新型コロナの影響が夢に現れる
社会のあり方は、去年の今頃にはまったく想像できなかったほどに変わってしまった。日本でも緊急事態宣言が出され、私たちはもはや気軽に外出することすらままならない。
海外では「第三次世界大戦」とまで称されているその戦いの相手は国家でも人でもなくウイルスである。これまで遭遇したことのない目に見えない敵にどう対処すればよいのか?人々の不安は増長するばかりだ。
おかげで、予期せぬ副作用が生じている。「ロサンゼルスタイムズ紙」によると、どうも世界では自宅待機を強いられる人々が、奇妙な夢を見るようになっているらしいのだ。
ほとんどの夢は現在の状況と関係しているようで、Twitterには、『@quarandreams』というアカウントが立ち上げられ、様々な悪夢に関するツイートが投稿されている。
例えばこんな投稿だ
新型コロナの治療薬を開発したと思ったら、そこにチョコレートミルクをこぼしちまったって夢を見た @HJriseup
コロナウイルスの悪夢を見る人っている? やたらと急なグラグラする階段を登らなくちゃならないのに、すごく混んでて、みんなウイルスだらけの手すりにつかまっているって夢を見たわ @laurahelmuth
夜、こんな夢を見た。うっかりパーティーを開いてしまって、宴もたけなわって頃にソーシャル・ディスタンスのことを思い出した。で、不安になってみんなを追い返そうとしているのに、誰も出ていきゃしないんだ @tdotsomebody
トランプ大統領がグラフの代わりに山盛りのフルーツの前で演説しようとしているんだ。「みんなフルーツは大好きだろう」ってね。なのに誰も拒否しない。すると大統領は大量のオレンジの前で何十万人って死者を発表し始めた @dansinker
悪夢は扁桃体や海馬が関係
ハーバード大学医科大学院(アメリカ)のディアドア・リー・バレット氏によれば、至極当然のことであるそうだ。『ロサンゼルス・タイムズ』誌で、ウイルス関連の写真がそこかしこに溢れていると彼女は指摘。このような状況では、おそらく医師や看護師といった医療関係者が、特に酷い悪夢を見ているだろうという。
『InStyle』では、国際夢研究協会(International Association for the Study of Dreams)のロバート・ボスナク氏が、日本、アメリカ、オーストラリア、インド、中国で同じことが起きていると説明する。
彼が2010年に行った研究によると、記憶に残りやすく、「感情的な負荷、異様さ、鮮烈さ」を感じさせる夢は、扁桃体や海馬と関係しているのだそうだ。この領域が、恐怖や怒りを司っているからだ。今のようなストレスが溜まる状況であるなら、そこにすぐに繋がりが生じてしまう。
Amygdala and hippocampus volumetry and diffusivity in relation to dreaming - De Gennaro - 2011 - Human Brain Mapping - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/hbm.21120
昼間に抑圧された心が夜に解放される
心理療法士のマーサ・クロフォード氏は、自身のブログでこのように述べている。
愛する人を失う恐怖、自分自身が死ぬかもしれない恐怖、苦しみの恐怖、他人が苦しむ姿を目にする恐怖、愛する人たちとの連絡の途絶――今、私たちは根本的かつ存在に関わる強烈な恐怖に直面している。
私たちは昼の間、自分たちを隔離せねばならない。そのため夜になると、(夢によって)その抑制機構を解放し、この状況に折り合いをつけるべく処理を始めるのだ。
夢日記のススメ
ここでちょっとアドバイスがあるという。もし変な夢ばかり見るようなら、それをできるだけ記録に残しておくとよいそうだ。
完全に眠ってしまえば、自分の頭をコントロールすることなどできないが、そうした記録があれば、心の中で一体何が起きているのか知る手がかりにはなるという。
References:You’re Not Imagining It, We’re All Having Intense ‘Quarandreams’ - UNILAD/
☆この騒動が収まったら、中国人ただではすまさんぞ!