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2014年、今年も科学・宇宙の分野ではいろいろなことがあった。無人探査機が初めて彗星に着陸を果たし、移植した子宮から子供が生まれ、化石化した貝が人間の文化について再考を求めてきた。
海外サイトにて2014年度の20の偉大な科学的達成、革新、進歩がまとめられていた。こういった科学技術が、更なる発展的未来へとつながっていくのだ。
1. 現生人類登場以前に描かれた貝の模様、世界最古の芸術作品であることが判明
2007年、博物館が収蔵していた貝の化石を調査していた考古学者が偶然、意図的に掘られた抽象的なパターンを発見した。この貝は50万年以上前のもので、1890年にヒト科の祖先ホモ・エレクトスの最初の化石が発見された場所で、道具に加工された貝とともに発掘された。このことから、ホモ・エレクトスはこれまで考えられてきたよりも、ずっと洗練されており、表象的思考が可能であったことが推察されていた。
今年、それから7年間の調査に基づき、出土した貝は世界最古の芸術作品と道具であることが確認されたと発表された。この遺物の本来の目的について反論する学者も存在するが、この発見により、人間の認知機能、すなわち文明が非常に長い期間をかけて発展してきた可能性が投げかけられた。
2. ビッグバンの証拠に待ったをかけた宇宙ゴミ(スペースデブリ)
2014年3月、あるプレスカンファレンスを視聴しようと世界中からアクセスがあったため、ハーバード大学のサーバーがダウンするという事態が発生した。そのカンファレンスのテーマは重力波についてである。しかし、まったく新しい事実を知るチャンスなど滅多にあるものでないのだから、それも当然だったかもしれない。科学者たちはついに宇宙マイクロ波背景放射において、Bモード偏光という特定のパターンを観測することに成功したのだ。これはビッグバンから10~34秒経った原初の宇宙でピークに達すると予測されていたものである。
しかし、この発表から間もなく、この発見は実験によるノイズである可能性が高いことが明らかとなった。そして、その数ヶ月後に、観測されたBモード偏光の原因はどうやら宇宙塵であることが確認される。科学において大発見が定着するまでにはしばらく時間がかかるものだが、この事例では塵が全てを台無しにしたのだ。科学者たちは、真のBモード偏光を検出すべく、既に次の観測を予定している。
3. 移植した子宮から生まれた世界初の赤ちゃん
出産直後の赤ちゃん(出典:Brannstram et al.)
9月下旬、世界で初めて子宮の移植手術を受けた女性が赤ちゃんを出産した。このことは、子宮の問題で悩む女性に大きな希望を与えることになるはずだ。見事出産を果たしたのは、先天性障害のために子宮を持っていなかった36歳の女性で、2012~2013年に生体子宮移植を受けた9人のスウェーデン人女性のうちの1人だ。子宮のドナーは、既に7年前に閉経を迎えた61歳の女性だったそうだ。
4. 若い血液によって若返った年老いた脳
数年ほど前、スタンフォード大学の科学者が若いネズミの血液を注射することで、老ネズミの認知機能の衰えを回復できることを発見した。この時点においてその仕組みは不明であったが、今年発表されたいくつかの研究により、若返りのメカニズムの解明が進んだ。
5. 宇宙船オリオンが懐疑論者を一蹴
2014年12月5日7時05分、オリオンを先端に乗せ発射するデルタIVヘビー型(出典:NASA/Bill Ingalls)
