保健福祉の現場から

感じるままに

原発事故と内部被ばく、SPEEDI

2011年03月23日 | Weblog
本日、東京都から、23区と多摩5市で、乳児が水道水を摂取しないよう呼び掛けられた(http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/press/0323suidou.pdf)。この反響は小さくないであろう。


「放射線による内部被ばくについて:津田敏秀・岡山大教授」(http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=1310)。

昨日、厚労省から「福島県における水道水中の放射性物質の検出について(3月22日)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015uci.html)、「福島第一原子力発電所付近の海水に含まれる放射性物質の濃度上昇への対応について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015q6y.html)が出ている。茨城県及び千葉県沿岸の水産物についてのモニタリング検査が強化されるらしい。食品に関しては、一昨日、出荷制限(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015p8a-img/2r98520000015p9r.pdf)されているが、新たな基準値が設定されるようである。

NHK「食品の放射線基準取りまとめ」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110322/k10014825811000.html)。22日14時27分<以下引用>
<ほうれんそうや原乳などの食品から基準値を超える放射性物質が相次いで検出されたことを受け、22日、緊急の会合を開いた、内閣府の食品安全委員会は、今後1週間をめどに、食品を通じた放射線による健康被害について基準を早急に取りまとめることになりました。食品衛生法では、チェルノブイリ原発の事故をきっかけに、輸入食品について放射性物質の基準値が定められましたが、国内で生産された食品については明確な基準値がなく、厚生労働省は、政府の原子力安全委員会が定めた食品に関する指標を暫定的に基準値として運用しています。22日に緊急に開かれた会合では、内閣府の末松副大臣が「今は国の非常事態なので、専門家を集め、緊急に一定の結論を出してもらいたい」と呼びかけ、委員からは「どのくらいの規模でサンプリングをするのか」や「データを一元的に集めてほしい」などの意見が出されました。食品安全委員会では今後、放射線の影響に詳しい専門家を呼んで検討を重ね、1週間後をめどに、食品を通じた放射線による健康被害について基準を取りまとめることにしています。食品安全委員会の小泉直子委員長は「限られた時間だが、最大限努力して、基準をまとめて提供したい」と話しています。>

NHK「11品目の野菜に放射性物質」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110323/k10014841561000.html)。23日9時6分<以下引用>
<福島県や茨城県で生産されたブロッコリーやキャベツなど、新たに11品目の野菜から国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたことが分かりました。中には基準値の160倍を超えているものもあり、厚生労働省はこれらの野菜を食べないよう呼びかけています。厚生労働省によりますと、新たに検出されたのは、いずれも、21日、福島県と茨城県で採取されたあわせて11品目の野菜です。このうち、▽福島県本宮市で生産された茎立菜(くきたちな)という葉物野菜からは国の暫定基準値の164倍に当たる8万2000ベクレルの放射性セシウムが検出されました。また、いずれも福島県の▽川俣町で生産された信夫冬菜(しのぶふゆな)という葉物野菜からは基準値の56倍に当たる2万8000ベクレル、▽西郷村の山東菜(さんとうな)からは基準値の48倍に当たる2万4000ベクレル、さらに、▽飯舘村産のブロッコリーからは基準値の27.8倍に当たる1万3900ベクレルのそれぞれ放射性セシウムが検出されました。このほか、福島県産のきゃべつ、小松菜、かぶ、ちじれ菜、アブラナ、紅菜苔(こうさいたい)、そして、茨城県産のパセリからも基準値を超える放射性物質が検出されています。また、原乳も新たに▽茨城県の水戸市と河内町で21日までに採取されたサンプルからも基準値を超える放射性物質が検出されました。このため、これらの野菜や原乳については、23日にも政府から原子力災害対策特別措置法に基づく摂取制限や出荷制限が指示される見通しです。厚生労働省によりますと、検出濃度が最も高かった茎立菜は一日100グラムを10日間食べ続けると1年間に受ける自然の放射線量のほぼ2分の1に相当するということです。厚生労働省はいずれの品目も直ちに健康に影響を与える数値ではないとしていますが、これらの野菜を食べないよう呼びかけています。>

NHK「福島産の一部野菜 摂取を制限」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110323/t10014843001000.html)。23日10時分<以下引用>
<菅総理大臣は、農産物から国の基準値を超える放射性物質が相次いで検出されたことを受けて、福島県内で生産されたほうれんそうやキャベツなどの葉物野菜とブロッコリーやカリフラワーなどについては、当分の間食べないよう指示しました。また、こうした野菜に加えて、福島県内で生産されたかぶ、それに茨城県内で生産された原乳とパセリについては、当分の間出荷を控えるよう指示しました。福島県や茨城県で生産されたキャベツやブロッコリーの野菜などからは、国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたことが分かり、中には基準値の160倍を超えているものもありました。これを受けて、菅総理大臣は、23日、福島県内で生産されたほうれんそう、キャベツ、小松菜などの葉物野菜やブロッコリーやカリフラワーなどについては、当分の間、食べないよう原子力災害対策特別措置法に基づいて指示しました。また、こうした野菜に加えて、福島県内で生産されたかぶ、それに茨城県内で生産された原乳とパセリについては、当分の間、出荷を控えるよう指示しました。国の基準値を超える放射性物質が検出された農産物を巡っては、21日、菅総理大臣は、福島県、茨城県、栃木県、群馬県の各県で生産されたほうれんそうと、かきな、それに福島県内で採取された原乳について、当分の間、出荷を控えるよう出荷制限を指示しています。>

放射線医学研究所の基礎知識(http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i7)(http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i6)(http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i4)(http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i3)が追加されており、普及したい。初歩的なQ&A(http://www.nirs.go.jp/rd/faq/radiology.shtml)も役に立つ。医療現場で核医学検査(http://www.nirs.go.jp/usr/medical-imaging/ja/qa/index.htm)等に携わっている方は、一般の方々とのかなりのギャップを感じるであろう。とにかく、広範囲の長期にわたるモニタリングと情報公開が不可欠であるが、数値の適切な評価が重要である。基準値を引き上げるだけでは解決しないのはいうまでもない。また、以下の報道が事実であれば、政府に対する不信感に繋がりかねないように感じる。

朝日新聞「国、住民の被曝予測公表せず 研究者らが批判」(http://www.asahi.com/national/update/0321/OSK201103210061.html)。21日23時45分<以下引用>
住民の被曝(ひばく)量や放射性物質が降る範囲の予測を国が公表していないため、研究者らから批判が出ている。文部科学省が委託した機関が1時間ごとに計算し原子力安全委員会に報告しているが、国は「データが粗く、十分な予測でないため」と説明している。予測システムはSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)と呼ばれる。原子力安全技術センター(東京)が、原発の位置、放射性物質の種類や量、放出される高さ、地形などを元に、最新の風向きや風速のデータを加えて計算。日本全域を250メートル四方に区切り、それぞれの場所にすむ人が吸入などで被曝する量を予測する。同センターによると、11日の地震発生約2時間後から、東京電力・福島第一原発について計算を始めた。放射性のヨウ素や希ガスについて、放出量の見積もりを何段階かに変化させて計算。1時間ごとに2時間後までの被曝予測データを、原子力安全委員会に報告しているという。原子力安全委員会事務局は「放射性物質の種類や量、放出時間などの推定が粗いので、避難などの判断材料としては使っていない。その状況なので軽々しく公表できない」と説明している。一方、長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)は「条件がそろわないと予測できないというのはおかしい。国は持っているデータをすべて公開することが大事だ。根拠をもとに住民と相談して、対応を決めるのが原則ではないか」と話している。福島第一原発から出た放射性物質の拡散予測について、米原子力規制委員会(NRC)は「あくまで推定で、実際とは異なるかもしれない」と注釈つきで公表。米国はこれらを参考に原発から半径80キロメートル以内にいる米国人に避難を勧告した。また、フランスやオーストリアの研究所なども拡散する様子の動画をホームページなどで公開している。(木村俊介)>

文部科学省の環境防災Nネット(http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/index0301.html)では、SPEEDIがPRされているではないか。本来、原発事故の際に役立てるものではないか。

「SPEEDIの役割・特徴」(http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030104.html)。<以下一部引用>
<SPEEDIには、2つの役割があります。
 一つは、「原子力緊急時において、国や関係道府県が防護対策の検討を進める際に、放射性物質による環境への影響予測情報を提供」することです。予測情報には、風速場、大気中の放射性物質の濃度、外部被ばくによる実効線量、吸入による甲状腺等価線量などがあります。もう一つは、「全国の原子力施設周辺の環境放射線監視と異常時の通報」です。
 SPEEDIでは、全国の関係道府県が測定・監視している原子力施設周辺の環境放射線データを、常時オンラインで、10分毎に収集しており、これらの環境放射線データが高い値を示した場合、自動的に原子力防災関係者(文部科学省、経済産業省、原子力安全技術センター)の携帯電話に通報されます。>

朝日新聞「【Q&A】農作物から放射能、食べても平気?」(http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103200071.html)(https://aspara.asahi.com/column/eqmd/entry/EaKwqkpc5j)。
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