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2016年、考古学者らが期待してやまない6つの事柄とそこから解明される新事実

2016年02月17日 | 世界びっくりニュース
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 古代の王族の遺骨、謎めいた遺物、聖書に記載される都市の手がかりなど、考古学者は人類の過去を愛してやまない。過去は現在、そして未来へとつながっており、彼らの尽力で発見された事実はまるでパズルのピースのごとく、新たなる事実が明かされる手がかりとなるのだ。

 2016年、考古学者らが心待ちにしている6つの事柄があるという。

1. 旧人の作品

1_e0サウジアラビアの火山の斜面発見された4つの”ゲート

 2015年に中東でなされた調査から、幾何学模様を描く無数の石製構造物が注目を集めることになった。これは第一次世界大戦中のパイロットも発見したことがある代物で、遊牧民のベドウィンたちは”旧人の作品(works of the old men)”と呼んでいた。

 2016年、これについてさらなる詳細が明らかとなるだろう。現在、サウジアラビアでは”ゲート”と呼ばれる種類のものが調査されている。ゲートが作られた目的は不明であるが、これまで数百個が発見されており、そのいくつかは火山の傾斜で見つかっている。

 またヨルダンでは、”カット・シェビブ(Khatt Shebib)”という謎めいた長壁の調査が進められている。その目的、年代、長さ(少なくとも数kmはある)については議論が交わされているが、今年の調査から最新情報が得られるだろう。


2. スーダンの発掘ブーム

2_e)スーダンの有名な遺跡ゲベル・バルカル

 2014年、カタール政府はスーダンの遺跡調査と保存に160億円相当の予算を確保すると発表した。考古学史上稀に見る巨額の予算であり、数々の発掘調査が進められることになるだろう。

 例えば、スーダンの古代都市ジェマトン(Gematon)では複数のプロジェクトの同時進行が可能となり、都市、墓地、ピラミッド、地形などが調査される。


3. ツタンカーメンの王墓に隠し部屋が存在?

3_eツタンカーメンの王墓は1922年にハワード・カーターによって発見された

  2015年、エジプト考古学者ニコラス・リーブスは大胆な仮説を発表した。それによれば、ツタンカーメンの王墓には隠し扉が2つ存在し、おそらくは義母であるネフェルティティ王妃が埋葬された部屋につながっているというのだ。エジプト考古学庁も注目し、レーダーを使用した調査が許可された。
 
 レーダーによる画像は現在分析中であるが、最近エジプト考古学庁から隠し部屋が存在する可能性が高い旨の発表があった(ネフェルティティが埋葬されているかどうかは不明)。しかし問題が1つある。仮に部屋があるのだとしても、実際に発掘は行われるのだろうか? それは3,300年前に作られた王墓を傷つけることを意味する。


4. 状況の改善 - 考古学者がイラク北部へ

4_eイラクのクルド人自治区の首都アルビール

 朗報を1つ。2015年にあまり報道されなかったことであるが、イラク北部の情勢が変化しつつある。2014年夏頃の戦況は思わしくなかった。イスラム国が攻勢を強め、モースルを占拠すると、大量の武器と資金を手中に収めた。またイラクのクルド人自治区の首都であるアルビールまでも目前に迫っていた。

 しかし昨年クルド軍は、味方からの航空支援を受け、イスラム国をモースルまで撤退させることに成功した。これが同地域の治安改善につながり、ケンブリッジ大学の発掘調査チームがシャニダール洞窟(ネアンデルタール人の埋葬地)の調査を再開する運びとなった。治安が向上すれば、さらに多くの考古学者たちが戻ってくるだろう。

 戦況次第では、イスラム国に破壊されてしまったイラク北部の遺跡調査も行えるかもしれない。遺物の回収や遺跡の修復などが期待される。

5. 盗掘品の取り締まり

5_e盗掘品の取り締まりにFBIも乗り出した

 現在イスラム国などのテログループと戦争状態にある中東では、盗掘された古文化財の違法取引が大きな問題となっている。2月、国連では全会一致で決議第2199号が採択され、シリアやイラクからの盗掘品の違法取引を取り締まるよう加盟国に義務付けることになった。

 米国務省によれば、こうした違法取引はイスラム国が武器や弾薬を買う資金源にもなっているという。またFBIは、シリアやイラクからの古文化財に気をつけるようコレクターに注意を喚起している。

 10月には聖書など、希少な古文化財を取り揃える世界最大のプライベートコレクションであるグリーン・コレクションがFBIの調査を受けたと報道された。4万点のコレクションの一部が盗掘品の疑いがかけられている。グリーン・コレクションの所有者で、ホビー・ロビー社の社長でもあるスティーブ・グリーン氏は、2017年にワシントンで開館予定の聖書美術館の支援者で、聖書関連の遺物に関して、FBIの調査に協力するつもりだという。

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6. キリストの妻の福音書

6_e名刺大のパピルスにはキリストの妻について言及されている

 2012年9月、ハーバード大学のカレン・キング教授によって、キリストに妻がいたことを示唆するパピルス文書を発見したと発表された。コプト語(ギリシア文字を用いたエジブト語)で記されたそれには、「キリストは彼らに『私の妻…』と話した」とあり、またおそらくマグダラのマリアと思われる「マリア」という名に言及している。

 キング教授はパピルスにはキリストが結婚していたかどうかは記されていないと、慎重な態度を取っている。とは言え、古代では一部からキリストが妻帯者だったと考えられていたことを示すものとして、マスコミにも大きく取り上げられた。

 2014年の調査からは、パピルスは本物であるが、キリストが生きた時代よりずっと後の1,200年前のものであるという結果が得られている。キング教授の考えでは、パピルスは前の時代の文献のコピーであるという。

 しかし、それ以来、一連の研究が、パピルスは実は現代の偽造文書ではないかと論じるようになった。昨年、パピルスの出処を示唆する新しい文書が発見された。これはパピルスの元所有者とされるハンス・ウルリッヒ・ラウカンプの生涯を記したものだ。さらにコロンビア大学の研究者によって、インクの調査も行われ、その結果は今年発表される予定だ。

 これらの新しい文書とインク調査から、おそらくキリストの妻の福音書がいつ書かれたのか、あるいはそれが偽造であるのならば、誰が、どうやって作ったのか明らかになるだろう。

via:livescience

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