NASAが深宇宙へ人類を送り込むと発表したとき、多くの嘲笑と懐疑論の洗礼を受けた。オリオンの開発にあたっても、そのような嘲りが止むことはなかった。この宇宙船が月のその先へ人類を送り込む性能を持つと信じる者であっても、莫大な予算やスケジュールの遅れなど、失敗に彩られた政府プロジェクトとなると見ていたのだ。
12月、NASAはこうした懐疑論が誤っていることを証明した。最初で最後となる無人飛行テストでオリオンは、フロリダから完璧な打ち上げを成し遂げ、ヴァン・アレン帯まで上昇した後、太平洋に着水した。これはただのテスト飛行に過ぎないが、それでも夢が現実へと変わった紛れもない瞬間であったのだ。次回のオリオンの打ち上げは有人飛行であり、その次には小惑星への有人飛行が待っている。
6. 史上最大のロボットの群れ
大規模な自律的スワームを作り出し、プログラムすることが可能。限定的かつちょこまかした個々のロボットが協調することで、総体として複雑な挙動を示す
8月、マーク・ルーベンシュタイン氏らのチームが史上最高に印象的なロボットスワームを発表した。低コストで製造される、数センチほどの大きさしかない”キロボット”と呼ばれる1,024体が自律的に集合し、様々な2次元パターンを描き出すのだ。それは迅速とは言い難いが、互いの側をカタカタと動き回りながら、全体で複雑な行動を成し遂げる。しかもこれは自律的に行われるのだ。アリが1億匹以上のコロニーを作り出すことを考えれば、1,024体のキロボットは非常に恥ずかしがり屋と言えるかもしれないが、群衆ロボット工学においては大きな一歩である。
7. 居住可能地帯に地球とほぼ同じ大きさの惑星を発見
ケプラー186fのイメージ(出典:NASA Ames/SETI Institute/JPL-CalTech)
4月、ケプラー186fが発見されたと発表された。地球とほぼ同じ大きさであり、親星との距離も液体の水が存在しうる適切なものだ。NASAと共同で研究を進めるトム・バークレー氏によれば、本研究の究極の目的は、「我々は孤独な存在なのか?」という疑問に答を出すことだそうだ。その目標の前段階として、「地球のような惑星は他にも存在するか?」という疑問に答える必要がある。そして、答が「イエス」である可能性は非常に高くなった。
8. 地球の奥深くに海に匹敵する水が存在?
数々の実験を経て、地質学者は衝撃的な結論を下した。地球の地下深く、液体金属殻とその外部地殻の間にある高圧のマントル層には、海に匹敵する水が存在するというのだ。過去数十年間、地球の膨大な海の水の発生源は大きな謎だった。通説では、氷の彗星が地球に衝突し溶けたことで、海が形成されたとされている。
しかし、地球が形成された時点で既に水が含まれていたという説もあり、今回の発見で信憑性が高まることになった。この説によれば、塵と岩石が結合して地球が作られる過程で、地殻の内側に存在する岩石に水が閉じ込められたらしい。
9. ラニアケア超銀河団
我々が存在する超銀河団は、これまで考えられていたものの100倍の体積と質量を持っていた。革新的なマッピング技術により作成された超巨大な区域は、ラニアケア超銀河団と名付けられた。この研究が超銀河団同士の境界を明確にしたことで、銀河をとりまく環境をまったく新しい視点から見ることが可能となったのだ。
Laniakea: Our home supercluster
10. 99.999%の精度でリチャード3世の遺体を確認
史上最古の法医学検査と呼ばれていた案件に決着がついた。最新の遺伝子分析法により、英レスターにある王族領地であった土地の駐車場から発見された人骨に、疑問の余地のない証拠が突きつけられた。これによってリチャード3世の容姿や一族に関する新事実が明らかとなったのだ。
11. エンケラドゥスに隠れた海が存在。生命は存在するのか?
