「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

原発と戦争

2011年09月23日 | Slow Life

秋の休日。久しぶりに都内をブラブラ。

午前中は、ドキュメンタリー映像「原発、ほんまかいな?」(http://parc-jp.org/video/sakuhin/genpatsu.html)の上映会。思った以上に関心が高いようで、50人以上の人が来ているようす。

ウラン採掘、原発作業(特に定期検査)に使い捨てのように雇われ、労災認定訴訟さえもおこせなかった原発労働者、最終処分の決まっていない放射性廃棄物、カネばかりかかって先行きの見えない再処理、そして終わりの見えない福島原発事故の処理など、改めてうんざりするほどの原発の問題が提示される。

誰だってこんなことを知ったら、「できれば原発のない暮らしを」と望むだろう。実際、ピークカットや需給調整でこの夏は何とか乗り切れたし、現在の発送電体制や、電気料金の仕組みの問題点も散々指摘されている。

それでも、政策決定者や経済界は、「原発がないと安定・低廉な電気供給ができない、そうすると経済成長ができない」、という理屈で元の鞘に収まろうとする。

そういう人たちに対して、どう「過激なヤツだ」と片づけられず、説得力を持って説明していくか・・・。そういう人たちを間近に見ているだけに、悩ましい今日この頃。

午後は、写真美術館で、江成常夫氏の写真展を見た。江成氏が追いかけてきたのは、太平洋や満州など、太平洋戦争の激戦地での、物言わない戦跡や遺骨が語りかけるもの。

江成氏によれば、「日本は、15年間の太平洋戦争という過ちと、戦後もその戦争に目を背けてきたという2重の過ちをおこした。高い自殺率等、現代日本の社会病理の根は、その辺りと無縁ではない」という。

それって、福島の原発事故に対しても言えるだろう。安全神話にあぐらをかき、大多数の人が原発の安全性に目を背けてきた結果大事故を招いたが、この事態から学び、行動しなければ、より悲惨な事態を引き起こすかもしれない。