過去には色々な工夫がオートバイにもなされており、現在は逆にメカニカル(機械的な設計)の部分で言えば「全てやり尽くしてる」感があるのですが、過去に
あった工夫の中で、エンジンに目を向けて見ると1つに「後方排気システム」ってのがありました(笑)。これはエンジンの上部にあたる、シリンダーブロックが
(ピストンが収まってる所)が「前後に逆向き」となってるものを指しており、進行方向に対して、機械式キャブレターもしくはフューエルインジェクション(FI)
が前方にあり、排気マフラーもしくはチャンバーが後方にあると言った設計の事を指します。(ちなみに昔の「CBR1000RR」の様なシート下にマフラーがある
モデルは後方排気ではなくセンターアップ式となります。)で、この方式には「メリット」と「デメリット」があり、現在において「一般的でない」とされています。
また過去にあった、ヤマハ「TZR250R(3MA型)」の場合、1987年より導入された市販レーサーモデルの「TZ250」からフィードバックされたものだったのです
が、当時の噂として諸説あって「ヤマハの失敗バイク」とも言われていました(笑)。なぜ市販のレーサーモデルの「TZ250」は良くてこの「TZR250R(3MA型)」
が良くないとされたかは色々と都市伝説があるのですが、ボクの解釈で分かりやすく説明すると「低速のトルク力が低い」と言う事の様です。その要因はマフラー
(チャンバー)側にあり、どうしても配置の関係上「長さが制限」されてるので、トルク力を下にセッティングしにくいと言う問題があったからの様です。これが
逆にサーキットだけを走るレーサーであれば「高回転でスプリントレース(少ない走行距離)に対応して速く走れればOK!」で済むのですが、色々な使われ方を
する市販車の場合はそうもいかないので、多分「TZR250R(3MA型)」は失敗と言われてた気がしています。但し、新車からしばらくは「とても速いオートバイ」で
あり、問題は古くなるに連れて故障したり、速く走らなくなったりする事なんですよね。しかし、逆に「メリット」もあり、前方に機械式キャブレターもしくはフュー
エルインジェクション(FI)があると、その速度に応じて「風による空気の冷却効果」が得られるので、エンジンブロックの後方にある通常の場合より効率良く出力
を得る事が出来ると言う点言うです。あらためますと「吸気効率は良いけど排気効率に制限がある」と言う感じです。で、現在、唯一市販車でこの「後方排気」を
採用してる車両に、BMWの「G310R」や「G310GS」がありますが、これに関しては単気筒である事と電子制御システムのお陰で問題点を解消出来てると言うもの
です。また車両の特徴として前方に重心を置く事で「扱いやすさを優先」した結果とされています。但し、条件として吸排気を社外品(アフターパーツ)などに交換して
しまうと出力は上がるけど低速のトルクが下がると言った仕様になってしまいます。要は「乗りにくくなる」と言う事ですね(笑)。これが現在「後方排気」のシステム
として、他ではなかなかオートバイに取り入れられない大きな理由となっています。まぁそうゆう事ですが、個人的に当時「TZR250R(3MA型)」が欲しいと思ってた
時期がありました(笑)。その理由はとにかくスタイルが好きで、赤と白とシルバーからなるストロボ式のカラーリングが気に入ってたんですよね。しかし新車で売られ
始め、しばらくすると峠仲間の間で先にも書きましたが「欠陥品」だとか「失敗バイク」だとか言われてたので、購入をあきらめたって思い出があります(笑)。当時
のボクは完全な「ヤマハ党」だったので、本当は「新しいヤマハの2スト・レプリカに乗りたかった」のですが、なら「4ストで行こう!」って事で同時代の「FZR400R」
を買った記憶があります。なのでBMWから初代「G310R」が登場した時「これも失敗作?」って思ったのですが、さすがのBMWだけあって「全くそんな事はない」と
分かりました。単気筒であれば電子制御を含めてデメリットをクリアする事が出来ると言う訳です。しかし一般的に考えればやはり「後方排気システム」は扱いが難しい
ので、他の車両で新しく登場する事がないですね(笑)。今日はそんな工夫(ある意味、瞑想の時代)にあった「後方排気システム」について簡単にお話ししましたが、
いかがだったでしょう!(笑)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます