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友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

たまには成功した話も聞きたい

2017年09月12日 17時35分25秒 | Weblog

  秋は人恋しい季節だが、一年中人恋しい友だちがいる。祭りの反省会ではいつもながら彼の「進行形の恋愛」を聞かされる。大相撲を見に行ったとか、歌舞伎を見に京都まで行ったとか、伊良湖の恋路が浜を歩いたとか、琵琶湖を一周するドライブをしてきたとか、個室のある部屋で食事したとか、初めは自慢話なのかと思って聞いていたが、要は、彼が感動したものや景色を彼女と共有したためと分かった。

 「それが、彼女の友だちが彼女に『そんなに長く付き合っているのに、何にもしない男って、男として欠陥があるのじゃないの』と言った話をしてきたんですが、どう考えたらいいんでしょう?」と言う。「あなたはどうしたいの?なぜ、手も握らずキスもしなかったの?」と聞くと、「だって、それじゃー不倫でしょう。そりゃー、したいですよ。したいですけど、許してくれなかったらと思うし、彼女を大切にしたい気持ちもあります」と答える。

 そこで先輩たちが一斉攻撃を加える。「ふたりでドライブして、一緒に酒飲んで、もう充分不倫してるじゃないか」と言う。「いえ、手も握ってません」と彼は慌てる。「だからおかしいと彼女の友だちも言ってる」「そんなことを話すのは、次のステップへ行こうという合図だね」と指摘する。「本当ですか。行ってもいいんですかね」と彼の顔が輝く。「行きたいのなら行けばいいが、あやふやな気持ちならやめとけ」。「俺なんか、遠くにラブホテルが見えたんで、チラッと見てたんだけど、そうしたら彼女から『ああいうところへ行きたいんだ』と冷やかされて、『ウン』って言ったら、『いいよ、今度行こう』って言われたよ」。

 酒の席での「恋愛相談」は、いつの間にか先輩たちの自慢話に変わってしまう。次回もきっと彼は続きを話すだろうが、またしても不成功に終わった話になるだろう。これまでもたくさんの恋愛話を聞かされたが、成功したことは一度もない。いや、きっと失敗談だからみんなの話題になるのであって、他人の成功した話など妬ましいだけで、酒の肴にはならないのだ。でも、たまには成功した話も聞きたいが、無理かなあー。

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