友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

お人よし選挙

2007年04月18日 19時03分32秒 | Weblog
 今、選挙の真っ只中である。
 先日、中日新聞のコラム『中日春秋』が、選挙について政治学者の佐々木毅さんの言葉を紹介していた。「選挙に限っての日本人論」である。引用すれば次のようだ。

自分が投票しても「何も変らない」と思っている人が少なくない。だから投票率が低くなる。でも政治家に影響力を行使するため、投票している人がいる。当選した政治家は、その人たちを意識して税金の使い道を決めることが容易に想像できる。投票に行かない人は結果的に、見知らぬ人に税金を進呈しているに等しい。お人よしと思われてもしかたがない。(略)道府県議選の平均投票率は52.25%だった。前回並みだが、二人に一人がお人よしだったことになる。

 ここで言う政治家とはもちろん議員であり首長である。コラムの記者は、投票してくれた「人たちを意識して税金の使い道を決めることが容易に想像できる」と優しく表現しているが、議員であった私から見れば、議員や首長のほとんどが指摘のとおりだ。彼らは当選した時から次の選挙を考えている。組織や地域の応援を受けて当選すれば、当然その組織や地域に「恩」があると考える。だから「恩返し」をしなくてはならなくなる。応援する側ももちろん「恩返し」を期待するから、投票で「恩」を売る。

 私は日本の選挙しか知らないので、どこでもこのような選挙なのかよく知らない。でも情けない気がする。確かに政党も支持団体のために働く。だから投票してくれた人のために働くことは当たり前のように思われている。自民党は企業家や裕福層の代弁者であり、社民党と共産党は労働者の代弁者であり、民主党はどっちつかずの層の代弁者だ。それもよくわからない主張で、それぞれが代弁者であることを隠している。私はこういう日本の政党のあり方に疑問を持っている。これは政党がきちんと、我々は日本をこのような国にしたいという構想を示さないことに原因があると思う。選挙のたびに示されるマニフェストでは、互いに同じようなことを言っているとしか思えない。国会議員の選挙は主義主張で争うことこそが基本だと私は思っている。

 地方議員は地方自治を進めるための役割を担うので、私は極端だけれど、大勢の議員で議会を行うか、そうでなければ代表が首長を務める少人数の委員会方式がよいのではないかと思う。私は自分が住むマンションの自治会の役員を務めたことがあるが、役員は議員の中から選んでいたし、その議員は輪番で行ってきた。すると、「輪番制では活発な時とそうでない時があるから、やりたい人にやらせる方がいい」という意見があった。なるほどそうかも知れない。活発な時とそうでない時があることで何か支障があるのだろうか。役員や議員になれば皆さん一生懸命でやってくださる。結果よりも皆さんが一生懸命でやってくださることの方がマンションにとっては宝ではないかと反論した。私は輪番制こそは民主主義の原点ではないかと思う。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« チューリップを楽しむ会 | トップ | 無党派市民派の勉強会 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コネクション (ttt-y)
2007-04-21 09:16:51
県議選の応援演説で
「同氏が当選しないと
県からの補助金などが下りてこない。
それでは、この地域が困ります。
だから氏を入れなくてはいけない」と
演説していました。
そんなシステムがおかしい・・・とは
誰も思わないんですよね!?
返信する
政治は理想の追求 (鈴木 よしひこ)
2007-04-21 15:39:32
そこが変らないと結局は同じことの繰り返しなのではないかと思います。4月20日のブログでも書いたのですが、みんな全員が利益を求めたならどうなるかといえば、それは政治の破産ではないですか。政治は理想の追求にあると私は思っています。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事