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地獄の蓋が開き、街中にゾンビが溢れだす。あるいはエイリアンが襲来して地球の侵略を開始したり、危険なウイルスが蔓延して社会機能が麻痺したり...
そんな文明が崩壊した終末世界で必死に生きる人間たちのドラマが大好きという人もいるだろう。
アメリカ、シカゴ大学の研究によると、面白いことに、そうした「終末系」や「破滅系」、「ホラー系」の映画が好きな人は、今回のコロナパンデミックに上手く適応しているそうだ。
シカゴ大学の心理学者のコルタン・スクリヴナー氏はこう語る。
スクリヴナー氏らが行なった研究は、参加者310名に映画の好みやこれまでに観た映画を質問した上で、パンデミックへの備えや、実際に経験している不安・うつ・苛立ち・不眠の度合いについて尋ねるというものだ。
そしてまず判明したのは、ホラー映画ファンは、大多数の人と比べて、今の状況下でもそれほどストレスを感じていないらしいということだった。
だが、心理面と現実面の双方において一番柔軟かつきちんと備えることができていたのは、世界の終末が描かれた映画ファンだったという。
この結果は、性別・年齢・映画そのものが好きかどうか・パーソナリティ特性(神経症的傾向や誠実性)といった要素を加味して分析しても当てはまったとのことだ。
スクリヴナー氏は、この結果についていくつもの要因が絡んでいると考えている。その1つとして指摘しているのが、映画を観ることで文明が崩壊した世界をリハーサルできるだろうことだ。
たとえば『コンテイジョン』という感染症の恐怖を描いた2011年の作品がある。この映画は、10年近く前の作品でありながら、まさに現在の状況を描いているかのようだと話題になったものだ。
女性が空港のバーで使用したクレジットカードをカメラが追い、感染を予感させるシーン――。レストランで咳をする女性の姿を見て、怯える男性――。レンギョウに由来するホメオパシーで感染症が治るというデマが拡散され、薬局に殺到する人々――。
まさにコロナウイルスが蔓延した今の世界をそのまま反映したかのような場面だ。
映画『コンテイジョン』予告編
映画で描かれている場面は迫真に迫っているからこそ、それを観ることで、危機的な状況に冷静に対応する術を学ぶことができる。検疫や供給不足といったパンデミックならではの事態に慣れることができる。
「映画の中で100回も目にすれば、それほど警戒しなくなりますよ」とスクリヴナー氏。映画を観れば、実際に悪い状況が訪れてしまったときに皆で協力し合う練習をする機会にもなるだろうとも述べている。
パンデミックになれば、ウイルスを封じ込めるために都市封鎖が行われ、誰かと会うというそれまで当たり前だったはずの行為すらままならなくなる。
このような状況では、人々は孤立しやすく、状況が本来の危険以上にマズいものに思えてきたりする。こうしたことも映画で学ぶことができる。
『イット・カムズ・アット・ナイト』は、未知の病原体で社会が崩壊した後、森の中でひっそりと暮らす一家のパラノイアを描いた作品だ。
「この作品から分かるのは、脅威に関するパラノイアが、実際の状況以上の苦しみを生み出すことがあるということでしょう」とスクリヴナー氏は話す。
映画『イット・カムズ・アット・ナイト』予告編
恐ろしい状況や悲惨な状況がエンターテイメントになる理由は、心理学者などの間ではかねてからの疑問だったそうだ。
仮説としては、それによってある種のカタルシスが得られるという説や、恐怖をもたらす刺激によって得られる感覚が本質的に快感であるからといった説が提唱されてきた。
だがまた別の可能性として、ホラー映画などは現実のシミュレーションとして利用でき、特に命が関わるような状況についての重要な知見を得ることができるという仮説もある。
「一晩悪夢にうなされる程度の代償で、パンデミックが到来してしまった世界の様子を学ぶことができます」と、スクリヴナー氏。
恐ろしい映画なんて大嫌いという人も、それがいつの日かあなたの命を救う可能性もあるのだから、思い切って観てみるのもいいかもしれない。どんなに怖くても死ぬことはない。
この研究は『Social Psychology and Personality Science』に投稿(6月30日付。査読待ち)された。
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終末映画が好きな人はパンデミックに適応しやすい / Pixabay
地獄の蓋が開き、街中にゾンビが溢れだす。あるいはエイリアンが襲来して地球の侵略を開始したり、危険なウイルスが蔓延して社会機能が麻痺したり...
