保健福祉の現場から

感じるままに

がん対策基本法改正とがん検診、緩和ケア

2016年04月30日 | Weblog
国会がん患者と家族の会(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/index.html)ががん対策基本法改正案のパブコメを行っている(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/index.html)。改正案(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/pdf/160422_2.pdf)で注目されるのは、第一に、第10条7項の計画期間が5年から6年に変わることである。平成30年度から、医療計画(6年間)、医療費適正化計画(6年間)、介護保険事業(支援)計画(3年間)、障害福祉計画(3年間)が揃うため、当然といえる。第二に、改正案(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/pdf/160422_2.pdf)第14条2項、3項のがん検診の質の向上の規定新設も注目である。「健康診査等専門委員会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=311909)の「日本の健診(検診)制度の概要」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000104589.pdf)に示すように、市町村がん検診は健康増進法に基づいており、この際、健康増進計画の計画期間も6年にすべきではないか、と感じる方が少なくないかもしれない。第三に、改正案(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/pdf/160422_2.pdf)第15条、17条で、緩和ケアが明記されることも大きい。そういえば、「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p55「新 在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」の施設基準「「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した研修」又は「緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会等」を修了している常勤の医師がいること。」、p90「がん性疼痛緩和指導管理料の見直し;緩和ケア研修を受けていない医師が実施する「がん性疼痛緩和指導管理料2」について、1年間の経過措置を設けた上で、廃止する。」があった。第四に、改正案(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/pdf/160422_2.pdf)第20、21、22条でがん患者の就労の規定も注目される。がん情報サービス(http://ganjoho.jp/public/index.html)の「全国がん罹患モニタリング集計 2011年罹患数・率報告(平成27年3月)」(http://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/mcij2011_report.pdf)p64~「表32 全国推計値 年齢階級別罹患数; 部位別、性別」では、勤務世代で圧倒的に多いがんは「乳がん」であり、乳がん患者への支援をモデルとして推進すべきと感じる。第五に、改正案(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/pdf/160422_2.pdf)第23条のがんに関する教育の推進も施策としての展開が注目される。教育現場ではタバコやアルコール等の予防教育は行われているが、がんに関する理解を深める教育が必要になるであろう。がんは医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の柱の一つであり、今回の改正案(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/pdf/160422_2.pdf)を踏まえて、通知別表(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)別表1「がんの医療体制構築に係る現状把握のための指標例」を設定し直してもよいのではないかと感じる。がん対策は「検診受診率」と「死亡」だけで評価をする時代ではない。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする