友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

八千草薫さんの『まあまあふうふう』

2019年11月17日 17時50分12秒 | Weblog

 新聞広告を見て、女優の八千草薫さんが本を出していることを知った。書名は『まあまあふうふう』。どういう意味なのだろう。キャッチコピーは「一生懸命、いい加減に」とある。聞いたことのない言葉なので気になった。

 「まあまあふうふう」は中国語で、適当の意味があるようだ。漢字では「馬馬虎虎」と書く。昔、宋の時代にひとりの画家がいた。画家が一匹の虎の絵を描いていた。そこに「馬の絵を描いて欲しい」と言う人がやって来た。画家は虎の後ろに馬を描いた。それを見た人が「これは馬なのか、虎なのか」と訊ねた。画家は「馬馬虎虎」と答えた。

 画家の長男が絵を見て、「これは何か」と聞くと、画家は「虎」と答えた。次に次男が来て同じ質問をした。画家は「馬」と答えた。長男は狩りで馬を虎だと思い殺した。馬の主人は怒って代金を求めた。次男は虎と出会ったのに馬だと思い、虎に殺された。画家は傷心して、馬虎図を焼き捨てた。この話の結論は「画家のようになるな」ということらしい。八千草薫さんはダンナの口癖からこれを表題にしたようだ。

 八千草さんのダンナは映画監督で、彼女が悩んだり迷ったりしていると、「馬馬虎虎」と言ったという。「まあまあでいいよ」と助けたのだろう。学識のある人のようで、周りの人からも尊敬されていた人からそんな風に言われれ、スッーと肩の力が抜けて自然の演技ができる、そんな気がする。

 八千草さんは可愛い人だったから、88歳とは思えなかった。どんな風に亡くなったのかは知らないが、「ポックリ逝けるといいね」と友だちに言うと、「なかなかそう思うようにはいかないみたい」と言われてしまった。 


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