2005年、NASAの探査機カッシーニが土星の衛星エンケラドゥスの表面にある、”タイガーストライプ”と呼ばれるひび割れから水蒸気が噴出していると思われる映像を撮影した。今年4月、カッシーニによる重力測定を分析した結果、氷の衛星の地下には大量の水が存在することが確認された。さらにエンケラドゥスは、氷の外層とケイ酸塩の岩石殻という2つの層で構成されていることも判明した。
これらの事実から推測すると、エンケラドゥスはどうやら生命が存在する可能性を秘めているようなのだ。それから4ヶ月もしないうちに、カッシーニのチームはエンケラドゥスの間欠泉は地下の海と直接繋がっていることを示す証拠を見つけた。まさに記念すべき発見である。現在、同チームは太陽系内に第二の生命の故郷があるのか調査を進めている。
12. 水中洞窟で発見された頭蓋骨が示すアメリカ大陸最初の移住者の手がかり
アメリカ大陸先住民の祖先パレオ・インディアンはおよそ15,000年前にアメリカ西海岸へ進出したが、インカ帝国やマヤ文明のような長期間に渡って隆盛した文明を生み出すことはなかった。
パレオ・インディアンとネイティブ・アメリカンが有する顔の特徴から、これまで両者は異なる祖先を持つと考えられてきた。しかし、今年、メキシコ沿岸の水中洞窟で発見された頭蓋骨から、ベーリング地峡に住んでいた共通の祖先を持つことが明らかとなっている。両者の顔つきの違いは、どうやら生活習慣の違いがもたらしたものらしい。
13. 超巨大恐竜ドレッドノータス
ドレクセル大学の古生物学者ケネス・ラコバラ氏のチームが草食性ティタノサウルス類竜脚類と推測するドレッドノータス・シュラニは、体長26mに達すると推定されている。尻尾は9mあり、90cm以上ある椎骨が連なる首は11mの長さだ。ラコバラ氏の子供が並んで写る写真の肩甲骨は、1.7mの高さを持つ。まさに最大のティタノサウルス類である。
1.8mある大腿骨を分析した結果から、ドレッドノータスはおよそ7700万年前に生きていたと推測されている。生前の体重は65トンであり、これまで最大だった47トンのエラルタイタンを大きく上回っている。まさに空前絶後の巨大さと言えよう。
14. 木星の衛星エウロパが活発な地質構造を持つ証拠
北半球に線が走るエウロパのフォールス・カラー画像。沈み込み帯の存在が推測される(出典:NASA/JPL/University of Arizona)
エウロパで実施された最新の地質調査では、惑星上で20,000km2もの表面が消失していることが判明している。9月、エウロパのプレートテクトニクスが隣接プレートの下にある表面の古い部分を動かしていることを示唆する証拠が発表された。これが事実であれば、エウロパは地球を除けば、太陽系で唯一活発なプレートテクトニクスによって未だに形作られている天体であることになる。
15. 糖尿病1型治療に光を当てる肝細胞
β細胞から抽出された肝細胞(出典:Douglas Melton)
β細胞はインシュリンを産生する細胞であり、血糖値の調整を助ける膵臓で発見された。糖尿病1型の患者のβ細胞は、自身の免疫によって破壊されてしまう。そこで破壊された細胞を人工的に培養した細胞で置き換えることによって、この治療が行えるかもしれない。10月、ハーバード大学の研究者が未発達の肝細胞を、細胞移植が可能になる量のβ細胞に転換させる手法を発表した。この合成細胞を自己免疫から守る方法はまだ明らかではないが、細胞由来のβ細胞を使った動物実験は既に開始されている。
16. 遺伝子アルファベットが拡張された生物
あらゆる生命の遺伝情報は、アデニン、チミン、グアニン、シトシンの4種類で構成されている。A、T、G、Cで表されるこの構成単位には無数の組み合わせが存在する。ところが今年5月、世界で初めてATGC以外の文字を生きた大腸菌の遺伝子に組み込むことに成功したと発表された。この再構成された大腸菌は2つの人工DNA構成単位を持っている。当然、DNAであるために次の世代に遺伝されてゆく。
17. 人工酵母染色体をゼロから作成
世界初の人工ウイルスが作られたのは20年前のことだ。それから8年後、バクテリアの合成ゲノムが作成された。2012年までには、完全な生体コンピューターモデルまで開発されている。そして、今年3月、国際チームが完全に機能する合成酵母染色体を再現することに成功した。この7年越しのブレイクスルーは、将来的に人間の器官も含めた、カスタム有機体の作成を可能とするだろう。
