていて、雲がかかって

いる。

山下清は風景を見ながら描くのではなく、彼が捉えて、心の

なかに湧いてきたものを一気に仕上げていくと聞いたことが

ある。

湖が富士山のほうに伸びていくその奥をじっと見ていると

なんとも、そのあたりが、ぼくにはとてもあたたかい情感が

貼り絵に込められて、現われているように感じた。

この富士山の絵が、温かい山下清の心象風景で、それを

見ている自分を感化せずにおかないものを感じた。

 

わが家のモーニングカフェは、いつまでつづくかしれないが、

そいういうものでありたいなあ、とひそかにおもっている。