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リッター系V型2気筒が勝てる条件、スズキ・TL1000R。(番外編vol.3197)

2022-03-16 10:41:20 | 日記

1990年代から2000年代初頭にかけての市販車改造レース「スーパーバイク世界選手権(WSBK)」のレギュレーションの1つとして、

4気筒エンジンなら750ccまで、2気筒なら1000ccまでと言う「エンジン排気量の規定」があったのですが、

結果、この時代って「ドゥカティ」のL型2気筒エンジンが圧倒的に速く何年もの間、リッター系の2気筒エンジンに軍配が上がっていました。

そこでホンダは「RVF750」から、1年だけ「VTR1000SP」を導入しその年のワールドチャンピオンをおさめる事に成功します。

それを見たスズキはそれまでの「GSX-R750」から、この「TL1000R」にベース車両を一時変更したことがあったんですよね。

いや、逆にこの「TL1000R」ってオートバイが一般販売を狙ったものではなく「スーパーバイク世界選手権」で、

スズキワークスが勝つために作られたマシンだったと言った方が良いかもしれません。

ただ、そこに焦点を合わせて作られた経緯があった為、当然の事ながら国内での販売は全く振るわず、

スポーツバイクとしての人気は常に同社「GSX-R」シリーズへ持っていかれてたと言う残念な部分もあったりします。

それどころか、もしかしたらこのオートバイ自体を「知らない」って方もいるかも知れないですね。(笑)

と言うことで、今日ご紹介するこの「TL1000R」が登場したのが1998年から2003年までで、特に海外を中心に売られていました。

結局、2003年シーズンから「スーパーバイク世界選手権」のレギュレーションが変更され、

4気筒エンジンなら1000ccまで、2気筒エンジンなら1200ccまでとなった事で「TL1000R」の需要がレースの世界でも無くなってしまいます。

もちろんこの年からスズキは新開発された「GSX-R1000R」を投入し、一部のサテライトチームに「TL1000R」を供給はしてましたが、

最終的には全てのチームに対して「GSX-R1000R」のみと言うカタチで絞られてしまいます。

それが大きな要因となり2003年をもって「廃盤」へと追いやられてしまう結果となる訳です。

またスペックですが、エンジンは水冷式4ストV型2気筒DOHC4バルブで、排気量が995cc、最高出力が93psで最大トルクは8.6kg。

フレームは当時の「GSX-R750」と異なる「特殊な構造」のものとなっており、素材はオールアルミ製でした。

さらにフロントは倒立サスペンションが採用されており、初期モデルからフューエルインジェクション仕様となっていました。

で、車重は乾燥重量で197kg、ガソリンタンク容量は17リットルです。

また一番の特徴としてはV型エンジンのデメリットだったホイルベースの長さを独特の搭載方法でショートベース化に成功しており、

とても優れた旋回性を持っていたと所です。

当時の事を振り返り考えれば、カワサキやヤマハって750cc4気筒エンジンのスポーツバイクにこだわっていたため、

この様な優れたリッター系V型2気筒エンジンを搭載したモデルを持っていませんでしたが、

ホンダとスズキはある意味、VS「ドゥカティ」と考えチャレンジしていたんですよね。

この「TL1000R」の人気に関してはさておき、市販車レースで「結果を出したい」その精神はたたえたいところです。(笑)








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