18. 新種の生殖器官 ”Gynosome” を発見
ブラジルの科学者ホドリゴ・フェレイラ氏は、スイスの昆虫学者チャールズ・リーンハルト氏に数匹の昆虫標本を送った。後にこの昆虫は完全に新しい属に属することが判明し、トリカヘチャタテ(Neotrogla属)と名付けられた。この昆虫のメスは”陰茎状”の交尾器を有しており、これは”Gynosome(メスの陰茎)”と命名された。
洞窟を主な生息地とするトリカヘチャタテのメスはこの生殖器をオスに挿入して、精子を受け取る。動物界では初めての例であり、従来の性淘汰理論に大きな難問を突きつけるだろう。
19. ストーンヘンジで2つの大発見
考古学者は長い間、ストーンヘンジに建てられた新石器時代の巨石はかつては完全な円環形だったのではなかいと推測してきた。これまで、この説を証明する決定的な証拠を欠いていたが、この9月、ストーンヘンジが円形に並べられていたことを示す乾いた草の区画が見つかった。
それから2週間もしないうちに、地中レーダーによる調査で、未発見の古墳や祭壇らしきものが検出された。特筆すべきは、およそ330mに渡ってC字に並べられた50個以上の巨石からなる記念碑である。この発見によって、ストーンヘンジが何もない辺鄙な土地に作られたという説は完全に覆された。
20. 彗星探査機フィラエが彗星に着陸
今をさかのぼること10年前、欧州宇宙機関の科学者は無人着陸機フィラエを搭載した彗星探査機ロゼッタをミッションに送り出した。このミッションはチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のデータを収集することである。
今年11月、ロゼッタは彗星周囲の軌道に到達し、フィラエは彗星に向かって切り離された。想定外のバウンドを2回繰り返した後、フィラエは崖の影が差す地点に着地した。これは人類の宇宙探査史初となる、無人探査機が彗星表面に着地した瞬間である。ここから得られたデータによって、宇宙の理解はさっそく塗り替えられている。
via:io9
☆4.の若返り、頑張るのじゃ~!
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海外サイトにて2014年度の20の偉大な科学的達成、革新、進歩がまとめられていた。こういった科学技術が、更なる発展的未来へとつながっていくのだ。
1. 現生人類登場以前に描かれた貝の模様、世界最古の芸術作品であることが判明
2007年、博物館が収蔵していた貝の化石を調査していた考古学者が偶然、意図的に掘られた抽象的なパターンを発見した。この貝は50万年以上前のもので、1890年にヒト科の祖先ホモ・エレクトスの最初の化石が発見された場所で、道具に加工された貝とともに発掘された。このことから、ホモ・エレクトスはこれまで考えられてきたよりも、ずっと洗練されており、表象的思考が可能であったことが推察されていた。
今年、それから7年間の調査に基づき、出土した貝は世界最古の芸術作品と道具であることが確認されたと発表された。この遺物の本来の目的について反論する学者も存在するが、この発見により、人間の認知機能、すなわち文明が非常に長い期間をかけて発展してきた可能性が投げかけられた。
2. ビッグバンの証拠に待ったをかけた宇宙ゴミ(スペースデブリ)
2014年3月、あるプレスカンファレンスを視聴しようと世界中からアクセスがあったため、ハーバード大学のサーバーがダウンするという事態が発生した。そのカンファレンスのテーマは重力波についてである。しかし、まったく新しい事実を知るチャンスなど滅多にあるものでないのだから、それも当然だったかもしれない。科学者たちはついに宇宙マイクロ波背景放射において、Bモード偏光という特定のパターンを観測することに成功したのだ。これはビッグバンから10~34秒経った原初の宇宙でピークに達すると予測されていたものである。
しかし、この発表から間もなく、この発見は実験によるノイズである可能性が高いことが明らかとなった。そして、その数ヶ月後に、観測されたBモード偏光の原因はどうやら宇宙塵であることが確認される。科学において大発見が定着するまでにはしばらく時間がかかるものだが、この事例では塵が全てを台無しにしたのだ。科学者たちは、真のBモード偏光を検出すべく、既に次の観測を予定している。
3. 移植した子宮から生まれた世界初の赤ちゃん
出産直後の赤ちゃん(出典:Brannstram et al.)
9月下旬、世界で初めて子宮の移植手術を受けた女性が赤ちゃんを出産した。このことは、子宮の問題で悩む女性に大きな希望を与えることになるはずだ。見事出産を果たしたのは、先天性障害のために子宮を持っていなかった36歳の女性で、2012~2013年に生体子宮移植を受けた9人のスウェーデン人女性のうちの1人だ。子宮のドナーは、既に7年前に閉経を迎えた61歳の女性だったそうだ。
4. 若い血液によって若返った年老いた脳
数年ほど前、スタンフォード大学の科学者が若いネズミの血液を注射することで、老ネズミの認知機能の衰えを回復できることを発見した。この時点においてその仕組みは不明であったが、今年発表されたいくつかの研究により、若返りのメカニズムの解明が進んだ。
5. 宇宙船オリオンが懐疑論者を一蹴
2014年12月5日7時05分、オリオンを先端に乗せ発射するデルタIVヘビー型(出典:NASA/Bill Ingalls)
NASAが深宇宙へ人類を送り込むと発表したとき、多くの嘲笑と懐疑論の洗礼を受けた。オリオンの開発にあたっても、そのような嘲りが止むことはなかった。この宇宙船が月のその先へ人類を送り込む性能を持つと信じる者であっても、莫大な予算やスケジュールの遅れなど、失敗に彩られた政府プロジェクトとなると見ていたのだ。
12月、NASAはこうした懐疑論が誤っていることを証明した。最初で最後となる無人飛行テストでオリオンは、フロリダから完璧な打ち上げを成し遂げ、ヴァン・アレン帯まで上昇した後、太平洋に着水した。これはただのテスト飛行に過ぎないが、それでも夢が現実へと変わった紛れもない瞬間であったのだ。次回のオリオンの打ち上げは有人飛行であり、その次には小惑星への有人飛行が待っている。
6. 史上最大のロボットの群れ
大規模な自律的スワームを作り出し、プログラムすることが可能。限定的かつちょこまかした個々のロボットが協調することで、総体として複雑な挙動を示す
8月、マーク・ルーベンシュタイン氏らのチームが史上最高に印象的なロボットスワームを発表した。低コストで製造される、数センチほどの大きさしかない”キロボット”と呼ばれる1,024体が自律的に集合し、様々な2次元パターンを描き出すのだ。それは迅速とは言い難いが、互いの側をカタカタと動き回りながら、全体で複雑な行動を成し遂げる。しかもこれは自律的に行われるのだ。アリが1億匹以上のコロニーを作り出すことを考えれば、1,024体のキロボットは非常に恥ずかしがり屋と言えるかもしれないが、群衆ロボット工学においては大きな一歩である。
7. 居住可能地帯に地球とほぼ同じ大きさの惑星を発見
ケプラー186fのイメージ(出典:NASA Ames/SETI Institute/JPL-CalTech)
4月、ケプラー186fが発見されたと発表された。地球とほぼ同じ大きさであり、親星との距離も液体の水が存在しうる適切なものだ。NASAと共同で研究を進めるトム・バークレー氏によれば、本研究の究極の目的は、「我々は孤独な存在なのか?」という疑問に答を出すことだそうだ。その目標の前段階として、「地球のような惑星は他にも存在するか?」という疑問に答える必要がある。そして、答が「イエス」である可能性は非常に高くなった。
8. 地球の奥深くに海に匹敵する水が存在?
数々の実験を経て、地質学者は衝撃的な結論を下した。地球の地下深く、液体金属殻とその外部地殻の間にある高圧のマントル層には、海に匹敵する水が存在するというのだ。過去数十年間、地球の膨大な海の水の発生源は大きな謎だった。通説では、氷の彗星が地球に衝突し溶けたことで、海が形成されたとされている。
しかし、地球が形成された時点で既に水が含まれていたという説もあり、今回の発見で信憑性が高まることになった。この説によれば、塵と岩石が結合して地球が作られる過程で、地殻の内側に存在する岩石に水が閉じ込められたらしい。
9. ラニアケア超銀河団
我々が存在する超銀河団は、これまで考えられていたものの100倍の体積と質量を持っていた。革新的なマッピング技術により作成された超巨大な区域は、ラニアケア超銀河団と名付けられた。この研究が超銀河団同士の境界を明確にしたことで、銀河をとりまく環境をまったく新しい視点から見ることが可能となったのだ。
Laniakea: Our home supercluster
10. 99.999%の精度でリチャード3世の遺体を確認
史上最古の法医学検査と呼ばれていた案件に決着がついた。最新の遺伝子分析法により、英レスターにある王族領地であった土地の駐車場から発見された人骨に、疑問の余地のない証拠が突きつけられた。これによってリチャード3世の容姿や一族に関する新事実が明らかとなったのだ。
11. エンケラドゥスに隠れた海が存在。生命は存在するのか?
2005年、NASAの探査機カッシーニが土星の衛星エンケラドゥスの表面にある、”タイガーストライプ”と呼ばれるひび割れから水蒸気が噴出していると思われる映像を撮影した。今年4月、カッシーニによる重力測定を分析した結果、氷の衛星の地下には大量の水が存在することが確認された。さらにエンケラドゥスは、氷の外層とケイ酸塩の岩石殻という2つの層で構成されていることも判明した。
これらの事実から推測すると、エンケラドゥスはどうやら生命が存在する可能性を秘めているようなのだ。それから4ヶ月もしないうちに、カッシーニのチームはエンケラドゥスの間欠泉は地下の海と直接繋がっていることを示す証拠を見つけた。まさに記念すべき発見である。現在、同チームは太陽系内に第二の生命の故郷があるのか調査を進めている。
12. 水中洞窟で発見された頭蓋骨が示すアメリカ大陸最初の移住者の手がかり
アメリカ大陸先住民の祖先パレオ・インディアンはおよそ15,000年前にアメリカ西海岸へ進出したが、インカ帝国やマヤ文明のような長期間に渡って隆盛した文明を生み出すことはなかった。
パレオ・インディアンとネイティブ・アメリカンが有する顔の特徴から、これまで両者は異なる祖先を持つと考えられてきた。しかし、今年、メキシコ沿岸の水中洞窟で発見された頭蓋骨から、ベーリング地峡に住んでいた共通の祖先を持つことが明らかとなっている。両者の顔つきの違いは、どうやら生活習慣の違いがもたらしたものらしい。
13. 超巨大恐竜ドレッドノータス
ドレクセル大学の古生物学者ケネス・ラコバラ氏のチームが草食性ティタノサウルス類竜脚類と推測するドレッドノータス・シュラニは、体長26mに達すると推定されている。尻尾は9mあり、90cm以上ある椎骨が連なる首は11mの長さだ。ラコバラ氏の子供が並んで写る写真の肩甲骨は、1.7mの高さを持つ。まさに最大のティタノサウルス類である。
1.8mある大腿骨を分析した結果から、ドレッドノータスはおよそ7700万年前に生きていたと推測されている。生前の体重は65トンであり、これまで最大だった47トンのエラルタイタンを大きく上回っている。まさに空前絶後の巨大さと言えよう。
14. 木星の衛星エウロパが活発な地質構造を持つ証拠
北半球に線が走るエウロパのフォールス・カラー画像。沈み込み帯の存在が推測される(出典:NASA/JPL/University of Arizona)
エウロパで実施された最新の地質調査では、惑星上で20,000km2もの表面が消失していることが判明している。9月、エウロパのプレートテクトニクスが隣接プレートの下にある表面の古い部分を動かしていることを示唆する証拠が発表された。これが事実であれば、エウロパは地球を除けば、太陽系で唯一活発なプレートテクトニクスによって未だに形作られている天体であることになる。
15. 糖尿病1型治療に光を当てる肝細胞
β細胞から抽出された肝細胞(出典:Douglas Melton)
β細胞はインシュリンを産生する細胞であり、血糖値の調整を助ける膵臓で発見された。糖尿病1型の患者のβ細胞は、自身の免疫によって破壊されてしまう。そこで破壊された細胞を人工的に培養した細胞で置き換えることによって、この治療が行えるかもしれない。10月、ハーバード大学の研究者が未発達の肝細胞を、細胞移植が可能になる量のβ細胞に転換させる手法を発表した。この合成細胞を自己免疫から守る方法はまだ明らかではないが、細胞由来のβ細胞を使った動物実験は既に開始されている。
16. 遺伝子アルファベットが拡張された生物
あらゆる生命の遺伝情報は、アデニン、チミン、グアニン、シトシンの4種類で構成されている。A、T、G、Cで表されるこの構成単位には無数の組み合わせが存在する。ところが今年5月、世界で初めてATGC以外の文字を生きた大腸菌の遺伝子に組み込むことに成功したと発表された。この再構成された大腸菌は2つの人工DNA構成単位を持っている。当然、DNAであるために次の世代に遺伝されてゆく。
17. 人工酵母染色体をゼロから作成
世界初の人工ウイルスが作られたのは20年前のことだ。それから8年後、バクテリアの合成ゲノムが作成された。2012年までには、完全な生体コンピューターモデルまで開発されている。そして、今年3月、国際チームが完全に機能する合成酵母染色体を再現することに成功した。この7年越しのブレイクスルーは、将来的に人間の器官も含めた、カスタム有機体の作成を可能とするだろう。
18. 新種の生殖器官 ”Gynosome” を発見
ブラジルの科学者ホドリゴ・フェレイラ氏は、スイスの昆虫学者チャールズ・リーンハルト氏に数匹の昆虫標本を送った。後にこの昆虫は完全に新しい属に属することが判明し、トリカヘチャタテ(Neotrogla属)と名付けられた。この昆虫のメスは”陰茎状”の交尾器を有しており、これは”Gynosome(メスの陰茎)”と命名された。
洞窟を主な生息地とするトリカヘチャタテのメスはこの生殖器をオスに挿入して、精子を受け取る。動物界では初めての例であり、従来の性淘汰理論に大きな難問を突きつけるだろう。
19. ストーンヘンジで2つの大発見
考古学者は長い間、ストーンヘンジに建てられた新石器時代の巨石はかつては完全な円環形だったのではなかいと推測してきた。これまで、この説を証明する決定的な証拠を欠いていたが、この9月、ストーンヘンジが円形に並べられていたことを示す乾いた草の区画が見つかった。
それから2週間もしないうちに、地中レーダーによる調査で、未発見の古墳や祭壇らしきものが検出された。特筆すべきは、およそ330mに渡ってC字に並べられた50個以上の巨石からなる記念碑である。この発見によって、ストーンヘンジが何もない辺鄙な土地に作られたという説は完全に覆された。
20. 彗星探査機フィラエが彗星に着陸
今をさかのぼること10年前、欧州宇宙機関の科学者は無人着陸機フィラエを搭載した彗星探査機ロゼッタをミッションに送り出した。このミッションはチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のデータを収集することである。
今年11月、ロゼッタは彗星周囲の軌道に到達し、フィラエは彗星に向かって切り離された。想定外のバウンドを2回繰り返した後、フィラエは崖の影が差す地点に着地した。これは人類の宇宙探査史初となる、無人探査機が彗星表面に着地した瞬間である。ここから得られたデータによって、宇宙の理解はさっそく塗り替えられている。
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