
1985年に登場したヤマハ「FZ750」は、水冷式4スト並列4気筒DOHCエンジンを45度に傾斜させたエンジンブロックに「2バルブ」でもなく「4バルブ」でも
ない「5バルブ(エンジン内に空気とガソリンを送り込む3つのバルブと、燃えた排気ガスを外に出す2つのバルブ装置)」を搭載した新エンジンで登場し、当時
の雑誌なので大きく取り上げられ「次世代のエンジン」とまで言わせて世間を驚かせたエンジンだったのですが、、残念ながら現在の新型「YZF-R1」は普通の
「4バルブ」に戻ってしまっています(笑)。これって?もしかしたら「ヤマハのやらかし?」って思う節もあるのですが、納得の理由は他にありました(笑)。
その答え合わせは後にして、そもそも、この45度に傾いたエンジンブロック部は「高回転で高出力」を狙った設計から生まれtもので「ダウンドラフト吸気(真上
を向いたキャブレターの空気取り入れ口に、エアインテーク(フロントカウルの空気取り入れ口)からダイレクトに冷えた空気を送り込むことが可能になった構造
のこと」で「FZ750」はそのエンジン構造を持った初期モデルにあたります。ちょっと、文字だけの説明では分かりにくいですね!すみません(笑)。要するに
多くの吸気システムと排気システムで「大きな出力を得る」またエンジンブロックを45度に傾斜を設ける事で「重心を下げる」メリットや、先ほどの「ダイレクト
に空気を注入出来る」構造となってる訳です。う〜ん、も〜っと簡単に言えば「速いエンジン構造である」です(笑)。で、この構造は大型バイクより「小中
排気量に有利」と考えられ、その後の、ヤマハ初の250cc4スト並列4気筒エンジンを搭載した「FZ250フェザー」や「FZ」シリーズの2世代目となる「FZR400」
などにも採用されていきます。で、肝心の「5バルブ」からなぜ「4バルブ」に戻ってしまったか?って話ですが、性能面では明らかに「5バルブ」の方が有利な事は
間違いないのですが、問題はエンジン出力を正確に発揮させる「セッティングの難しさ」にあった様です。特にヤマハのレーシングマシンにも2000年代前半まで
この「5バルブ」が搭載されていたのですが「吸気3バルブ、排気2バルブ」は「円を描いたように配置」されてる関係上「4バルブ」のような「排気2=吸気2」とは
違い、配列の関係からセッテイングする事が非常に難しいという「デメリット」があったからとされています。特に1998年より「YZF-R1」が登場し、その車両の
ままレースに使用される「スーパースポーツ(SS)」になって、余計に問題視されることとなったんですね。この事をもっと分かりやすく例えると、2つのお手玉を
交互に回しながら投げるのと、3つのお手玉を投げるのでは難易度に大きな差がありますが、それと同じって事です(笑)。2つなら誰でもできますもんね!(笑)。
また2000年を超えてエンジン開発が進と各社独自の構造を用いて、いわゆる「可変バルブ」を搭載したモデルが普及しだすと、より「5バルブ」では構造が複雑に
なってしまう結果になる訳です。なので設計ミスという事ではなく「構造の問題」という事です。最近では180度クランクから270度クランクへとシフトした関係上、
並列4気筒エンジンでも、V型4気筒エンジンに劣らない出力を発揮してくれる様になり、ヤマハでは今もなお「motoGP」最高峰クラスで並列4気筒エンジンを採用
しています。そもそも技術的には素晴らしい発想の「5バルブ」でしたが、セッティングが困難な為に作られなくなった訳ですが、そうは言え速いマシン開発は続く
ので、次の一手として「可変バルブ」や「270度クランク」などが登場してると言えます。今日はヤマハが速さを求めて開発した「5バルブ」について考察しましたが、
分かりにくなったと思いますが、いかがだったでしょう!(笑)
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