そんな文明が崩壊した終末世界で必死に生きる人間たちのドラマが大好きという人もいるだろう。
アメリカ、シカゴ大学の研究によると、面白いことに、そうした「終末系」や「破滅系」、「ホラー系」の映画が好きな人は、今回のコロナパンデミックに上手く適応しているそうだ。
終末、ホラー映画好きはパンデミックに適応しやすい
シカゴ大学の心理学者のコルタン・スクリヴナー氏はこう語る。
いい映画なら、引き込まれて登場人物に感情移入してしまうので、図らずもそのような状況のリハーサルを行うことになります
スクリヴナー氏らが行なった研究は、参加者310名に映画の好みやこれまでに観た映画を質問した上で、パンデミックへの備えや、実際に経験している不安・うつ・苛立ち・不眠の度合いについて尋ねるというものだ。
そしてまず判明したのは、ホラー映画ファンは、大多数の人と比べて、今の状況下でもそれほどストレスを感じていないらしいということだった。
だが、心理面と現実面の双方において一番柔軟かつきちんと備えることができていたのは、世界の終末が描かれた映画ファンだったという。
この結果は、性別・年齢・映画そのものが好きかどうか・パーソナリティ特性(神経症的傾向や誠実性)といった要素を加味して分析しても当てはまったとのことだ。
Pixabay
映画で文明崩壊後の世界をリハーサル
スクリヴナー氏は、この結果についていくつもの要因が絡んでいると考えている。その1つとして指摘しているのが、映画を観ることで文明が崩壊した世界をリハーサルできるだろうことだ。
たとえば『コンテイジョン』という感染症の恐怖を描いた2011年の作品がある。この映画は、10年近く前の作品でありながら、まさに現在の状況を描いているかのようだと話題になったものだ。
女性が空港のバーで使用したクレジットカードをカメラが追い、感染を予感させるシーン――。レストランで咳をする女性の姿を見て、怯える男性――。レンギョウに由来するホメオパシーで感染症が治るというデマが拡散され、薬局に殺到する人々――。
まさにコロナウイルスが蔓延した今の世界をそのまま反映したかのような場面だ。
映画『コンテイジョン』予告編
映画で描かれている場面は迫真に迫っているからこそ、それを観ることで、危機的な状況に冷静に対応する術を学ぶことができる。検疫や供給不足といったパンデミックならではの事態に慣れることができる。
「映画の中で100回も目にすれば、それほど警戒しなくなりますよ」とスクリヴナー氏。映画を観れば、実際に悪い状況が訪れてしまったときに皆で協力し合う練習をする機会にもなるだろうとも述べている。
現実以上の苦しみ
パンデミックになれば、ウイルスを封じ込めるために都市封鎖が行われ、誰かと会うというそれまで当たり前だったはずの行為すらままならなくなる。
このような状況では、人々は孤立しやすく、状況が本来の危険以上にマズいものに思えてきたりする。こうしたことも映画で学ぶことができる。
『イット・カムズ・アット・ナイト』は、未知の病原体で社会が崩壊した後、森の中でひっそりと暮らす一家のパラノイアを描いた作品だ。
「この作品から分かるのは、脅威に関するパラノイアが、実際の状況以上の苦しみを生み出すことがあるということでしょう」とスクリヴナー氏は話す。
映画『イット・カムズ・アット・ナイト』予告編
なぜ恐怖映画は人気があるのか?
恐ろしい状況や悲惨な状況がエンターテイメントになる理由は、心理学者などの間ではかねてからの疑問だったそうだ。
仮説としては、それによってある種のカタルシスが得られるという説や、恐怖をもたらす刺激によって得られる感覚が本質的に快感であるからといった説が提唱されてきた。
だがまた別の可能性として、ホラー映画などは現実のシミュレーションとして利用でき、特に命が関わるような状況についての重要な知見を得ることができるという仮説もある。
「一晩悪夢にうなされる程度の代償で、パンデミックが到来してしまった世界の様子を学ぶことができます」と、スクリヴナー氏。
恐ろしい映画なんて大嫌いという人も、それがいつの日かあなたの命を救う可能性もあるのだから、思い切って観てみるのもいいかもしれない。どんなに怖くても死ぬことはない。
この研究は『Social Psychology and Personality Science』に投稿(6月30日付。査読待ち)された。
PsyArXiv Preprints | Pandemic Practice: Horror Fans and Morbidly Curious Individuals Are More Psychologically Resilient During the COVID-19 Pandemic
https://psyarxiv.com/4c7af/References:futurism / theguardianなど
☆こんなことになったのもすべて中共のせいじゃ!
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